静穏の日々

好きな音楽、テレビなどの趣味を気ままに。

思い出に残った日本の名作ドラマ 総まとめレビュー【2000~2019】

私 何かというと、過去に好きだったドラマのリストをメモ帳に打ったり感想を考えたりする日々をいつも送っているんですが、いい加減キリがないので、これを機に 大好きなものからちょっとうろ覚えな作品まで、片っ端から挙げて感想をまとめてみたいと思います。タイトル前の記号が▫(白)でなく▪(黒)にしてある15作品が、全作品の中でいま特に推したい, 思い入れの強い作品です。

 

TRICK (2000~2014)

第1話

第1話

  • 発売日: 2017/07/15
  • メディア: Prime Video
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ 枠ほか

堤幸彦:監督、仲間由紀恵×阿部寛:主演の、言わずと知れた超・国民的(?)傑作ミステリー。とにかく画面の中で常に何かしらのおふざけが炸裂しているというシュールギャグに定評があり、あらゆる意味で"史上最も好みなドラマだ!"と言い切れるほど多彩で惹き込まれる要素に溢れていた名作だった。色々なネタがまとめられた公式ファンブックが2冊 存在しており、 本棚でずっと大切に保管している。

連ドラ、スペシャル、劇場版…とどれも等しく面白くて良いんだけど、やっぱり「主人公・奈緒子が、不可解な死を遂げた父の謎を解くべくインチキ霊能力者たちに挑む」という一貫したテーマ性のあったシーズン1が至高。ずっと観ていたい。


▫すいか (2003)

すいか DVD-BOX (4枚組)

すいか DVD-BOX (4枚組)

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2003/12/21
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ 枠

共通ペンネームとして夫婦2人で執筆している「木皿泉」先生の作品はドラマファンからとても人気が高く、特にこの「すいか」が愛されている作品だとかで、そんな評判を聞いたのがきっかけで5,6年前に観た。主演は小林聡美さん。4人の女性が集う古い下宿「ハピネス三茶」でのひと夏の出来事が描かれており、行き詰まっている人間にじんわりと希望を与えてくれるストーリーと、どこか懐かしくてエモーショルな雰囲気がツボ。これはドラマというより、長い尺の映画を観ているような不思議な感覚に陥る、そういう作品だな。BGMもセットの美しさもgood。

桃ノ花ビラ

桃ノ花ビラ

  • 大塚 愛
  • J-Pop
  • ¥255


マンハッタンラブストーリー (2003)

マンハッタン・ラブストーリー DVD-BOX

マンハッタン・ラブストーリー DVD-BOX

 

TBS系 / 木曜ドラマ 

クドカンこと宮藤官九郎先生の名作。純喫茶「マンハッタン」の店長(松岡昌宏)からの視点で描かれる、6人の男女の恋の連鎖。「A」赤羽伸子 (小泉今日子)→ 「B」別所秀樹 (及川光博)→ 「C」千倉真紀 (森下愛子)→ 「D」土井垣智 (松尾スズキ)→ 「E」江本しおり (酒井若菜) → 「F」船越英一郎 (本人役)…とそれぞれのイニシャルの順番でラブストーリーが展開されていくが、次第に複雑になっていき…!?という、仕掛けたっぷりのミステリアスな脚本が上手い。毎話 物語の終盤で、無口なはずの店長が登場人物達に恋のアドバイスを捲し立てる(でも皆は店長と気づいていない)のが恒例の展開であり、成り行きでどんどんカオスと化していくハチャメチャさにひたすら酔いしれる。

国民的ヒットを飛ばしたドラマ「白い巨塔」と放送時間が丸かぶりしたため平均視聴率1桁台の結果となってしまったけど、「白い巨塔」は2クール完結の作品だったため 2003年10月期のザテレビジョンドラマアカデミー賞・最優秀作品賞は「マンハッタンラブストーリー」が受賞したというエピソードが好き。


▫大奥〜第一章〜 (2004)

大奥 第一章 DVD-BOX

大奥 第一章 DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 木曜劇場

自分の大好きなサザンの「愛と欲望の日々」とか東京事変の「修羅場」が主題歌だった大奥シリーズって一体どんな作品なんだ…?と思ったのがきっかけで4年ほど前に観てハマった「大奥〜第一章〜」。第1話の前半から"もうこれクライマックスだろ!"というくらい壮絶でエグい映像の連続で、最後の最後までハラハラドキドキして目が離せなかった。そんな中、エンディングでかかるサザンの明るい主題歌がかえって不気味に聞こえてしまうという点もまた乙で。松下由樹さんの演技はまさに"鬼"気迫るもので、素晴らしかったな。

  

▫タイガー&ドラゴン (2005)

タイガー&ドラゴン「三枚起請の回」 [DVD]

タイガー&ドラゴン「三枚起請の回」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TBS
  • 発売日: 2005/03/09
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

宮藤官九郎による、落語の展開と現代の物語を完全リンクさせた新感覚・喜劇が楽しめる名作。長瀬智也岡田准一西田敏行阿部サダヲ伊東美咲蒼井優桐谷健太星野源大森南朋薬師丸ひろ子…贅沢すぎる豪華な俳優陣のハジケた共演もドラマファンとしては垂涎モノ。これは面白いというよりも、ひたすら"凄いなぁ…"と感心しながら観たような気がする。あと胸アツなのが、同じくクドカン作品の「木更津キャッツアイ」では 岡田くんと小日向文世さんは息ピッタリの親子役で共演していたのが、今作では因縁の2人として共演している点。熱い。 このドラマを観る際の注意点としては、連ドラからでなく その前のスペシャルドラマの「三枚起請の回」から物語が始まっているので、それを観てからじゃないと訳が分からないことになる。


電車男 (2005, 2006)

電車男 DVD-BOX

電車男 DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 木曜劇場

昨年どハマりした「電車男」。ドラマ好き目線で振り返ればこの作品は、「のだめカンタービレ」や「デート〜恋とはどんなものかしら〜」など 1話の中でごちゃごちゃにギャグやユーモアを詰め込んだ作品を排出し続ける武内英樹監督の作風の原点って感じだろうか。笑い→笑いときて最後には必ず泣かされる、エンタメ作品としてパーフェクトな構成。オープニング, エンディング共に音楽, 映像美の味わい深さが存分に楽しめる2000年代の作品として最高なのが「電車男」の魅力でもあります。


野ブタ。をプロデュース (2005)

野ブタ。をプロデュース DVD-BOX

野ブタ。をプロデュース DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2006/04/05
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

人気の小説を木皿泉先生がかなり大幅に脚色した大ヒットドラマ。台詞や展開が独特で惹き込まれる木皿ワールド全開の中で 演出もとても芸術的な感じで、個人的にやはりとても好きなタイプの作品だった。ドラマ後半, シリアスさや時に狂気が増していくストーリーの中でも癒しだったのが夏木マリさん演じる教頭と 忌野清志郎さん演じる本屋の主人の存在で。"学園ドラマ"という側面だけにスポットを当てず、"世界は広いのだ"と実感させてくれる雰囲気がグッときて泣けた。「希望の持てるラストにしたい」という製作サイドの意向のもと、原作の展開には沿りつつも明るさに満ちていた最終回も良かった。


花より男子 (2005, 2007, 2008)

花より男子DVD-BOX

花より男子DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

1年ほど前にイッキ見した。割とコテコテに王道・少女漫画という感じで"ありえないっつーの!!!!!"な展開はあったものの、とにかく続きが気になるところでいつも終わるのがこのドラマの面白いところで、最後まで見どころたっぷりだった。特に良いと思ったのが主人公・つくしのメンタルの強さで、どんなに周囲からいじめられても「私は逃げない。どこからでもかかって来なさい。」といい放てるカッコ良さ…これは見習いたいものだな。

 

のだめカンタービレ (2006~2010)

のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)

のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)

 

フジテレビ系 / 月9 枠

最近 観始めたけどやっぱこれ面白いんだな~!。前述の通り「電車男」の武内英樹監督作品。ギャグ漫画的演出を再現する点をとことん追求したらしく、千秋先輩がのだめを殴ったり投げ飛ばしたりするシーンには投げ飛ばされ専用の人形が作られた、との情報がジワる。小さい子供から大人まで、誰が観ても思わず吹いてしまうような"おバカギャグ"的世界観が確立されており、4話の 千秋先輩の家にのだめ,峰,真澄ちゃんが炬燵パーティーしに入って来て, 炬燵ごと放り出しても懲りずに3人が入ってくるシーンとか、現実の映像でこんなファニーな演出が実現できるものなの!?と思って非常にワクワクした。あと超自然に白目+魂が抜けた顔?ができる玉木さんの演技力の幅、凄すぎるぞ…!!

ドラマ終盤では、のだめの過去の話や深い心理描写が描かれ、音楽と真正面に向き合う天才肌の彼女を演じた上野樹里さんの演技に涙腺をめちゃくちゃ揺さぶられて。イイな~この面白さ…さすが人気シリーズ! この後の作品も楽しみに観ていきたい。


山田太郎ものがたり (2007)

山田太郎ものがたり [DVD]

山田太郎ものがたり [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2008/01/09
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ 枠 

夏休みの再放送で2周くらい観た。ほのぼのとした学園ドラマで、ニノ演じる"ビンボー貴公子"な山田太郎と 櫻井くん演じる"セレブ貴公子"な御村くん達との友情が描かれる。学校での素敵な青春ストーリーのほか、山田太郎を取り巻く幼い弟妹たちのストーリーが本当にほっこりして泣けて、全体的に凄い教育上の良いドラマだったな。オープニングで主題歌「Happiness」に合わせてキャスト勢揃いでエアギターしてたあのエモい映像は、今となってはめちゃくちゃレアかも?


▫歌姫 (2007)

歌姫 DVD-BOX

歌姫 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2008/03/26
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

俳優として活躍する傍ら、舞台作家としての才能も持つ宅間孝行(=サタケミキオ)の戯曲を自らドラマ化させたという作品。ネット上では「隠れ名作」との声が挙がることも多く、ヒット作の陰に隠れて こういう面白いドラマがどんどん誕生しているTBS・金曜ドラマ枠はマジで名作の宝庫だな~と思う。

ストーリーは、戦後間もない頃の土佐清水と映画館・オリオン座を舞台に、戦前の記憶を失った映写技師・四万十太郎(長瀬智也)とオリオン座・岸田家の次女 岸田鈴(相武紗季)の恋模様が描かれる。毎話 重厚な昭和の喜劇が楽しめる様はまるで朝ドラや大河を観ているようで、思い出せば思い出すほど"凄いドラマ観てたなぁ…"という気分になる。長渕剛 作詞・作曲のオープニング・TOKIO「青春 SEISYuN」や、エンディングで流れるエリック・クラプトンの「Change The World」も物語の世界観にピッタリだった。ドラマ史に残るであろう感動の最終回は必見。

Change the World

Change the World

 

コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- (2008~2018)

コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 [DVD]

コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 [DVD]

 

フジテレビ系 / 木曜劇場 → 月9 枠

昨年から観始めた。名作だとは分かっていたけど、こんなに感動する作品だとは思っていなくて。1分1秒を争う, "命の重さ"を突きつけられる現場の中で、色んな悲しみに直面しながらも成長していくフェローたち。医者としての心得だけでなく、観ている 日々を生きる視聴者すべてへの問いかけや、家族、人生…色々と考えさせられた。最も感動したのが、シーズン1・10話の、柳葉敏郎さん演じる黒田先生が、息子の治療のために1対1で親子の対話をするシーン。そのシーンが観てて、本当に自分でもビックリするくらいにボロボロと泣けて。悲しいんだけど、その涙が本当に心地よくて、素晴らしい映像体験が出来たなと。この先 スペシャル、シーズン2、シーズン3、劇場版…とまだまだ先の長いシリーズなので、楽しみにちょっとずつ観ていきたいな。

あとこのドラマで良いと思うのが、主題歌のミスチルHANABI」とストーリーの親和性の高さはもちろんのこと、ひっきりなしにBGMとして流れるサントラが本当にカッコよくて。一筋縄ではいかないクールなサウンドに心をグッと掴まれます。

Against the wind

Against the wind


33分探偵 (2008, 2009)

33分探偵 DVD-BOX 上巻

33分探偵 DVD-BOX 上巻

 

フジテレビ系 / 土曜ドラマ

福田雄一監督の名作。犯人が明らかになっており事件解決 間違いない状況下で、探偵・鞍馬六郎(堂本剛)があれこれ珍推理を繰り広げながら33分間その事件を持たせる、というテレビドラマの概念を覆す面白い作品。毎回 決まった流れで一連のストーリーが展開される構成となってるんだけど、これが不思議と飽きない。ツボなのは毎度 探偵事務所を訪れる妙な客とリカコ(水川あさみ)のやり取りと、六郎くんの移動手段が色々ヤバい点と、最後のセルフ・ストップモーション(?)。何から何までふざけすぎで最高。


流星の絆 (2008)

流星の絆 DVD-BOX

流星の絆 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

東野圭吾:原作、復讐のために詐欺師となった3兄妹の絆を描く傑作ミステリーを宮藤官九郎がコメディーテイストを加えて脚本、というかなり実験的だった豪華なドラマ。一見 合わないようで見事に調和してる独特のタッグが素晴らしく、原作にはない追加されたシーンも全てプラスの効果を発揮していて最後まで満足できた1作だった。元々の設定も凄いと思うし、このタッグを企画した人も凄いし、完全にアイデアの勝利だなぁと思う。3人の詐欺に騙される男たちの劇中劇みたいなのが途中に挟まれてて、それがとてもカオスで笑った記憶。主題歌の「Beautiful days」は、ドラマ観た後に聴くと 歌詞への思い入れがグッと深くなります。


ラブシャッフル (2009)

ラブシャッフル [DVD]

ラブシャッフル [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2009/07/03
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

これは本当に面白い。今年 入ってからAmazon primeで全話 視聴したのだけど、本当に良かった。巨匠・野島伸司:脚本、終始ふっと和んでしまうような独特の空気感が漂うコメディータッチが印象的な、大人の"交換"ラブストーリー。じわじわと漂い始める深い心理学的テーマと、浮き彫りになる1人1人のキャラ像…どこを取っても興味を惹かれる展開,台詞ばかり。深くてカッコイイ。このドラマに出てくる人 全員好き。それぞれのストーリーがゴチャゴチャなカオスを巻き起こし、毎話 終盤に必ず主人公・宇佐美(玉木宏)が現代社会に喝を入れる大演説を巻き起こす!!という粋な構成も乙。主題歌は Earth, Wind & Fire 「Fantasy」と The Bangles 「Eternal flame」でお洒落に駆け抜ける。観てるとめちゃくちゃ元気が出てくるな~。自分が心から大好きと思えるドラマ史に、2020年 また1つ新たな1ページが刻みこまれた。あと、サントラのメインテーマが最高に好きで。思わずCDもレンタルした。

Love Shuffle

Love Shuffle


銭ゲバ (2009)

銭ゲバDVD-BOX

銭ゲバDVD-BOX

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2009/05/22
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

松山ケンイチ:主演、岡田惠和:脚本の日テレ土9。昔 観てトラウマになったドラマ。ぼんやりとしか思い出せないのだけど、恐ろしくて,ショッキングで陰鬱な映像の連続ながらも惹き込まれ、テレビに齧り付くように観た思い出の作品。振り返れば、自分の人生で初めてちゃんとチェックした連続ドラマであり このあたりから自分のドラマ好きが始まっていくのだけど、少なくとも小5の男子が何となくで視聴するには刺激が強すぎた1作かもしれない。最終回の、狭くて汚い小屋で爆弾のコードを体に絡めて絶叫し、走馬灯が繰り広げられるというあの絵面は、本当にテレビから映し出されたものだったのだろうか。夢か幻か、あそこまでの怪演をやってのけた松山ケンイチは一体なんなのか。


ザ・クイズショウ (2009)

ザ・クイズショウ 2009 DVD-BOX

ザ・クイズショウ 2009 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2009/08/21
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

嵐の音楽, ドラマに触れるきっかけとなった作品。「銭ゲバ」からの流れで "あれ?今度はバラエティー番組が始まるの?明るいやつ?"とか呑気な事を思いながら初回観たら これまためちゃくちゃ闇が深いシリアスなドラマで面食らったし、この時期, 色んな意味で良い時代だった。櫻井くん演じる「MC-KAMIYAMA」がじわじわとゲストを追い詰め、横山くん演じる本間が神山をじわじわと追い詰め…という結構 精神的にくるタイプのドラマで。回想シーンが大体エグめの映像が入ってくるので怖かった。主人公2人はもちろんのこと、出演している俳優さん皆が全力で難しい演技と戦っている熱さみたいなのが今思うと良かったな。悲しいムードを味わい深くする主題歌「明日の記憶」は何度聴いても良い曲。

明日の記憶

明日の記憶

  • J-Pop
  • ¥255


官僚たちの夏 (2009)

官僚たちの夏 [DVD]

官僚たちの夏 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

佐藤浩市さん、堺雅人さん、高橋克実さん、船越英一郎さん、杉本哲太さん、北大路欣也さんなど、錚々たる豪華な俳優の共演が楽しめる名作。TBS 日曜劇場の偉大な歴史を感じる粋で上質なムードがこの1作に集結しており、日本の全てのドラマの中でも5本の指に入るんじゃないかという完成度。50年代の日本の世相をあらゆる角度から知ることができるほか、壮絶を極める登場人物たちの人生に心をどんどん揺さぶられる。ストーリーの雰囲気的にはどちらかといえば悲しいことの方が多く、最終回も"え?こんな終わり方なの??"というくらいにはThe・壮絶ドラマだったけど、それ故に主題歌のコブクロ「STAY」が本当に沁みたし、感動した。また改めて観たいな~~。DVD BOXを買おうか迷ってる…。

STAY

STAY


華麗なるスパイ (2009)

華麗なるスパイ DVD-BOX

華麗なるスパイ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2009/12/23
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

長瀬智也×深田恭子コンビのコミカルなスパイドラマ。本当に薄っすらとしか覚えてない記憶なんだけど、やっぱりこの時期あたりは日テレの土曜ドラマは毎クール熱心にチェックしてて、このドラマみたいに結構 遠い記憶だけど当時 楽しくみてたな~~という思い出のある作品はかなりあった。「サムライ・ハイスクール」とか、「デカワンコ」とか、「ドン★キホーテ」とか、「高校生レストラン」とか。超・日テレ大好きっ子だった。

で、中でも印象に残っていた「華麗なるスパイ」の記憶としては、なんかすっごくカオスなドラマだったよなぁ…っていう。最終回のあの、地球の温度が上昇しすぎて滅亡しそうだから皆で水撒きしようみたいなストーリー…だったっけか?凄い笑った覚えがあるんだけど、もう1回観てみたいなぁアレ。


▪JIN -仁- (2009, 2011)

JIN-仁- DVD-BOX

JIN-仁- DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

言わずと知れた名作。ここ4年くらいで配信サービスを使って後追いで観たドラマ作品の中ではダントツに濃密な印象を焼き付けてくれた凄まじい1作で、こんなドラマがあったのか…!?と未だに驚いてしまう程。医療モノ×時代劇×SF……従来は交わらないはずのジャンルを見事に組み上げ、完結まで2シーズン・計22話を使って"タイムスリップ"の謎をスパッと解いて最高のフィナーレを迎えたこの作品の後味の良さ…これを越える衝撃ドラマには2度と出会えないでしょう。人生最高のドラマと言ってもいいかも。

心を大きく揺さぶられるようなダイナミックな雰囲気の演出とは裏腹に、様々な重たい繊細なテーマを扱っているため、出演している俳優さん方全員に 非常に難しい演技を課せられているような張り詰めた空気が画面から伝わってくる気がして、特に主演の大沢たかおさんを始め、坂本龍馬役を演じた内野聖陽さんや、麻生祐未さんは本当に心配になってくるくらい体を張った名演をなさっていて、真の感動というものをそこで味わった。西郷隆盛役を演じた藤本隆宏さんの演技もとても印象に残っているなぁ。こんな心に残ったドラマこそもう1度観てみたいものなんだけど、長いしめちゃくちゃ時間取らないと完走できないので、いつかまた。


警部補 矢部謙三 (2010, 2013, 2017)

episode1

episode1

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ 枠ほか

ドラマ「TRICK」の人気キャラクター・矢部謙三を主人公にしたスピンオフ作品。「TRICK」シリーズの劇場版のプロモとして同時展開されたシーズン1・シーズン2に加え、2017年には配信限定でオリジナルエピソードが追加されて。それがここ数ヶ月でようやくAmazonプライムに来てたので観たんだけど、やっぱり最高だ。これぞ究極の愛すべき馬鹿。

この↑配信用パッケージの矢部がめちゃくちゃカッコつけてるの、知らない人から見たら"コミカルなドラマの主人公とはいえ少しはカッコイイところ見せてくれるキャラなのかな?"と思うかもしれないじゃないですか。マジでただ仕事サボってるだけだからなこの人。なのに、何故か成り行きで事件をどんどん解決しちゃう強者。強運。ある意味で、最強の"カッコイイ刑事"なのか…?

 

うぬぼれ刑事 (2010)

うぬぼれ刑事 DVD-BOX

うぬぼれ刑事 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2011/02/02
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

刑事といえば、忘れちゃいけないこの男。脚本:宮藤官九郎 × 主演:長瀬智也の黄金タッグで実現した、極上のコメディードラマ「うぬぼれ刑事」である。実は個人的に、長瀬くんの演じた役の中ではこれが1番好き。優しくて、惚れっぽくて、愛嬌があって、ちょっと泣き虫で。良いキャラなんですよね。あぁ、面白いな~!っていう絶妙なラインばかりついたクドカンワールドが広がる名作ですね~~。

毎度 主人公の刑事・うぬぼれ(名前?)は1人の女性に恋をするんですけど、その人が偶然いつも追っている事件の犯人で、泣く泣く逮捕せざるを得ない…というシンプルだけどめちゃ面白いストーリー。で、その犯人を各回 演じる女優さんというのが、加藤あいさん、蒼井優さん、戸田恵梨香さん、薬師丸ひろ子さん、小泉今日子さん、小雪さん etc… 皆 宮藤官九郎作品に出演したことのある豪華な面々であるという!! マジでこのドラマは、クドカンファンのための最高の"お祭り"。なかなか実現しないであろうこの貴重な祭りの模様を、是非 目撃して下さい。


Q10 (2010)

『Q10』DVD-BOX

『Q10』DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

木皿泉さん脚本、平凡な高校3年生の深井平太(佐藤健)と女の子の姿をしたロボット(前田敦子)の恋を描いたSF群青劇。この作品、観ていた当時は特に何も思わず時間が過ぎていったドラマだったんだけど、木皿さんが好きになってからまた観直そうということで一昨年の年末にイッキ見してて、それでハートを撃ち抜かれたっていう時間差でグッときた作品なんですよね。木皿作品としてはたぶん1番 静かな雰囲気で地味な印象を受けるかもしれないんだけど、観てる時の心を掴まれる感じがピカイチで、とにかく泣けます。主人公2人の演技力の高さはもちろんのこと、脇を固める俳優陣が蓮佛美沙子さん、賀来賢人さん、高畑充希さん、細田よしひこさん、柄本時生さん、池松壮亮さん、福田麻由子さん…っていう日本のトップレベルの実力派若手俳優が集結してるのがアツすぎる。高橋優さんの主題歌も良い。

ほんとのきもち

ほんとのきもち

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

 

11人もいる! (2011)

11人もいる! DVD-BOX

11人もいる! DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • 発売日: 2012/04/07
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ 

宮藤官九郎 × 金曜ナイトドラマ!!深夜枠だからこそ実現した、超~ぶっ飛んでて、超~ふざけてて、でも実は超~真面目なホームドラマ。8人の子供を持つ貧乏な10人家族の長男(神木隆之介)の奮闘と、亡くなった母の幽霊(広末涼子)と五男・才悟(加藤清史郎)の交流などが描かれる。全体的な家族劇としてのテーマ性や、毎話クローズアップされる子供たち1人1人の問題、そして最終話の意表を突かれるシリアスな展開など、ふざけてる中にも真面目なテーマにちゃんと切り込む深さがクドカン節炸裂。でも印象に残ってるのはやはりふざけてるシーンの方で、広末さんと清史郎くんの会話劇は本当に面白かった。飛び出すワードの大体が下品でしょうもないけど(笑)、何故だか凄くほのぼのとしていた。クドカン作品の中では「あまちゃん」、「マンハッタンラブストーリー」の次に完成度の高い作品だと個人的に思っている。今思うと星野源の劇中歌も良かったな。

 

▪ブラックボード〜時代と戦った教師たち〜 (2012)

ブラックボード~時代と戦った教師たち~ DVD-BOX

ブラックボード~時代と戦った教師たち~ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2012/09/05
  • メディア: DVD
 

TBS系 / スペシャルドラマ

連ドラじゃないんだけど、とても思い入れの強い作品なのでこのレビューに追加してみました。「ブラックボード」は、日本の教育の諸問題にスポットを当てた とても心を揺さぶられる作品。2012年の春に3夜連続で放送され、1日目のテーマは「軍国主義」(1944年 - 1947年)で嵐・櫻井翔くんが主演、2日目のテーマは「校内暴力」(1980年)で佐藤浩市さんが主演、3日目のテーマは「学級崩壊」(1980年 - 1990年代)で松下奈緒さんが主演、それぞれ鮮烈に、歴史のままに事実が描かれた。櫻井くんの日はリアルタイムで観ていて、松下さんのは いつかのお昼の再放送でやっていたので観て。どれも、"ここまで残酷に描くのか?"というくらい主人公が辛い時代と戦う姿が描かれていて、特に3日目の「学級崩壊」は冒頭からいきなり主人公が自殺未遂に追い込まれるほど辛い目に遭っていて、戦争や暴力が横行していた時代よりも悪化していた'80年 ~'90年代の教育の在り方とは何だったのか…?と深く深く考えさせられた。

そして、2日目の作品だけを観ていなかったことに気づいた2017年の春に観たので3作品ともコンプリートできたのだけど、やはり浩市さんの演技は本当に凄かった…。「校内暴力」の時代で対峙する"不良生徒"の問題の中で、その生徒を演じた志田未来さんと教師である浩市さんの"演技を通じた深い対話"というのがこのドラマ全てのテーマとしての核となる部分だと思っていて、たぶん学園モノとして描かれたドラマの中では、一生忘れられないくらいに心を動かされた演技がそこに詰まってたと思う。テーマソングとして流れた平原綾香さんの「BLESSING 祝福」を再生するたびに、色々なシーンを思い出して涙ぐんでしまうという…, 本当に良い映像体験が出来ましたね。また、こんな気持ちにさせてくれる作品に出会ってみたいものだなぁ。

Blessing 祝福

Blessing 祝福


東野圭吾ミステリーズ (2012)

東野圭吾ミステリーズ Blu-ray BOX

東野圭吾ミステリーズ Blu-ray BOX

 

フジテレビ系 / 木曜劇場

自分が読書の魅力に取り憑かれて、東野圭吾の作品の全制覇に勤しみつつ 本棚にズラリと並んだ東野作品の背表紙を見てウットリする日々を送っていた最中、絶好のタイミングで放送された最高のオムニバスドラマ。当時 雑誌の新ドラマ一覧を開いて本作の情報が記載されてるのを見た時、あまりの嬉しさに幻覚かと疑ったほど喜んだのを覚えている。

ドラマの完成度はそれはもう素晴らしいもので、「再生魔術の女」の鈴木京香さん、「白い凶器」の戸田恵梨香さん、「小さな故意の物語」の三浦春馬さんなど、原作の展開,設定に忠実に沿った再現度の高い映像に加えて 間違いなく原作超えだと思えるインパクトの強い俳優さん方の演技力に感動した。映像化不可能だと思われた第6話の「シャレードがいっぱい」では、映画監督・CMディレクターの石井克人さんが演出を担当し 独特の映像表現で原作の世界観を見事に再現していたのも熱かった。放送された年に買った原作小説の1つ「あの頃の誰か」は何年経ってもずっと宝物ですね。思い返せば、このドラマには自分の好きなものの大体が詰まってたな。


ゴーストママ捜査線〜僕とママの不思議な100日〜 (2012)

ゴーストママ捜査線 僕とママの不思議な100日 DVD-BOX

ゴーストママ捜査線 僕とママの不思議な100日 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/01/23
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

夏休みの鑑賞にピッタリだった、母子のハートフルなホームドラマ仲間由紀恵さんが主演、生瀬勝久さんが出演しているほか、演出、脚本、と"チーム「ごくせん」"な制作陣であるため、とにかく終始 安心感が凄かった。温かな物語に毎週 涙腺を刺激されたし、ゴーストママの仲間さんと息子のとんぼ役を演じた君野夢真くんとのやり取りも息ピッタリで泣ける泣ける…凄い素敵なドラマだったなぁ。仲間さんは近年はシリアスな大人の役が増えてるけど、個人的にはやっぱり、この作品のような明るくて可愛らしい役を演じているところが観たい。テレビ局(事務所?)の方々はそこのところ、もう少しご理解頂けないだろうか(?)。

 

▪PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜 (2012)

PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~ DVD-BOX

PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~ DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 月9 枠

主演:木村拓哉 × 演出:鈴木雅之の「HERO」タッグで放送された月9ドラマ。会社の陰謀により冤罪をかけられ ドン底に堕ちたサラリーマンが0からお金の大切さを知っていくという、シリアスさとコメディーが入り交じった斬新なストーリーで放送当時から気になっていてちょくちょくチェックしていたのだけど、結局ちゃんと観る機会がなくて、8年越しでこの間 FODで最初から観始めた。いやはや、やっぱりめちゃくちゃ面白いドラマだし、ローリング・ストーンズが流れるオシャレなエンディングが懐かしすぎて泣けた…。

2012年前後って本当 色々とフジテレビドラマの情報にリアルタイムで敏感になれてた時期で、楽しかったな~って。あと個人的に、木村くんの連ドラをちゃんと観ようとするのが実は今回で初めてのことなので、楽しみに観進めていきたいと思います。

 

泣くな、はらちゃん (2013)

「泣くな、はらちゃん」DVD-BOX

「泣くな、はらちゃん」DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

このドラマのことを思い出すと、自然と (*´○`)o¶♪ "世界中の敵に降参さ、戦う意志はない"っていう子供たちの歌声が脳内再生される…。岡田惠和さんの書き下ろし脚本、長瀬くんが主演を務めたファンタジー作品。このドラマはとても心に残っていて、事ある毎に僕が"岡田さんの脚本が好きだ"と述べる所以はこの作品にある。ストーリーは、ヒロイン(麻生久美子)が描く漫画の主人公(長瀬智也)が実体化して現実の世界に現れ、創造主でもあるヒロインに恋をするというお話。子供向けの可愛らしい作品かと思いきや、物語が進むにつれ死生観や家族愛など様々な重いテーマが描かれていき、それ故に出演されてる俳優さん方全員の熱い演技のぶつかり合いが楽しめたのが印象に残っている。(菅田将暉くんを知ったのもこのドラマからだ)。最終回の、もう終わらないで欲しい!!というくらいドラマチックなあの感覚は忘れられない。ただ、このドラマ全体の細かい魅力まではだいぶ忘れてきているため、"思い入れの強い作品"というよりは、"もう1回観て色々と確かめたいことがあるんだけどなかなか機会がない作品"として脳内にカテゴリーされている。

ちなみにこの作品は、読売を取っていた当時に懸賞でこのドラマのオリジナルクリアファイル(可愛らしいイラストが描いてあるもの)と劇中に登場したデザインのノートが当たるというのがあって、ハガキで応募したらそれに当たり、2品をゲットすることが出来たという…そういう意味でも好きな作品として記憶に残ってたりします。


あまちゃん (2013)

連続テレビ小説 あまちゃん 総集編 [DVD]

連続テレビ小説 あまちゃん 総集編 [DVD]

 

NHK系 / 連続テレビ小説

宮藤官九郎:作、ヒットするべくしてヒットした、語れる要素が多すぎる名朝ドラ。個人的にドラマ好きになる上で転機となる作品は色々あったけど、今みたいに本格的にドラマというものを愛せるきっかけとなったのはやっぱり「あまちゃん」からかな。

タイトルの通り 東北の三陸を舞台に海女の魅力が描かれるのに加え、主人公のアキ(能年玲奈)が友達のユイ(橋本愛)との交友をきっかけにアイドルを目指し始める展開から開幕する"東京編"。時に壊れる友情、家族間の問題、仕事を通じて巻き込まれるトラブルまで…様々なテーマを交えながらもハチャメチャにコミカルさに溢れた芸能界の人々の話と,そこに飛び込んでいくアキと,アキの周囲の人々全員の話が目まぐるしく描かれていく。

"水タク"の愛称で人気が出た異色キャラのマネージャー・水口琢磨(松田龍平)を始め、48グループを彷彿とさせる設定に秋元康っぽいプロデューサー・太巻(古田新太)や、なんとなく高橋みなみっぽい熱いキャラクターの入間しおり(松岡茉優)など現代のアイドル界のイメージがリアリティーたっぷりに描かれるのに対して、実際の曲や映像も多様された80年代アイドル編では、アキの母であり過去にアイドルを目指していた経歴を持つ春子(小泉今日子)=(若き日の春子:有村架純)の事や、アキが憧れる大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の話などにも本当に惹き込まれて、この物語中盤の時点で"こんなに面白いドラマが他にあるだろうか…?" という感動に震えた。

物語終盤では、こうしたアイドルの話と共に、実際に発生した東日本大震災の事、震災直後の日本の状態や、復興に伴う"日本のエンタメに出来ることは何か?"というテーマまで描かれ、ドラマの終わりが近づくにつれ ここまでに挙げられた全てのテーマが複雑に絡み合い心を揺さぶるという構成に。

また、1話1話に細かいネタやトリックが仕掛けられた脚本が話題となり、"1日に4度 観ないと気が済まない"との声まであった視聴者人気が"あまロス"という社会現象ワードが付くに至るという本作の浸透度は、もう只々納得だなと。歴史的名作。


家族ゲーム (2013)

家族ゲーム DVD-BOX

家族ゲーム DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 水曜ドラマ 枠

前述の「銭ゲバ」同様、"あの絵面は本当にテレビから映し出されたものだったのだろうか"と自分の記憶を疑いたくなるほど衝撃的だった名作ドラマ。思い出せば思い出すほど どうしでこんなに凝りまくった名作が誕生してしまったんだろう…と思うけど、冷静に考えて 演出:佐藤祐市(「ストロベリーナイト」「大奥」) × 脚本:武藤将吾(「電車男」「3年A組-今から皆さんは、人質です-」) × 音楽:本多俊之(「マルサの女」「ニュースステーション」テーマソング担当)って、マジで"鬼才"の集まりだったんだろうな~と。櫻井翔くん、神木隆之介くん、浦上晟周くん、板尾創路さん、鈴木保奈美さん…皆 凄まじい迫力の怪演を魅せてくれるのに加え、細部まで作り込まれた独特の映像が魅力的な世界観と、希望と絶望が入り交じったThe・ジェットコースター!!なストーリー…作り手の個性が強すぎる1時間に、なんだかもう目がチカチカした。良かった。

このドラマのハイライトは、後の方の話であった、家族全員 精神がぶっ壊れて 皆で家の中をめちゃくちゃに破壊してるシーン。あれは、過去の'82年版、'83年版も踏襲してるものなのかな?よく知らないんだけど、あのシーンがテレビから流れた時の異様な感じが本当に凄くて、間違いなく日本の映像史に残る名シーンなんだろうなと思う。というか、ゴールデンタイムによくぞあんなにエグいシーンを放送なすった。天晴れだ。

遊戯

遊戯


クロコーチ (2013)

クロコーチ DVD-BOX

クロコーチ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2014/04/02
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

三億円事件」の真相を仮説として描き、長瀬くんが悪徳警官・黒河内圭太を演じて話題となったクライム・サスペンス。これ、本当に斬新なドラマだったな……,てか「はらちゃん」と同じ年に放送されたドラマだったとか改めてマジすか!?って感じ。長瀬くんの演技の振り幅が凄すぎる。実際の事件を元にこのドラマで描かれたのは、罪と罰、正義と偽善、そして目を奪われるような"エログロ"な世界観…。いわゆる"汚い悪"みたいなものを淡々と描いていく本作の中で、黒河内の相棒役を演じた剛力彩芽さんの体当たり演技も見事だった。ドラマの盛り上がりとしては、2話,3話あたりでもうクライマックスか!?というくらいストーリーの展開にハラハラさせられて、毎話 凄まじいサスペンス劇に惹き込まれ、そして割と最後までどうにもドロドロとした感覚が残って、後味が悪いという…。でもそこがいい。癖になるというか、絶妙だった。

なんて言うか、2013年って本当 "芸術の年"だったって思うんですよね。テレビという媒体を通じて、もう二度と出来ないような実験的な事に思い切り挑戦して…とか そういうのがグッと詰まった1年だったように思う。良かったなぁと思う反面、同時にこうして過ぎ去っていった時間の儚さを実感する…。

 

▫ペテロの葬列 (2014)

ペテロの葬列 DVD-BOX

ペテロの葬列 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2014/12/26
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 月曜ミステリーシアター 枠

宮部みゆき先生:原作、身近に潜む犯罪を鮮烈に描いた人気シリーズ「杉村三郎シリーズ」のドラマ化。"月曜8時"という早い時間の放送だったけど、作品全体の重厚感、俳優さん方 皆の素晴らしい演技など、高い完成度を誇る映像に仕上がっており、日曜劇場とか金曜ドラマ枠で放送されたらもう少し話題になっていたんじゃないかとか、放送当時から"勿体ない"との声が多く挙がっていた名作だったりする。

物語は、第1話から"2時間枠"の長丁場でバスジャック事件の様子が迫力たっぷりに描かれていて、バスジャック犯を演じた長塚京三さんの名演にとても引き込まれた。2話以降はその事件から広がる影響や社会派なテーマが毎回 提示されて…細かいところまではあまり思い出せないのだけど、とにかく最後まで本当に良いドラマだったんですよ。最終回のラストで「to be continued」って出たのが嬉しくて未だに続編の映像化を待ってるんだけど……色々と難しいんですかねぇ。やってほしいなぁ。


▫Nのために (2014)

Nのために DVD-BOX

Nのために DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

6人の男女の10年間を描いた「純愛ミステリー」。長らく 個人的"人生のトップ5作品"に入っていた名作ドラマだ。近年のTBS金曜ドラマ枠でしばしば組まれる 原作:湊かなえ × 演出:塚原あゆ子 × 脚本:奥寺佐渡子 × 音楽:横山克の黄金タッグで実現した本作は、小豆島や瀬戸内海の絶景と都会の情景が対比された圧倒的な映像美(各回 主にタイトルバックに仕掛けが施される)、時系列, 人物関係が巧みに入り組んだ高度な脚本、出演している俳優陣 全員の熱すぎる演技のぶつかり合い etc… 様々な魅力が視聴者から支持され、視聴率は高くなかったものの、2014年末のザテレビジョン ドラマアカデミー賞の賞を総なめするという結果を収めた。

元々こういう重い感じの作品は自分の嗜好の範囲内ではなかったのだけど、第1話からビックリするくらい惹き込まれて、観れば観るほど魅力が見つかって、本当に満足だな~と思える3ヶ月をリアルタイムで過ごせたのがすこぶる良い思い出ですね。ただ、トップ5に"入っていた"というのは、昨年 Amazonプライムにて本作を久しぶりに観ようと思ったのだけど、やっぱりなかなかのボリュームだし "もう2周目は無理だな"と思った結果、こういうドラマが大好きだった時期の思い出が年々薄れつつあることに気づいたからで。こんな風に、段々と記憶の片隅で消えそうになってる名作ドラマの"情熱"というものを再度 引っ張り出すためにも、今回のレビューは非常に有意義なのではないかと思う。


素敵な選TAXI (2014)

素敵な選TAXI DVD-BOX

素敵な選TAXI DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 火曜ドラマ (火10) 枠

脚本:バカリズム × 主演:竹野内豊のタッグが話題となった、一話完結形式のタイムスリップモノ。この作品で分かる脚本家・バカリズム先生の才能というのが素晴らしいもので、毎話 コミカルで愛おしい会話劇と、予想を超えてくる感動のSFドラマが楽しめて、ずっとこの物語を観ていたい!!と思ってしまう魅力がこのドラマにはあって。(特に好きなのはスペシャルドラマの「湯けむり連続選択肢」)。そんな巧みな脚本の良さはもちろんのこと、今作をこんなにもキュートでスタイリッシュな映像に仕上げたのは筧昌也 監督の功績である。この作品のほかに監督しているドラマ「ロス:タイム:ライフ」や世にも奇妙な物語の作品「美女缶」「PETS」を観てもらえれば分かると思うんだけど、どの作品も凄く監督独自の視点で個性が出ていて、ファンタジーで泣ける「選TAXI」っぽい世界観が楽しめるので、是非ともオススメしたい。

あたしの向こう

あたしの向こう


▪デート〜恋とはどんなものかしら〜 (2015)

デート~恋とはどんなものかしら~ DVD-BOX

デート~恋とはどんなものかしら~ DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 月9 枠

"リアルタイムで観た中で最も好きだったドラマは?"と聞かれれば真っ先にこの作品を挙げる。殿堂入り済の名作。上の方で述べたけど、これが武内英樹 監督のキュートでギャグ漫画的な演出が映えてる作品として最も良いな~と思うドラマで、脚本は「リーガルハイ」「コンフィデンスマンJP」など仕掛けたっぷりのサプライズ脚本でお馴染み古沢良太 先生。いま思えばこんな天才同士のタッグ、面白くない訳がないのだけど(というかこれから先またこのタッグが実現しようものなら興奮で倒れるレベルなんだけど)、それらの事実をよく知らずに"なんか面白いな~なんでだろう~ めっちゃ凄い。"と思いながら観てたあの頃の感動は、本当に新鮮で良いモノだったなって。もはやパッと振り返ることが出来ないほど毎話 仕掛けやネタが多かったのは、細かいところまでは思い出せないけど本当に良い思い出で、総じて忘れられない3ヶ月だった。出演している杏さん、長谷川博己さんを始め 魅力的なキャスト陣の方々…皆さん可愛い。可愛い世界観に入り込んだ名優たちの可愛らしいやり取り。好き。最高。感謝。


天皇の料理番 (2015)

天皇の料理番 [DVD]

天皇の料理番 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズ
  • 発売日: 2015/11/27
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

TBSテレビ60周年特別企画として放送された('80年版, '93年版に次ぐ)本作3度目の映像化。監督:平川雄一朗 × 脚本:森下佳子の「JIN -仁-」スタッフ達が再集結し、間違いなく"2010年代 史上最高レベルのドラマ"と言えるであろう上質さに溢れた名作となった。個人的にはリアルタイムで確認する機会がなく後追いで全話視聴したのだけど、本当に素晴らしい作品だったな。佐藤健さん演じる"やんちゃ青年"・秋山篤蔵が料理人を志し、失敗続きの下済み時代も乗り越え、パリへ渡り、成長後 日本へ戻り、歳を重ね…長い長い期間に及ぶストーリーの中で笑って泣いて、叫んで、転んでも立ち上がって…目まぐるしくパワフルな篤蔵を見事に演じきった俳優・佐藤健、凄すぎる。放送中は鈴木亮平さんの体を張った演技が話題になっていたりしてそれももちろん凄かったのだけど、個人的には佐藤健の演技のあまりの迫力に、それこそ"体は大丈夫?倒れない?"って心配になるレベルだった。だって結構、(森下先生の脚本だとありがちなんだけど)試練の描かれ方がエグいというか、演じる俳優さん自身が真っ向から辛い試練だとか、時代にぶつかって行く様が感じられて、それがもう最終話の最後までしんどくて、本当に大丈夫なのかな?って。だからこそ、それらの辛いことを乗り越えた時の感動がまた凄くて、嗚呼 観て良かったな~と泣けるんですよね。

夢見る人

夢見る人


▪美女と男子 (2015)

美女と男子 DVD‐BOX 1

美女と男子 DVD‐BOX 1

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2015/12/09
  • メディア: DVD
 

NHK系 / 火曜ドラマ「ドラマ10」 枠

仲間由紀恵さんと町田啓太さんがW主演を務めた、全20回にも及ぶ最高の"芸能" "人生"喜劇。これもリアルタイムで観てて本当に熱かった作品で。まずオープニングでかかる浜崎あゆみの主題歌「Step by step」に合わせて、仲間さん町田さんほかキャストが揃って歌ったり演奏したりしてるMV風のカットが最高で20回観ても飽きなくてずっと観ていたかったし、芸能界の厳しさに、演技の奥深さに、予測不可能な恋物語に、グッと噛み締めたくなる家族愛に……長いストーリーの中で登場するテーマの全てが愛おしく、美しい……そんな大切な時間が流れていた。というか、このドラマの仲間さんは特に本当に好きだった。好き度が更新された(?)。また観たいなぁ~。これもDVDボックス買おうか迷ってる候補。

Step by step

Step by step


▫民王 (2015)

民王 DVD BOX

民王 DVD BOX

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ

入れ替わりモノとして近年 最も成功を収めたと言える人気作。この時期というともう個人的に色々なドラマのスタッフとかクレジットを気にし始めた頃で、原作:池井戸潤、監督:木村ひさしで脚本が「SPEC」の西荻弓絵さんとか絶対 面白いじゃん!という、そういうことを放送前から分かってて観始めて、で実際 本当に面白い作品で大満足だったという。話数も8話で簡潔だし、とてもコンパクトに風刺と笑いが上手くミックスされた秀作ドラマだった。あまり詳しいところまでは思い出せないけど、スペシャルドラマ版で各国の偉い人が幼児化したとかで(うろ覚え)、そのシーンのカオスさでなんか腹がよじれるくらい笑った記憶。政治ドラマでこんなに笑えるってどういうシチュエーションだよっていう。あ~ なんか、Amazonプライムで全話ちゃんと観れるようになってるし改めて観たいと思ってるんだけど、なかなか機会がないよなぁ。時間に余裕が出来たら絶対 2周目したい。


▪99.9 -刑事専門弁護士- (2016, 2018)

99.9-刑事専門弁護士- DVD-BOX

99.9-刑事専門弁護士- DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

めっちゃ好きな作品。監督:木村ひさし、トリック監修:蒔田光治と、あの名作「TRICK」を彷彿とさせるスタッフ陣が贈る、小ネタだらけのコメディー × 情熱 =法廷ドラマ。本当にこのドラマに関してはセット,画面全体に散りばめられた小ネタとかギャグがてんこ盛りのセリフとか、ストーリーはしっかり真面目で泣けるのに、そこに至るまでのプロセスが割と集中できないくらいカオスで面白いのが定番で、なんかもうこの感じってほぼ「TRICK」じゃんという。1番好きだったネタが、主人公・深山がダジャレを言う→事件が解決するという設定を元に、シーズン2であった、深山のダジャレを阻止した結果 事件が迷宮入りしそうになった回。あと面白かったのが、競馬の「咲雷賞」(=櫻井翔)など セットにこっそり隠される嵐メンバーに関しての小ネタ。あとは、レキシこと池田貴史さんの小料理屋の壁の"歴史メニュー"が毎回めちゃくちゃ凝ってたり、その店に その回のゲストに因んだ小物とかCDが置いてあったりとか、色々と手が込みすぎ(笑)。この番組のスタッフほんと凄いわ。 ドラマ自体のストーリーだと、シーズン1で解決しなかった深山の過去の話がシーズン2の第2話で解決したりして、その時の松潤の演技が本当に素晴らしかったりとか。良かった要素が本当に多くて、あ~なんかもう1回みたいな~と思うし、嵐が活動休止に入る前にまた嵐 主題歌でシーズン3やってくれないかな~と思うし。楽しいドラマですよ。


トットてれび (2016)

トットてれび DVD-BOX

トットてれび DVD-BOX

 

NHK系 / 土曜ドラマ

「世の中なんだか、徹子さんが足りない。」をキャッチコピーに、黒柳徹子さんの半生を綴ったドラマ。「あまちゃん」の演出で知られる井上剛 監督 × 自身を「筋金入りの黒柳徹子ファン」と公言する脚本家・中園ミホさんの豪華タッグで放送された本作は、本当に色んな愛に溢れた、素敵な作品だった。

満島ひかりさんが黒柳さんの姿, 声, 表情, 仕草を完璧に再現し、「夢であいましょう」など日本のテレビ番組の創世記を目まぐるしくキュートに描いていて、大友良英さんの音楽とか、毎回 ミュージシャンをゲストに挟まれる歌のコーナーとか、なんというか終始キューン!♡としてしまうようなドラマで。渥美清さんを演じた中村獅童さん、森繁久彌さんを演じた吉田鋼太郎さん、向田邦子さんを演じたミムラさん、坂本九さんを演じた錦戸亮さんなど…皆さん本当に素晴らしい演技で、実際に自分が60年代を生きていたんじゃないかと錯覚するほどリアリティー溢れる再現が確立されてて。いつかまた観ようかな。

 

▫オトナ高校 (2017)

オトナ高校 DVD-BOX

オトナ高校 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/03/14
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 土曜ナイトドラマ

2017年10月期より新設された土曜ナイトドラマの第1作として放送された作品。新設枠の1作目なだけに放送前から制作陣のコメントが熱かったりして、「“超カッコ悪いオトナ”になってしまった主人公たちが、恋愛を通して、やがてSEX以上に大切なことを学び、成長してゆく物語」というテーマの元、ふざけてる様で実は真面目な、「大人のお遊び開放区」的な演劇が実現していたという意味でまさにナイトドラマ枠の原点回帰という感じがした。三浦春馬黒木メイサ高橋克実… シリアスあるいはスタイリッシュな演技を普段から魅せていた俳優さん方が今作で対峙したのは、とにかくコンプレックス!恥ずかしい!大人を曝け出す様。「オトナ高校」という場所で笑って泣いてを繰り返し、ちょっと"青春"していく様子まで描かれた本作を主題歌で高橋優は"人は醜い そして愛しい"と歌った。周回遅れの青春ラブストーリー。なんか熱い。

因みに、この作品の監督を担当したのが後に「おっさんずラブ」で大ヒットを飛ばすことになる瑠東東一郎 監督。「TRICK」や「矢部謙三」で深夜帯のドラマを手掛けて以降 後に日曜劇場の監督をするにまで至った木村ひさし監督のように、瑠東監督が手掛けた日曜劇場枠のドラマというのもいつか観てみたいよな~と思っている。


監獄のお姫さま (2017)

監獄のお姫さま DVD-BOX

監獄のお姫さま DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/03/23
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 火曜ドラマ 枠

宮藤官九郎 脚本、出演者に小泉今日子さん、森下愛子さん、猫背椿さん、塚本高史さん、尾美としのりさん……って「マンハッタンラブストーリー」か!!という。これは、7年か8年に1度くらいのペースで行われる、クドカンファンのための最高の"クドカン祭り"であった。女子刑務所モノなのに何故かほのぼのしてる、何故か笑える、"現在"と"過去"を行き来する巧みな脚本にやられる、シリアスな側面(復讐劇)にはバッチリ泣かされる、、紛れもなくこれは正真正銘"The・クドカンドラマ"だ。特別 話題になっていた感じもなく、リアルタイムでの印象だと"サラッと流れるように駆け足で通り過ぎていった作品"なイメージだったけど、こうして振り返ると間違いなく自分の大好きなタイプのドラマとして歴史に刻まれていて、あぁ良かったな~~という。またクドカン祭りやって欲しい。

 

▫アンナチュラル (2018)

アンナチュラル DVD-BOX

アンナチュラル DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

「逃げ恥」を大ヒットへと導いた脚本家・野木亜紀子 先生の書き下ろしで、ここからさらに米津玄師「Lemon」という名曲を印象的に劇中で使用して国民的ヒット、野木先生の作品は何かと縁起がいい。このドラマ、本当に面白かったのだけど個人的に魅力に気づくのが遅くて、最終回間際になって配信でそれまでを4日くらいでイッキ見して、そんな短期間で観れてしまうほどの中毒性を引き起こすくらい魅力的なドラマなのだけど、急いで観すぎてほとんど細かい部分を覚えていないという(汗)。確実に語れる魅力的な要素としては、石原さとみさんと市川実日子さん2人の"女バディーもの" "女の友情"的世界観(=ハリウッド映画っぽくてイイ)、そして先に述べた「Lemon」とストーリーの親和性。この2点にハマりすぎて、続きも気になるし、イッキ見は不可避だった。この春からはまた野木先生の最新作「MIU404」が放送予定で、綾野剛さんと星野源さんのバディーものが始まるとか…。楽しみすぎる。


ヒモメン (2018)

ヒモメン DVD-BOX

ヒモメン DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 土曜ナイトドラマ

Twitterほか様々なメディアで話題性を集める漫画家・鴻池剛先生の原作、窪田正孝くんと川口春奈さんがW主演のドラマ。安定のハチャメチャテレ朝ナイトドラマ枠!!な作品で、この時期の土曜ナイトドラマといえば 前期の「おっさんずラブ」のブームが凄くて なんとなく「ヒモメン」はそんなブームの影に隠れてしまったような感じがあるんだけど、非常に面白いドラマで、観てないと勿体ないぞ!!と声を大にして言いたいエンタメ性に溢れている。脚本を務めたのはコメディーの名手・森ハヤシ先生と江頭美智留 先生、ナレーションを務めたのが「ちびまる子ちゃん」でお馴染みキートン山田さん。とにかく色々良かったですこのドラマ。ナイトドラマ枠、熱い。


昭和元禄落語心中 (2018)

NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」(DVDボックス)

NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」(DVDボックス)

 

NHK系 / 金曜ドラマ「ドラマ10」 枠

ここ数年の個人的"ドラマ視聴"史の中では圧倒的にデカいトピックだった。雲田はるこ先生の全10巻にも及ぶ巨編!!な原作に僕はとてもハマっていて、いつかドラマ化されるんだろうなぁと思ってたけど、同時に"こんな難しい作品を実写化するのは無理だろうな"とも思っていた。なんか如何なる情報もネタバレになりそうなので詳しいことは言えないけど、リアリティー溢れる人情喜劇が魅力的な一方で、結構 実写化不可能っぽいシーンが多い(あるいは, 実写の映像にしてしまったら魅力が失われそうな)難しい話なんですよ。まず話が長すぎて10話に収まると思ってなかったし、無理に収めようとして 緻密に積み上がってる全てのピースが崩れてしまう恐れがあったり。でもそれは杞憂で、これが本当に素晴らしい完成度だったのだ。原作にないシーンも所々あったけど、気にならないくらいに自然で、何よりも主演を務めた岡田将生さんの演技が本当に圧巻だった。まさか青年期から晩年までを全て1人で演じるとは思っておらず、歳を重ねて段々と浮き彫りになっていく有楽亭八雲の心の揺れを、見事に表現なさっていた。また、"実写化不可能"と思った理由の1つに 観客を虜にさせる八雲の"色気"というのがあったのだけど、こちらも申し分無し、パーフェクトで。なんかな~~、こんな上から目線な感想になっちゃって申し訳ないんだけど、とにかく凄まじい再現度に感動したんですよ。本当にとてもオススメしたい作品なんだけど、なかなかどう薦めたらいいかも分からないもので、とにかく気になったら是非 観て欲しいな~みたいな、そんな感じ。

マボロシ

マボロシ

  • ゆず
  • J-Pop
  • ¥255


みかづき (2019)

みかづき [DVD]

みかづき [DVD]

 

NHK系 / 土曜ドラマ

去年から今年にかけては主に過去作を視聴するのに時間をかけてるのでなかなかリアルタイムでの作品はチェック出来てないのだけど、そんな中でもちゃんと全部観て"好きだったな~"と思えた2019年作品を挙げるならこれかな。永作博美さんと高橋一生さんが夫婦役、森絵都さんが原作、現在 放送中の朝ドラ「スカーレット」を執筆している水橋文美江さんが脚本、様々な名作ドラマの音楽を担当する佐藤直紀さんが全編を彩った素敵な作品。このドラマでは、主人公の夫婦2人が日本の塾経営の歴史を動かし、歳をとるまでの長い人生が全5回の間に描かれているのだけど、10回構成のドラマ作品に負けず劣らずの大ボリュームなストーリーで、本当に"あぁ~いいもの観たなぁ~"という気持ちで満たされる。全てが素敵な演技、映像で。エンディングのMV風のカットもめちゃくちゃオシャレで。NHKドラマはこういう素敵な名作が入れ代わり立ち代わり放送されていてつい見逃してしまいそうになるので、定期的にチェックしていきたいものですよね。今後も、グッと感動する、良いドラマに出会いたいな。

アルバムレビュー・山下達郎「SONORITE」 〜 これが、世界へ誇る日本の音楽【'20年冬, 私の1枚】

本ブログ開設から記念すべき50本目の記事。

何書こうかな~なんてしばらく色々考えてたけれど、年明けからの記事更新 続けて電車、本、映像…と音楽以外のことにも絡めた好きなテーマを一気に書けたので、それでは久しぶりにシンプルにアルバムレビューでも書いてみようかなということで、今ハマり始めている山下達郎さんの2005年リリースのアルバム「SONORITE」について今回は紐解いていこうかなと思っております。


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最近 自分の中でアツい、達郎さんの音楽。3年前の夏にハマった「僕の中の少年」と、2年ほど前からじわじわハマっている「FOR YOU」…この2作がこれまでに好きになった達郎さんのアルバムで、いずれもこれらの音楽を聞いていた時間がかけがえの無い思い出となったという経緯があるんだけど、他のアルバムとか曲はまだ有名なの以外 全然 知らなくて。

で、ディスコグラフィの全貌を知りたくてこの頃 wikiをじっくり見てるんだけど、これがまためちゃくちゃ濃い情報が載ってるんですよね。どういうタイアップがあって、出した曲の制作過程があって、どういう風に曲が広まっていって…とか。古い情報が知りたい若人にはたまらん情報量で。読んでるうちにどんどん聴きたさが増しました。

そんな訳でひとまず、40年来の?達郎ファンである父から「SONORITE」と「Ray of Hope」のデータを拝借し 通学の行き帰りに聴いてたのだけど、何かえらく感動してしまって。間違いなくこれは、世界へ誇るべき素晴らしい音楽でしょうよと改めて。素敵な歌声で、躍動的で力を貰えるサウンドで。こんなアーティストのアルバムはもっと聴きたい。

父に、なかなか最新アルバムが更新されないことについてファンとしてどう思うのか訊くと「もう充分 良いアルバムあるし,いいんじゃない?」とのこと。"そんな感じで!?"とは思ったものの、妙に納得してしまうようなところも。

…前置きが長すぎた。レビューいきます。

 

「SONORITE」 (ソノリテ)

2005年9月14日リリースのアルバム。タイトルはフランス語で,「音の響き具合」の意。

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①MIDAS TOUCH

この曲を聴いたことで、「SONORITE」ちゃんと聴いてみよう!と思ったのだった。 "MIDAS"とはギリシャ神話に出てくる、触ったもの全てを黄金に変える能力を得た王ミダスを表しており、常人には到底 思いつかないセンスの?美しきエロティシズムが薫っている。曲は、達郎さんとしては珍しいR&B調。この曲が1曲目にあることで、アルバム全体の流れに惹き込まれる。間奏部分のサックスソロ×ベース音が心地よすぎ。後にも述べるけど、このアルバムは全体として自然の美しさを音楽に織り交ぜて作り上げられた緻密な世界観がより一層 濃い印象で。"黄金の夜に抱かれて ちっぽけな鉱石になりたい"というフレーズのインパクトが◎。

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(↑僕の思うMIDASのイメージ。水曜日のカンパネラ「ラー」MVからの1シーン)。

 

KISSからはじまるミステリー
< feat.RYO(from ケツメイシ)>

KinKi Kidsに提供した曲のセルフカバーで、ラップパートにケツメイシのRYOさんを迎えた名コラボレーション。これね…自分ケツメイシ大好きなのに この曲のコラボについてはチラッと小耳に挟んでいた程度で、今まで殆どちゃんと聴いたことなくて非常に勿体なかった。wiki 読むと分かるんだけど達郎さん、RYOさんのラップをとても気に入っているみたいで。達郎さんが「何にも言うことはありません。変な言い方だけど予想以上。」と太鼓判を押すRYOさんのラップ。なんかファンとして嬉しくて、じんわり心が温まるな。あと、お二人の声が"似てる"というのは今回 新たな発見だった。確かに似てる。相性良すぎじゃないですかこのコラボ…。

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加えて、KinKiの歌う本家の「KISSからはじまるミステリー」も聴いたのだけど、好きだなぁ。嵐とかKinKiに楽曲提供したり、高確率でSMAPメンバーの主演ドラマに曲を提供してたり、ジャニーズ系の作品と達郎さんは関わりが深いけど、それらの楽曲を追ってるとどれもクールでカッコイイ雰囲気が伝わって、ひと味違う達郎ワールドって感じで良い。

 

③FOREVER MINE

先日の"名作MVレビュー"で述べたけど、丹下監督のMVで観た 切なく,心を激しく掻き立てられるような世界観→からの第一印象で曲の思い入れが深化、繰り返し聴くうちにメロディーを脳内再生するだけで鳥肌がサーッと立ち涙腺が即座に刺激される程の感動レベルに達し、只今 ハマり度・強。

何だろう、完全に個人的な好みではあるんだけど、2000年代中期(2005〜2007)ってポップソングにしてもバラードにしても 激しく心に刺さる名曲が推しアーティストどの人も一堂に会していて、1番 日本の音楽が濃密であったと言っても過言ではないと認識してるんだけど、そのイメージでこの「FOREVER MINE」のメロディーに触れる感覚の、尊さというか。歴史に深く刻まれたサウンドが眩しい。"本当の愛の静寂へ"……グッとくる。今年の自分のベストフレーズになりそう。

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さあ 僕の胸で 腕の中で
忘れていた夢の続きを

さあ 呼びさまして
溶けて行こう  僕と
本当の愛の静寂へ

※MVについてのレビューはこちら。

 

④忘れないで

NHK系アニメ「アガサ・クリスティー名探偵ポワロとマープル」のエンディングテーマになったという、竹内まりや作詞の"カンツォーネ"。"カンツォーネ"って具体的にどういうものだっけ?と思い YouTubeで調べたら、出てきたのはイタリア発の、ストリングスサウンド光るムーディー+壮大な曲の数々。おぉ、こういうものね!とイメージがはっきりしたものの、この「忘れないで」は"洋"というよりかはどちらかといえば落ち着いた"和"の雰囲気が香った、(波風の吹く?)演歌調の1曲であるように思える。でもやっぱり曲本来の意味合いとしてはイタリアの異国情緒が込められてると思うし、このイメージを膨らますためにもいつかイタリアの名所へと発って旅をし、「忘れないで」を再生してみる…なんてことはちょっと夢だったりしますね。

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兎にも角にも、4曲目にして既に音楽性の振り幅が特に激しい作品であることに驚いてしまって。本当にこのアルバムはとってもワクワクするなぁ。

 

⑤風がくれたプロペラ 

前の曲の激しさから一転、ゆったりとしたサウンドで癒してくれる しっとりとした前向きな1曲。繰り返すプロペラの回転音「BOOM BOOM BOOM」のフレーズを軸に、昼下がり、丘の上の公園、芝生、青空…様々な自然の情景が印象的に登場する。

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BOOM BOOM BOOM
BOOM BOOM BOOM
風がくれたプロペラ
BOOM BOOM BOOM
ほらね
青い空を飛べる 飛べるよ
雲の上に乗れる 乗れるよ

これも、歌詞と全く同じ状況で,場所でこの曲を再生してみるというのをやってみたい。↑の画像みたいな公園、何処ですか。

 

⑥ラッキー・ガールに花束を

開始早々に響く低いベース音、アップテンポなデジタルサウンド、パッと広がる 吸い込まれるような夏模様…これまた珍しい山下達郎が堪能できる変わり種なナンバーだ。この曲が来て、より一層このアルバムの世界にグッと惹き込まれたんだよな~。

消失

夏の気配に気付いて
君の瞳がキラリ☆
Lai Lai Lai
それだけで何も言えない

見慣れた街の通りに
バラの香りのホロスコープ
Lai Lai Lai
何て不思議な予感

☆と◎が良い味 出してる。サウンドから、何処と無く 草原に立つ快活な少女の姿がイメージされて。因みに「ホロスコープ」とは占星術における各個人を占うための天体の配置図らしく、その"バラの香りの"というのはどういうことなのかよく分からないけど、なんだかロマンチックな響きだ。

因みにこの曲、「忘れないで」と同じタイアップであるNHK系アニメ「アガサ・クリスティー名探偵ポワロとマープル」のオープニングテーマとなった1曲らしい。いやはや…達郎さん2曲提供で、これだけ毛色の違う曲を同時に起用するこのアニメ、一体 何者だ…? 世代的に観ててもおかしくないはずなんだけど、分からないなぁ。めっちゃ観てみたい。

 

⑦SECRET LOVER

アコースティックな質感が印象的な,スローテンポでじっくり聴かせる、不倫がテーマの1曲。

達郎さん曰く「不倫の歌は、あまり若い頃にやるとわざとらしいけど、まあ50を過ぎたし、そろそろいいかなって思って。あとはそれをいかに綺麗にやるかと。」とのこと。

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どうしてこんなにも
夜は短か過ぎる
誰にも知られずに
あなたを愛したいのに

人目を気にして
会うのはいつも真夜中で
吐息に焼かれて
いつか滅びるヴァンパイア

こういうテーマでリアリティたっぷりの歌詞が書けてしまうって、イマジネーションに長けている才能というか、アートだなぁ。

 

⑧フェニックス (2005 REMIX)

NHK系「地球だい好き 環境新時代」のテーマソング。この曲が最近 本当に好きで、聴くたび毎秒 心を震わせてしまうような、大きな感動の海にダイブしてしているような…とにかく最高のバラード。曲順的にアルバムの核となるポジションであるがゆえ、"この作品に出会えて良かったな"と心から思わせてくれるようなこういうサプライズこそ、山下達郎の醍醐味といったところだろうか。

タイトルからも察せられる通り、この曲には手塚治虫 先生の「火の鳥」のイメージがあるらしい。生命の本質や人間の業が深く描かれているという 語り継がれる名作であるこの作品が、達郎さんのインスピレーションに大きく影響を与えたのだろう。いつかチェックしてみたいものだなぁ。

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涙をこらえて
くちびるを噛んで
いくつもの嵐を
踏み止めながら
僕等は未来へ
歩いて行くんだ
フェニックス
今 静寂がふるえた

「FOREVER MINE」同様、「静寂(しじま)」という言葉が印象的に使用されている。

言葉の持つ意味合いとか表現とか、考えてるだけで一気に曲の世界に惹き込まれるな。

 

⑨LIGHTNING BOY

5拍子で駆け抜けるハイテンポな書き下ろし曲。風、虹、闇、光…目まぐるしく移り変わる空模様を表現し、"永遠の命"という印象的なフレーズへとまとまる独特の芸術性が、このアルバムの中にフィットして溶け込み 流れで惹き込まれる。キラッと光るような音はシンセサイザーだろうか。色々な音に感覚を刺激され、サックスソロの心地良さで完全に曲と心がシンクロする。尺長め、全力。

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⑩白いアンブレラ

「ラッキー・ガールに花束を」との両A面でシングル・カットされた、管楽器の音が印象的でジャジーな1曲 (※両曲とも HONDA「LIFE」のCMソング)。

「夏の終わりの銀座」をイメージしたとのことで、アーバンでお洒落な雰囲気にグッと癒される。アルバム内のポジション的にも、これをシングル・カットしようと思ったチョイスが絶妙で素敵。

「LIGHTNING BOY」からの流れで、激しく降っていた雨が弱まってきて晴れ間が差してきた、みたいな様子を思い描くことができる。

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Oh  時がいつも少し止まる
胸の中で
こんな日には

白いアンブレラ
廻るアンブレラ
通り雨のような
恋だった

1つのアルバムの中で、恋のときめきもエロティシズムも自然の輝きも異国情緒も体感できる達郎さんの音楽って…改めて凄い。

 

⑪太陽のえくぼ (ALBUM REMIX)

フジテレビ系「めざましテレビ」の2005年テーマソングとなった爽快なナンバー。やっぱり「めざましテレビ」の曲っていうと、思い切り明るく,燦然と輝くようなオーラが全体から漂ってて、アルバムの中にあると とても映えるんですよね。知ってる好きな曲だとミスチルの「Happy Song」とか、スピッツの「ヘビーメロウ」とか。曲まるごと"朝の活力"を体現してて、聴いてて元気が出てくる。

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因みにタイトルの「太陽のえくぼ」とはスマイルマーク😊をイメージしているらしく シングルのジャケ写もそういうイラストになってるけど、歌詞の中から思いつくイメージだとやっぱり女性の笑顔で↓こういう感じかなって。(フリー素材)

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⑫2000トンの雨 (2000t of Rain)
(2003 NEW VOCAL REMIX)

元々 1978年のアルバム「GO AHEAD!」の収録曲であり、映画の主題歌として使用したいという堤幸彦 監督の要望によりヴォーカル再録 & ピアノの"オーバーダビング"が行われ、「フェニックス」との両A面シングルとして2003年にリリースされた。このシングルのゴージャス感ヤバイな…。購入意欲が高じたら どこかのタイミングで入手したい1枚だ。

達郎さん曰くこの曲は「ボーナストラック」のようなポジションだと言うけど、この"自然の美しさ"に溢れたコンセプチュアルなアルバムの中の終盤に「2000トンの雨」を投入するという絶妙さが本当に凄いなと思うし、それはそれは深く熟考し練って練っての選曲であったのだろう。優しく静かに、しとしとと降り注ぎ続ける雨の感じが伝わってくるサウンド…心が洗われるよう。この曲を聴きながら雨の情景へと思いを馳せると、とっても懐かしい気分になるのは何故だろう。 年を重ねていつか、雨降る広大な大地に立って、「2000トンの雨」を再生する…夢。

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⑬WHEN YOU WISH UPON A STAR 〜星に願いを〜

1940年公開のディズニー映画「ピノキオ」の主題歌である有名曲のカバーで、この曲を大変気に入っていたという日音(会社)の元社長がアルバム制作中に亡くなったため、その追悼の意を込めての収録となったらしい。いや~、よく知っている曲だけど、改めて聴いてみてこんなに素晴らしい曲だとは思ってなかったな。初聴き時、夜の帰宅時に聴いてたらなんだか泣きそうになってしまって、結局のところこのアルバムの中で最も感動した1曲かもしれない。単純に達郎さんの歌声が素敵すぎるというのもあるし、演奏が素晴らしいというのは勿論だし、曲本来の、魔法がかかったように美しい雰囲気とか、第二次世界大戦中に制作された楽曲であるだけにこの曲が聴かれた時代の背景とか、色々なことが重なって、非常にグッとくるラストトラックですね。

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…以上、13曲の感想を書いてみました。

また、こういう心に沁みるアルバムに出会えたらいいな。

名作続々…!! 本当に好きなMUSIC VIDEOをまとめてみた。【邦楽 +α】

MUSIC VIDEO。それは、単なるプロモーション用としての役割だけでなく、楽曲の世界観をさらに追求し、掘り下げるためにとても重要な存在である。そこまで興味の無かった,または詩に込められたメッセージ性をよく理解できなかった曲でも、MVを観ることで深く心に残り,衝撃を与えられたりして。

そんな訳で今回は、隙あらば"監督が~" "演出が~"言い出すMVマニアな僕が、本当に好きだと思うビデオをまとめてみることにします。マニアといっても挙げる範囲が狭いけど。因みに、3年ほど前に本ブログでは、映像ディレクター・児玉裕一監督の作品の魅力に迫る記事を上げてたりしましたが、今回はその延長線的なMV語りになるかと思います。

 

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(※トプ画用にandrop「Voice」 MVからのワンシーンを。後ほどピックアップ)。

 

桑田佳祐白い恋人達

Dir: 丹下絋希  /  2001年

曲への愛も込みで、個人的に最も好きな音楽×映像作品がこれ。フルで初めてちゃんと観れたのが、一昨年のお正月にリリースされた桑田さんのMV集「MVP」でだったんだけど、これがとっても感動して。(下でも色々と挙げるけど) 丹下監督はミスチルの名MVやアートディレクションを多く手がけてたりして、とてもインパクトの強い映像を生み出す方なのだけど、この人の作品は本当に良いな。

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このMVのストーリーは、憂鬱な空気が立ち込める寒い冬の街に、人間には見えない姿をしたピアニストの妖精(?)・ケイスケクワタが現れ、人々の心を癒していくというもの。個人的にハイライトだと思っているシーンが、記者たちがピアノに向かってカメラを構えて、シャッターが点滅している瞬間だけ桑田さんの姿が確認できるという↑この演出。ここが好きすぎてGIFまで作っちゃったし。

なんだろう、たった数分間の映像なのに、まるで数時間ある映画を観ているみたいに奥行きのあるストーリーと世界観。何度 視聴しても咀嚼しきれないほど濃密なこの感じが、完全に好みドンピシャ。このMVのおかげで、元々 好きだった曲がさらに何倍も愛が深まってしまった。まだフルで観たことがない人は、是非「MVP」で確認してみてほしい。

 

桑田佳祐「君への手紙」

Dir: 田辺秀伸  /  2016年

同じく桑田さんのMV。田辺監督は「ヨシ子さん」を始め、「若い広場」、サザンでは「壮年JUMP」といった近年の桑田ワークスのアートディレクションに大きく関わる方であり、カラフルで奇抜な色彩美、またはグッと心に残る独特のカメラワークなど作品によって様々な作風のパターンがあるのがイイなぁなんて思って、定期的に調べてはこの監督の作品を追ってしまっている。ここ最近だとOfficial髭男dism「イエスタデイ」や Base Ball Bear「いまは僕の目を見て」のMVとかを担当しているらしいのだけど、一覧がなくて不便なので誰かWiki 作って欲しい…。

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そんな田辺監督が制作した「君への手紙」のビデオは、思わず息を呑むほどの素晴らしい映像美の中で歌唱する桑田さんが映えており… ファンとしてほんと、ありがとうございます!!と言いたくなるくらい素敵な仕上がり。海、座敷、ビルの谷間、と場面が映り変わる中で 1つ1つのシーンが深く心に残るので、しばらくSimejiの文字盤はこのMVのスクショにしてた。↓ジャケ写も秀逸。

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Mr.Children「エソラ」

Dir: こだまgoen°(森本千絵 ×児玉裕一) / 2008年

祝・フルMV再Up!!①。前述の児玉裕一特集でも語ったけど、このカラフルで甘く蕩けそうなMV及びアートディレクションに本当に心から惚れ惚れしてて。「SUPERMARKET FANTASY」ってアルバムタイトル聞いて ここまで的確かつ美しい画が作れちゃうなんて、パーフェクト通り越して もはや神。

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因みに個人的にはついこの間、DVD「Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」付属のMV集でようやく本MVを入手することができ、久々に素敵なこの映像をお目にかかることが出来て感動した。曲自体が"音楽を聴く素晴らしさ"を表現するメッセージ性が込められている上に、本当に楽しそうに楽器を奏で、大きく躍動する4人の姿…何度 観ても飽きないし、とにかく見蕩れる。

 

Mr.Children「フェイク」

Dir: 丹下絋希  /  2007年

祝・フルMV再Up!!②。「エソラ」同様 この作品を観たことからも激しくMV好きになるきっかけになったんだけど、これは邦楽,どころか世界最高レベルのインパクトを誇る1作なのでは?と思っている。

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初っ端から"何この画面サイズ?"と思いきや、女子高生たちが携帯で盗撮をしているという演出。おまけに顔がトゲトゲのピンク集団。ひたすら"疑念"に満ちた世界観が見事に表現されていて。視覚的インパクト的にも 風刺のインパクト的にも心に刺さりすぎて、初めて観た時めちゃくちゃ衝撃を受けた。

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そしてこのMV最大の特徴が、まるで雑なコマ撮りのようにカクッカクッとゆっくりな動きをしたかと思えば、急にヌルヌルッと早く動くような不規則なリズム感。この感じが,全体に漂う不気味な雰囲気を作り出してる。またGIF作ってみたんだけど、ダメだこれ、ずっと見てると不安になってくるな…。でもこういうの好きなんだよなぁ…。撮る方も,撮られる方も,相当な手間と労力が掛かっている。本当にお疲れ様です,という感じで。

 

Mr.Children「君が好き」

Dir: 丹下絋希  /  2002年

こちらもミスチル×丹下監督のタッグ。窪塚洋介の熱演が話題となった、"ストーリーがスゴい!!"部門 NO.1の1作だ。シンプルで真っ直ぐな曲のテーマに組み合わさった,深い余韻を残すストーリー…何度観ても,心の奥をザワザワと掻き立てられる。

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延命治療のために幼い頃からずっと狭い部屋に閉じ込められ,ガラス越しに惹かれあっていた男女。ある日 突然そこに現れた,桜井和寿 演じる"謎の男"。この男がとった、衝撃の行動とは――。(映画予告風)

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ストーリーの濃さもそうだけど、セットとかビジュアル面からも圧倒的に良さを感じる作品で。好きだなぁ。ここまでの名作を作りあげたアーティスト、俳優、監督、スタッフ…天晴れ。

 

くるり「Liberty & Gravity」

Dir: 田向潤  /  2014年

くるりの作る超奇抜な名盤「THE PIER」からの楽曲「Liberty & Gravity」と、きゃりーぱみゅぱみゅSEKAI NO OWARI などのアートワークを手がける奇才・田向潤 監督による至極のコラボ。

&、2015年のSPACE SHOWER Music Video Awards / VIDEO OF THE YEAR 受賞作。大好きで何度も見ていた作品が"ここぞ"というタイミングで評価されるという,リアルタイムで追っていたMVの中では最も熱かった思い出の作品だ。

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懐かしの歌謡曲のような、民族音楽のような、新しいロックのような、様々な要素が組み合わさって出来た不思議な楽曲の世界観が表現されたこの映像…調和しすぎてて怖いレベル。およそ6分半に及ぶ再生時間の中で めいいっぱいに目まぐるしく動いて踊って闘う(?)アーティスト達の集大成。お見事。

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何転にも切り替わる場面の中で タブレットや背景の大画面が効果的に使用されているほか、この独特の世界観に入り込むというよりは カオスな現場に呆気に取られてたり,踊りを必死そうにこなしていたりする くるり3人の表情に注目するとシュール。

 

Perfume「Magic of Love」

Dir: 関和亮  /  2013年

関監督といえば、2010年にあの名作ビデオ・サカナクションの「アルクアラウンド」を手がけたのを始め、近年の星野源のアートワークなど 独創的かつ大衆的ポップなデザインを次々と世に送り出す 言わば"映像界のヒットメーカー"である。そんな作品群の中で最も監督と関わりの深いアーティストがPerfumeであり、2004年からそのコラボレーションの歴史が始まっていたというのだから驚きだ。

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そんな Perfumeの映像を知り尽くす関監督が'13年に制作した「Magic of Love」のMVは 全作品の中でも集大成と言えるキャッチーさに溢れており、音とダンスとカメラ全体の動きが完全にシンクロし視聴者を惹き付けるというテクニカルな演出が魅力的。

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また、舞い落ちるはずの紙吹雪が上へと舞い上がっているシーンから分かるように、MIKIKO先生 考案の"逆再生ダンス"(本来とは逆の動きで振り付けたダンスをそのまま逆再生しても違和感のないように魅せる演出)が見どころのMVでもあり、キラキラと爽やかな雰囲気なようで実はめちゃくちゃ苦労し,計算し尽くして制作された作品であることを考えると、とても面白い作品だなぁと思う。

 

Perfume「Let Me Know」

Dir: 関和亮  /  2018年

再び Perfume × 関監督。「Let Me Know」は最新アルバム「Future Pop」収録の楽曲で、買った時に特典でMVのシーンを切り取ったポスターが付いてきて本当に楽しかったので、とても記憶に残っている作品。

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ストーリーは、Perfume 3人がバスに乗っていたら突然 謎の光が入ってきたり、鍵を見つけたり、子どもPerfumeが現れたり 次々と不思議なことが起こり始め、果たして彼女たちの行き着く先は…?という,暗に様々なメッセージ性が込められていそうな展開。上質な雰囲気のスタイリッシュ映像が続いた後、最後は3人の台詞とフリートークの中間みたいなワチャワチャが楽しめるという、ファンにとってはお得感満載の逸品である。

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あとやっぱり注目ポイントは、この髪ファサーってなるポージング(?)シーン。こういうのカッコよすぎるし もっと観たい。

 

宇多田ヒカルtraveling

Dir: 紀里谷和明  /  2001年

宇多田さんの元夫であり,多くの映像作品を手がける紀里谷和明の作品。このMVに登場したコスチュームが後にミラクルひかるによって物真似され、さらに有名な作品となったことはご存知の通り。

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いや~~紀里谷監督のMVの世界観 本当に好きだな~~~。ここまで色々な監督の作品を挙げてきたけど,紀里谷監督ほど"毒々しく独創的"な映像を作り出せる天才はいないと思う。宇多田さんが「PVが出来上がってこの歌が何倍も好きになった」とコメントしているのも納得。花人間?のビジュアルは何回 見ても慣れないけど。好きなんだけど、なんかゾクッとする。そこがイイ。あと↓ここ好き。

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山下達郎「FOREVER MINE」

Dir: 丹下絋希  /  2005年

つい10数日前に出会った作品ですね。丹下監督ってこんな凄い作品も撮られていたんだ…!って感動して、今回の記事はそれがきっかけで書こうと思った次第で。達郎さんは曲,映像 共に公式の配信がとても少ないから なかなか過去作には出会いづらい状況ではあるのだけど、そんな中こうしてまたひとつ名作に出会えたのは良い事だな。

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このMVでは、冒頭 "あまりの孤独に、その男は悲しんだ。" というテロップが入り、嶋田久作さん演じる"男"の前にピアノの幻が現れ、やがて,今は亡き妻の幽霊が現れ…という物語が描かれている。嶋田さんの演技が自然すぎて、観始めてすぐに惹き込まれた。(あの"速度制限マン"と同一人物とは思えん…!)。

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妻の幻に連れられ,辿り着いた"地下鉄の中のダンスホール"。そして 夢のようなひとときを過ごした男に、余りにも悲しすぎる結末が…。こんなんありですか!?(T^T) とは思いつつも、やはり一筋縄でない丹下監督の作風に,(良い意味で)心がザワザワした。

で、ドキドキと余韻に浸りつつ色々調べてたら、達郎ファンの方がこのMVについて詳しくまとめてるサイトを見つけて。

以下、会報にて達郎さんが述べたとされるコメントを引用させて頂きます。

僕は基本的にPVの存在意義を認めてない人間なの。ところが今回の場合は、PV監督の丹下さんがとても優れた感性を持っていてね。一回音を聴いただけで、僕の作曲意図の深いところまで理解したんだよね。

最初のコンテは僕がピアノのあそこに座って歌うっていう想定だったけど、僕はそれは出来ないって言ったら、彼は嶋田久作さんを引っ張ってきたの。

嶋田さんも曲を聴いた途端に、僕のあの曲に込めたメタファーを見抜いたのね。監督の丹下さんと主演の嶋田さんは、「FOREVER MINE」を書いた僕の精神的なニュアンスを、ほぼ完全に理解してくれていた。

これを読んで、あぁ,PVって凄いなぁ、本当に重要な存在だよな…と感じて。

ミュージシャンの側からのこういうコメントが聞けるってめちゃくちゃ貴重ですよね。

 

松任谷由実「深海の街」

Dir: 関和亮  /  2019年

ユーミンによる“ネオ・シティ・ポップ”最新曲。「DAWN PURPLE」を思い出す奇抜な顔ジャケに ヒンヤリとスタイリッシュなサウンド…まるでバブル期作品をリアルタイムで楽しんでいるようで、ファンにとって興奮モノの1曲だ。MVは 夜の幻想的な都会の街並みと、情報番組のテーマソングということもあって、様々な社会問題が見えてくるシーンが映像の中に多く取り込まれている。

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で、久しぶりにこういう圧倒されるMVを観て、"こんなハイレベルな作品を作ったのは誰だ!?"と思い調べたら また関監督で、この人 本当に凄いな…と。後半のシーンで次々に出てくるアニメーションは一体 誰が描いたのか、気になる。とにかく、'19年のMVで1番好きな作品である。

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▪ゆず「かける」

Dir: 島田大介  /  2015年

これも何度も観た思い出の作品。くるりの「Liberty & Gravity」でMVAに注目し始めたのをきっかけに"今年1番好きなビデオ"とかそういうことを意識してMVをチェックするようになり、そうした趣味の中でかなり衝撃を受けたのが ゆずの「かける」だ。

島田監督といえば、自分の大好きなサカナクションの「目が明く藍色」やPerfume「スパイス」、嵐「明日の記憶」など あっと驚く斬新なアイデア,デザイン性を秘めたMVを多く制作されている方であり、1つ1つの作品の切れ味が凄い。「かける」では、"文字"の使用を警察が取り締まり,ひたすら"データ"だけで溢れた近未来の東京が描かれていて、そんな街と闘う1人の少女を杉咲花さんが熱演している。

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緊迫した短い数分間の中で、"都会の空から文字を降らす"という 他のどのMVでも観れない独特のシーンをやってのけたこの作品が本当に好き。メッセージ性にもグッとくる。

(余談。たった今 wiki見て気づいたけどこの曲, "beat & rhythm conductor : tofubeats"ってマジか。トーフさんこういう仕事もしてたのか…!)。

 

▪ゆず「LAND」

Dir: 島田大介  /  2013年

同じくゆず×島田監督の作品。とあるサーカス小屋の成長を描くストーリーになってるんだけど、とにかくセットや小物がゴチャゴチャしてて賑やか,ファンタジー感が満載で、後半には村上隆さん描き下ろしのアニメーションが活躍してて。チラリと覗くディズニー映画のオマージュ…最後まで楽しい。

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演奏,歌以外の音が印象的に鳴り響く, "パレード"的な異色の世界観。この不思議でキュートな感じこそ"ゆずらしさ"といったところだろうか。観た事がない人は是非チェックしてみてほしいですね。

 

水曜日のカンパネラ松尾芭蕉

Dir: 山田智和  /  2016年

水カンも名作MVの宝庫ですね。山田智和 監督はコムアイと関わりが深く 水カンのMVを多く手がけていたりして、「ナポレオン」「メデューサ」など変わった演出が特徴のビデオを制作したのを皮切りにどんどん現代音楽シーンの映像界を開拓、'18年には米津玄師「Lemon」、あいみょんマリーゴールド」のMVを手がけ大ヒットを飛ばした。もう数年前の話だけど,よくエゴサをしている方なのか"山田智和"のワードを入れた,監督のMVに言及したツイートをすると御本人からいいねが来たりして嬉しかったのだけど、今も呟いたらいいねをくれるんだろうか…。

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話が逸れた。で、そんな山田監督の名作ビデオの中でも最も印象的かつテクニカルな要素を感じる作品が、'16年リリースの「松尾芭蕉」で。僕はこれを観て、心底"凄い"と思った。前述の「ナポレオン」「メデューサ」のMVをさらに何倍にもグレードアップさせたような、"長丁場の撮影っぽいのに最初から最後までワンカットで一気に撮ったように視える"ビデオで、山田監督はついに「松尾芭蕉」を以て"極まった"のだと感じた。(←誰目線)。例えるなら 映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の手法に似ている。途切れなく続くワンカット(風)映像の嵐…。観てると脳の細胞が痺れる感じがする。

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特に好きな部分が、タイヤが地面を転がり→渋谷の交差点らしき所を通り→突然どこかの港らしき所から海に落ち→同じ場所をコムアイが漂っている→と思いきやトラックの中の水槽っていう流れ。もはや平衡感覚を失う映像トリック。カッコイイ。

 

水曜日のカンパネラ一休さん

Dir: 児玉裕一  /  2017年

"失う事なんて怖くない。全ては消えてしまうから。そうやって生きてきた。あの瞬間までは "――。
爆弾魔の告白から始まる、ギラギラなダンスホールでの恋と悲劇。

いや~~~児玉監督のMVで1番 好きですね。ネオンの使い方含むセットの美しさ, ダンスシーンの弾けるような魅力, 衝撃のストーリー性, どこを取っても抜群に良い "The・児玉裕一的世界観"で目と耳が至福。

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↓虎虎虎,寺寺寺のシーンも印象に残るし、セットの随所に散りばめられた小ネタを探すのが楽しくてたまらん。この美しい空間に自分も混ざりたい。

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androp「Voice」

Dir: 川村真司 ×ショウダユキヒロ / 2013年 

もう5年くらい前になるけど、くるりやゆず,水カン,サカナクションに並んで自分のMVマニアの原点となったのが、珍しいビデオを多く排出してるバンド・andropだった。このバンドのMVは観てると何故こんなにもワクワクするのだろう。久々に聴いてたらとてもカッコよくて、ブーム再燃しそうだな…。

そんなandropの「Voice」のMVは、なんと観客の頭上にメンバーが全員 乗って演奏をするという超大掛かりな撮影を行っており!! 

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いわゆる"ダイブ"というやつ?かなり危険を伴うとも聞く行為だけど、このMVではその感じを逆手に取ったような,めちゃくちゃ楽しそうな"ダイブワールド"に包まれていて。スマホを持ち上げてライトにしたり,ハートの風船で埋めつくしたり,アルファベットを持ち上げてタイトルを作ったり。CG抜きの臨場感と興奮が終始 伝わってきて、めちゃくちゃ良い作品だなぁと思います。

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androp「Bright Siren

Dir: 川村真司 ×清水幹太 ×長添雅嗣 / 2011年

確かandropは、どこかの記事で"「Bright Siren」のMVがスゴすぎる"と聞いて、それがきっかけで知ったのだった。このMVでは、曲中の「思い出にならぬように」という歌詞にちなんで「思い出に残す機械」であるカメラのストロボを使い 光のアニメーションが作成されているのだけど、こんな斬新なアイデア 一体 誰が思いつくんだ!!と。

↓こうしてスクショすると普通のネオンの集合に見えるけど、動画で見ると フラッシュが光った瞬間だけ覗く演者の動きが本当に熱くて感動する。

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↓クライマックスの"光のアニメーション"パートをGIFで。美しい。

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▪嵐「Step and Go」

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Dir: 川村ケンスケ  /  2008年

嵐のMVの中で1番 好きな作品。多数の人気アーティストのMVや,「A・RA・SHI」「SUNRISE日本」「a Day in Our Life」「ナイスな心意気」「ワイルド アット ハート」「Face Down」「Endless Game」「愛を叫べ」など多くの嵐作品を手がける川村ケンスケ監督が'08年に制作した「Step and Go」は、"最高に素敵な魅せ方"に溢れたシーンが満載。ハイスピードカメラで撮影された5人の姿は"美"そのもので、まるでスケート選手のよう。これも早く嵐公式YouTubeでMV出ないかなぁと思うけど、その頃にはもう活動休止していそうな感じがして それはそれで寂しい。

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「「テーマ:俺たちのエスケープ」 」

 

▪嵐「Love so sweet」

Dir: 山口保幸  /  2007年

言わずと知れた名曲。去年・秋 配信曲が解禁された流れで観れるようになった「Love so sweet」MVフル、めちゃくちゃ良き計らいですね~。大好きな作品なのでとっても嬉しい。

本記事での紹介はまだだったけど 山口保幸 監督の作品も本当にお気に入りで、ケツメイシ「さくら」、サカナクション「僕と花」などストーリーの濃さで涙腺を刺激してくる、そんな作風が特徴的な監督だ。

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めくるめくドラマチックな曲展開を見せる「Love so sweet」と共に、愛情たっぷりに描かれる"嵐マネキン"と変わりゆく街の季節。一体 何年が経過してる設定なんだろう…,"僕達は20年以上この街を見守ってきました"的なバックストーリーなのだとしたら、相当エモーショナルな設定だよなぁ。

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↑この,男の子がリーダーの着ていた服を掻っ攫っていくところが何回 観ても好き。表情が絶妙…ww

 

Peter Gabriel 「Sledgehammer」

Dir: Steven Johnson  /  1986年

洋MVおまけ①。「Sledgehammer」は尺八の音が印象的に取り入れられたファンキーなグルーヴ感が癖になる1曲で、'87年のMTVアワードを受賞した、コマ撮り×クレイアニメMVの名作。曲が進むに連れ どんどん"コマ撮りレベル"がグレードアップしていくのが観ていて楽しい。つい何回も再生してしまう。これが全部アナログって凄いなぁ。

 

Michael Jackson「Thriller」

Dir: John Landis  /  1983年

洋MVおまけ②。たぶん知らない人はいない名曲,名作。めちゃくちゃお金かかってる13分超えの短編映画級MVにワクワクするも、大抵のシーンは何度 観ても怖い。"何故そこまで本気出したし!"というくらい濃密なホラー感に心臓がヒュッてなる。疑問なんだけど、何でホラー映画の主人公は敵に追われた時、必ず閉鎖空間に逃げ込むんだろう…。死亡フラグ立ちまくりじゃないか。

 

The Chemical Brothers「Star Guitar」

Dir: Michel Gondry  /  2002年

洋MVおまけ③。"電車の外を流れる景色といま聴いてる音楽が完全シンクロしたら面白いだろうな"という妄想を具現化させた 夢のような名作ビデオ。実際 自分も電車で,たまに聴いてる曲と電柱が流れるリズムが合ったりすると心の中で"うおぉぉぉぉ!!"とか叫んだりしてる。こういうの世界共通なんだなって思うと嬉しい。いつまでもこんなことで盛り上がれる、そんな音楽好きでありたい。

大杉漣さん著「現場者 300の顔をもつ男」を読んだ感想

 

現場者 300の顔をもつ男 (文春文庫)

現場者 300の顔をもつ男 (文春文庫)

 

'18年9月に新たに改訂,出版され、去年の2月頃に買った大杉漣さんの自伝「現場者 300の顔をもつ男」をようやく読み終えた。いや、ようやくというか、ここ近年 自分はすっかり読書家じゃなくなっていて、本を買っても最低 半年以上は放置してしまうのが常となってきてるのだけど、それで読み終わるのがだいぶ時間差になってしまうという。結局この年末から読み始めて、今お正月で、計3日くらいで読了してしまった。めちゃくちゃ面白かった。

この本を買おうと思った経緯は、'18年2月 名俳優達が勢揃いして毎話 凄まじい化学反応を起こしていたあの刺激的ドラマ「バイプレイヤーズ」のシーズン2の放映中に、突然 大杉さんが亡くなってしまわれたことに、大きくショックを受けたことからであった。元々 大杉さんのことをよく知っている訳でもなかったし,その時点ではファンだったとかそういう訳ではなかったのだけど、当たり前のようにテレビや映画で拝見していた方がある日 突然"亡くなった"との報道。その事実を、なんだかとても受け止め難かった。悲しいというよりは、激しい喪失感に襲われるというか。まだまだ先の長い自分の人生の中で,初めて"1人の人間が死ぬ"って、こういうことなんだ…と知ったような気がした。

そういう経緯で 話が戻るけど、計3日で読了してしまうほど"面白かった"大杉さんの自伝。なんだろう、本当に文才のある方なんだなぁとまず読んでて思った。事実を述べてるだけなのに、綴り方のひとつひとつが面白くて興味深くて、ページを捲る手が止まらない。大杉さんの上京、劇団への入団から、舞台に立ち、演劇の楽しさを知るまでの流れ、そして奥様との馴れ初め。冒頭からまるで朝ドラを見ているかのように、何気ないようでドラマチックな一続きの人生にとっても魅力を感じ、惹き込まれた。


そして、さらに面白いと感じたのが、大杉さんの"なんでもやってみよう"という精神。実はとってもお茶目で(※大杉さん曰く"渋チャメ系")、脱ぎたがりで、同じ現場の俳優が戸惑うほどアドリブをぶっ込む「爆弾男」で、自分が面白いと感じたらゴミ捨て場から衣装を探してきたりなんてするとか、どんな状況に対しても楽しんでしまう余裕。啓発本じゃないし特別 諭すような書き方は一切されてないのだけど、 この方が綴る生き方の全てに憧れてしまうような、こんなふうに生きてみたい!!と思えるような、そんな響きに終始 溢れていた。

狭いこの世界の中で、心から楽しんで暴れまわり、それまで知らなかった世界を知るさま。これが,"酸いも甘いも噛み分ける"ということなのか。本当に、楽しい方だなぁと読んでて思った。

"良いことばかりが積み重なって、今のぼくがあるんじゃない。嫌な思いも味わって、だからわかることというのも必要なのだ。"

大杉漣 (2018). 文春文庫 , 「現場者 300の顔をもつ男」    p178

…が、そんな反面、読んでて心配になってしまうようなところも多々あった。演技にのめり込む姿勢から、産業廃棄液の中に全身浸かって死にかけたり、過労から意識を失ったりといった経験もしていたそうで。本の中で綴られているそんな様子に,恐ろしさを感じながらも、やはりどこか楽しんでいるような雰囲気に、読んでいて複雑な気持ちだった。それらが体調に危機を及ぼす直接的な原因になったかどうかは分からないけど、もし天国で、"あぁ,楽しい人生だったなぁ"と思われているのなら、いいな。

とにかく、面白い本でした。久しぶりに熱中して読める本に出会えて良かったな。大切にしたい。嗚呼、もっと読書しよう…。

東京音楽マップ 〜 お気に入りの曲を連れて山手線で巡る、この駅に、この1曲。【2020年版】

あけましておめでとうございます。

2020年の元旦ということで、新年の一発目から何か好きなことを書いて投稿できたら面白いだろうな~と思い しばらく色々と考えてて、ふと思いついたのは、"東京の一駅一駅の街のイメージに合う、'20年代の日本に残したいJ-POP"というテーマ。

路線はこのテーマで書くのに分かりやすい山手線をチョイスして、その土地の特性に合う、かつ、今年 東京を訪れる世界の人々にもプッシュできそうな、"改めて好き!!"という音楽を集めたプレイリストを考えてみました。


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山手線は現在 全29駅。これらを、6つのエリアに分けて紹介していきます。

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※本記事では、引用元のURLは提示しているものの、多数のサイトから画像や情報を誠に勝手ながら引用させて頂いてます。もしサイト,画像の投稿主の方が見つけた際に 該当箇所を削除してほしい等の意見がありましたら、是非コメントを頂ければ幸いです。(引用した画像の引用元は、基本的にそれぞれの項の最後に記すという形をとっております)。

 

エリアA:新しいこと発信の街
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渋谷 → 小沢健二 / 彗星

渋谷といえば渋谷系ということで…オザケン。「彗星」は、"そして時は2020" というこの上なくタイムリーなフレーズから始まる、渋谷系の決定打的・最新ヒットソングだ。90年代中期に始まり 独自のファッションスタイル等と共に流行してきたオーケストラル・ポップやソウル・ミュージックを、その代表格とも言える小沢健二が最新アルバムを以て、変わることのない爽やかさで放つこの歌はまさに"現存する日本の宝"だな、と思う。

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渋谷を象徴する所といったら、やっぱりスクランブル交差点。イベント時に多くの人が詰めかけるが故、昨近はマナーや衛生面といったことも問題視されたりして、良くも悪くも この場所から発信される"東京"のイメージはデカい。節度を持って、とても冴えた気持ち グラス高くかかげ 思いっきり祝いたいよね。(by 小沢健二)。

 

恵比寿 → ゲスの極み乙女。/ はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした

恵比寿といえば 小さい頃のイメージは"ビールの街"って感じだったけど、現在 抱くイメージは完全に"ガーデンプレイスのある超お洒落な街"である。恵比寿ガーデンプレイスというと、ドラマ「花より男子」で道明寺が"雨の中で君を待ってた"聖地として有名なので イメージソングはやっぱり嵐の「One Love」か?と思ったものの、それではなんだか在り来りなので さらにイメージに合う曲を探した結果、ゲス極のピッタリな曲があるじゃん!!という閃きに至った。

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終電間際のガーデンプレイス
別れを惜しんだ lonely night circus
取れたボタンを探すふりをした
まだ帰りたくない
帰りたくないみたい

エモい!!これはもはや東京版「LOVE AFFAIR」。ロンリーナイトサーカスとかいうパワーワードが絶妙。この曲 聴きながら、美しき夜景と戯れたい。

こういうキラキラしたお洒落な街はなかなか訪れる機会がないけど、社会人になって近くに用事があったら寄ってくのもアリだな。

 

目黒 → Perfume / 超来輪

超来輪

超来輪

  • Perfume
  • エレクトロニック
  • ¥255

代官山や中目黒がある目黒エリアは、なんとなく"大人の女性のお洒落タウン"というイメージ。そこから連想できるのは Perfumeだろうか…ということで ここ近年の曲で最もアーバン×キラキラな「超来輪」(アルバム「Future Pop」収録曲)を選んでみた。

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超来輪  超来輪  したいことだらけで
ほらね  ほらね  止めようがないもんね
Seek and Read Seek and Read
ねぇ夢中でいさせて
そういつだって結構  キミ 超来輪

毎春 桜並木で圧倒的な絶景を誇る目黒川は、ドラマ「最高の離婚」のロケ地としても有名。とにかく全てが画になる地帯。桑田さんの「Yin Yang」聴きつつ訪れるのもいいかも。こうして調べてると、ほんと東京 知らなかった魅力だらけだな~。

 

五反田 → ケツメイシ / それぞれのライフ

それぞれのライフ

それぞれのライフ

五反田について調べると 酒!風俗!猥雑!とか割と散々なイメージが出てくるんだけど、実は 関東最長の商店街・戸越銀座があったり、回遊式庭園の造りになっている美しい公園・池田山公園があったりと、憩いの場がたくさんある素敵な街だそうです。

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そんなこの場所のイメージソングは、"五反田"のワードが登場する 僕の大好きなケツメイシの「それぞれのライフ」がピッタリ。

降りる五反田   夜は終わんない
ホームレス横目   足は止まんない
銀行前で踊っているダンサー
呼び込みキャバ嬢 「どこいくのアンタ?」
皆生きている   何かに逆らってる
土俵は違えど闘っている
今日どうだった?  どんな1日?
きっと来る明日の方が良い日に

イイなぁ。五反田も行きたくなってきたな。

 

大崎 → NICO Touches the Walls / TOKYO Dreamer

再開発が進み 高層ビルが立ち並ぶ大崎には、NICO Touches the Walls がビルの群れを "東京の街は32連のスペアナ" (※スペアナ=スペクトラムアナライザ:周波数×電圧を表す電気計測器) と表現した名曲「TOKYO Dreamer」がピッタリ!!

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東京の街は 32連のスペアナ
孤高の戦いは  いずれこの夢を叶えるんだ

必ずこの夢を叶えるんだ

いやほんと、この曲 大好きなんですよ。これぞ2020年に聴くべきTOKYOの名曲だし、圧倒されるサウンドと雰囲気にいつもホロッとくるし、こんな素晴らしい曲を歌うバンドがもう活動していないとか、書いてて泣きそう。

…で。そんなセンチメンタルな気持ちを和らげるべく 大崎の魅力を今回 深掘りしていたところ、なんと意外な事実が発覚した。

↑この記事が述べるに、大崎は先進的なイメージに反し 意外にもマイナーで盛り上がりの少ないディープな印象があるらしく、そんな大崎を少しでも盛り上げようと存在する ゆるキャラ・大崎一番太郎が情報を発信しているとか。「種別:未確認生命体」とか 読んでるとなんかシュールでジワジワくる。

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& 調べてたら出てきたんだけど、キャラクターソングに「炎上ボンバー♪」って何これ…w。パンチ強いなぁ…。まさかの、生で山口勝平さんが歌ってくれているし、色々凄い。ダメだ、これ聴いてたら完全にNICOのイメージ消えてきた(笑)。大崎、濃い。

…そんな訳でエリアA、色々な駅を挙げてきたけど、僕のイチオシとしては完全に大崎を推していきたい気分。みんな大崎 行こう。

 

エリアB:未来を担うオフィス街
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品川 → tofubeats / NEWTOWN

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品川といえば。ここでかかる超・斬新な発車メロディ「海の駅」の近未来チックなサウンドからも、幼少期からなんとなく品川は"なんか凄い巨大ターミナル駅"という印象を抱いていて、憧れの場所だった。

品川2番線(海の駅)

品川2番線(海の駅)

品川区の公式サイト「わ!しながわ」ではSNSの活動とも連動した様々な魅力発信が行われており、オフィス街と昔ながらの商店街が混ざり合ったこの街を"「新しさと懐かしさが共存」した街"とアピールしているのが印象的。

そんな訳でイメージソングの紹介の方が後になってしまったけど、そんな雰囲気とマッチする1曲といえば、昨年 tofubeatsさんがリリースしたアルバム「RUN」に収録されている素敵なトラック「NEWTOWN」がピッタリだな、なんて思いました。(※いわゆる「ニュータウン」という単語が"都会の場所"を指している訳ではないので、あくまでも"tofubeats = 新しい"という直感での選曲です)。

NEWTOWN

NEWTOWN

 

田町 → 槇原敬之 / 超えろ。(Renewed)

超えろ。(Renewed)

超えろ。(Renewed)

今年の春、田町-品川間に 山手線40年ぶりとなる新駅「高輪ゲートウェイ」の開業が決まっており、いよいよ国民的にも注目されだすこの辺りのエリアは、1番 "2020"とか"新しさ"とか"東京オリンピック"とか 今年の清々しい気持ちに即した選曲がいいなぁと思い、ここ最近ずっと大好きな槇原敬之さんの「超えろ。(Renewed)」をどの駅に当てはめようか ずっと考えてました。ここでしょ。

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2020年。美しき芝浦運河が広がるこの地で今、鉄道の未来が受け継がれていく。こんな歴史的瞬間は、この曲で祝いたい。

超えろ 今あるどのアイディアも
超えろ 目に見えない枠組みを
心が望む未来以外
君は欲しくはないはず

 

浜松町 → サカナクション / years

近くの東京湾を船が通り、頭上にはモノレールが駆け、羽田空港へのアクセスが容易。そんな浜松町のイメージを調べたところ、「未来都市」という単語が浮かび上がってきた。確かに、ここまで交通の便に優れ、景観にも優れたこの街はなかなかなく、「未来都市」の称号が相応しいと感じる。そして、「未来都市」から連想されるアーティストはなんと言ってもサカナクションしかいない。曲は「years」。

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Years, years この先に
待ち受けてる時代のハサミは
Years, years 多分この帆を
切り刻みバラバラにするけど
Years, years また繋ぎ合わせるから
その時には
Years, years 君のことを
思い出しても許してくれるかい?

懐かしさと新しさを併せ持ったサカナクションからの渾身のメッセージだ。つい昨年にはHONDAのCMソングとしてもオンエアされ、"世の中の評価を気にする道なんて、くだらなくないか?" と一郎さんがナレーションしていたのも印象的だったこの曲。1つの時代が移ろいゆくこのタイミングで、日々 聴き倒していきたいものですね。

 

新橋 → サザンオールスターズ / 栄光の男

新橋のイメージといえば、やっぱり"中年"とか"酔ったサラリーマン"とか、そんなワードが浮かんでくる。"他にもっと色々あるんだが!?"と仰る方がいたとしても、やはりそのイメージは否定し難い。そしてこれらから連想するのは…サザン。「栄光の男」。この曲しかない。本レビューの枠組みを考える上で曲のリストアップをしていた際、新橋=サザン「栄光の男」という発想に至ったのに対してなんだか鳥肌が立ってしまうほどワクワクして、こりゃぁイイわ!書こう!となった次第でして。

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ビルは天にそびえ
線路は地下を巡り
現代(いま)この時代(とき)こそ
「未来」と呼ぶのだろう
季節の流れに
俺は立ち眩み
浮かれたあの頃を思い出す

この曲ねぇ。いいよね。今までもずっと好きな曲だったけど、去年のライブ観て凄い泣けちゃって、好き度が何倍にも増幅したんですよね。サザンというか桑田さんってやっぱり湘南のイメージだけど、都会とか東京の寂れた物寂しい世界観とかも見事に描き切ってしまう作風も持ち合わせてて、最高だよね。サザンの東京ソングといえば「東京VICTORY」等というとても優れた名曲があるので それを選ばないのはなんだか邪道な感じもしたけど、うん、満足です。ありがとうサザン、これからもよろしくお願いします。(←いつになく饒舌)

https://izakaya-good.jp/tokyo/shinbashi-izakaya

 

有楽町 → 土岐麻子 / Passion Blue

Passion Blue

Passion Blue

日比谷と銀座の間に挟まれ、丸の内エリアに近く、オフィス街とショッピング街の二面性を持ち合わす…そんな場所が有楽町。駅前の広場では毎日 テレビ取材のスタッフが待機しており、サラリーマンやOLがインタビューに応じている様がニュースやワイドショーで頻繁に流れているのが印象的。新橋あたりが"サラリーマン"のイメージが強いのに対し 有楽町が"OL"のイメージなのは完全に主観なんだけど、それでいくと選曲は 土岐麻子さんの「Passion Blue」を選びたくなる。

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↑このあたりとか、皇居エリア(本ブログのヘッダー画像にしてますね)とか国際フォーラムのあたりは家族に連れられてちょくちょく散策してるんだけど、凄く景色が綺麗で、凛としてて美しく、土岐さんの曲のイメージと重なり合う気がします。

風が止まった 朝のオフィス街
青いコートが 宙に浮かんだ
私はひとり 叫び出したい
ほら   私の名前を

 

エリアC:下町情緒 溢れる街
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東京 → Mr.Children / 東京

東京

東京

ついに来ました東京駅!!オフィス街の丸の内、中央省庁の集まる霞ヶ関、国会議事堂のある永田町など重要なスポットが多く存在するエリアだけど、何より東京駅という"駅"自体がれっきとした名スポットであると断言できる場所は他に例がないのでは??

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そんな東京のイメージソングとしてチョイスしたい曲、ここはやっぱりシンプルに「東京」がタイトルの曲だろ!という思考の流れで、僕が最も好きな「東京」ソング="ポップネスの極まった集大成的 '08年ミスチル!!"という選曲になりました。

思い出がいっぱい詰まった景色だって
また 破壊されるから
出来るだけ執着しないようにしてる

それでも匂いと共に記憶してる
遺伝子に刻み込まれてく

この街に大切な場所がある
この街に大切な人がいる

深いなぁ。思わずウズウズしちゃうほど輝かしいサウンドに乗せて、"破壊"というワードを登場させ、目まぐるしく変わっていってしまう都会の風景を憂いてる。これが東京のリアルだと思うと、妙に納得しちゃうな。これからも聴き続けたい1曲。

 

神田 → 松任谷由実 / DOWNTOWN BOY

DOWNTOWN BOY

DOWNTOWN BOY

東京における代表的な下町として挙げられるのが、神田。古本屋や蕎麦屋が印象的な街だったりと色々"懐かしい"イメージの雰囲気に僕の"古いモノ好き"レーダーが凄く反応してしまうんですが。 実際 年に数回だけどこの付近を電車で通った時に興奮してしまうのが、味のある神田川の風景。というと、鉄道好きからも写真好きからも注目されている名スポットがありまして、近々そこで無性に写真を撮りに行きたいと考えてるんですけど。

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昌平橋から聖橋方面を望む」(https://photohito.com/photo/4098339/)

↑ここ!!この場所からのこのアングル!!カッコイイ!美しい!!なんか鳥肌が…!!この、右の方にある古い看板がめちゃくちゃ良い味を出してる。というか、この写真を撮られた方が器用っていうのもあると思うんですけど、なんというか、現代でこんなに懐かしく味のある風景が撮れるなんて、なんだかとっても胸アツじゃないですか。これはもう、下町="downtown"繋がりで 80年代・ユーミン屈指の名曲「DOWNTOWN BOY」を聴くしかないですよね。ここは行きたい!!!

 

秋葉原サンボマスター / 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

秋葉原といえば!!個人的にドラマ「電車男」にハマってその余韻がまだ残ってるため、曲は完全にサンボマスターになってしまいますねぇ。2005年、たくさんのファンを集めてフェスばりに盛り上がった、秋葉原駅総武線ホームで歌われた「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」。この曲はもうエンディングの模様だけでも熱いのに、ドラマ劇中では 単に番組の主題歌としてだけでなく"全ての人に捧ぐ応援歌"的な役割として掲示板(2ch)の登場人物たちが聴き入ってるシーンも印象的で、それに加えて 秋葉原全体を「電車男」化しストーリーを展開させるという斬新な回も本当に素敵だったし、自分が'05年に今の年齢だったら、絶対 ワクワクし通しで秋葉原を散策してたんだろうな~って凄い思う。

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で そんな秋葉原、個人的にはつい昨年のある日、"新しいイヤホンを今すぐ手に入れたい!!"と感じ、スマホで調べつつ 駅前のヨドバシカメラを目指して訪れてきたのだけど、結構 不思議な空間でドキドキしたな~。忙しなく通り過ぎるビジネスマンの群れと、威勢のいい声で客を呼び込む電気街の店員たちと、地面に腰を下ろしてアニメ関係のカードを広げている人と…。とにかくかなりの人混み地帯だったのでその時は早々に退散してきてしまったけど、いつかのタイミングで再度 行ってこれたらな、なんて思っている。

 

御徒町宇多田ヒカル / あなた

調べて分かったことなんですけど、御徒町って日本唯一の宝飾問屋街なんですってね。上野と繋がる超・名スポット:アメ横が特徴的であるのに加えて、"宝石の街"だとも言われるこの街は、懐かしさと新しさを併せ持った美しい場所、という印象に抱きますね。そしてそんな特徴に沿う御徒町の、贅沢かつ強力なイメージソングはというと、宇多田さんの「あなた」なんかピッタリなんじゃないですか。

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壮大な"和"(+仄かに"洋"の香り)を感じさせるサウンドと素晴らしい歌声を聴きつつ御徒町を闊歩できたら…贅沢だろうなぁ。

あなたと歩む世界は
息を飲むほど美しいんだ
人寄せぬ荒野の真ん中
私の手を握り返したあなた

+豆情報。「ジュエリータウンおかちまち」のサイトでは、可愛らしいオリジナルキャラクターの"プリンセスパンダ"と"ティアラパンダ"がお出迎えしてくれます。この、ちょっとしたキャラクターにまでキラキラとしたアピールの行き届いてる感じが凄い良いな。大崎一番太郎と対決させたい(?)。

f:id:fuurintakino:20191204145716j:image https://jto-net.com/sp

 

エリアD:アンダーグラウンドな東京
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上野 → □□□ / Re:Re:Re:

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個人的に毎日 乗り換え駅として利用している、上野駅。何百、何千という日の憂鬱と、ちょっとの希望を胸に過ごしてきた巨大ターミナル、上野駅。駅構造が複雑でたまに混乱する、上野駅エキュート3階・餡舎ひよ子の大判焼きが美味い、上野駅。あゝ上野駅。(※13番線 発車メロディー)。

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…という風に 色々とイメージがあるのだけど、曲を付けるなら明るめの曲がいいなということで、自分の2019年・最推しのアーティストであった□□□の、「上野」のワードが登場するキュートな1曲「Re:Re:Re:」をここではピックアップしたいですね。

Re:Re:Re:

Re:Re:Re:

「Re:Re:Re:」とはアルバム「everyday is a symphony」に収録されている1曲で、主人公の男が憧れの女性を振り向かせようと色々なお店に誘ってみたりするという、そんなメールでのやり取りが歌になってる訳ですが、このカッコいいサウンドと 描かれてる女性の素っ気なさ&男の切なさのギャップがこれまた良くて、最近かなりヘビロテしています。で、「上野」のワードが登場するのはココ。

年中無休でやってるおいしい
上野の鴨鍋屋だけど
一緒につつけば 弱音も聞けるし
聞いてもらいたくもある し

鴨鍋 美味しそうだな~。調べても引っかからないので曲上の演出かもしれないけど、普段 行ってる駅が好きな曲の中に出てくるって、やっぱりテンション上がりますよね。□□□ 聴いて明日も頑張ろ。

 

鶯谷クリープハイプ / リバーシブルー

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引き続き…このエリアも毎日 電車で通ってて割合 知ってるところなので 上で"アンダーグラウンド"なんて表現しちゃいましたが、まぁ要は風俗街ですよね。この辺り一帯、毎朝 電車の窓から見えるのが無料案内所の看板だとか、コスプレ○○○○円なんてデカデカと書いてある看板とか… 満員電車で1人、外からこういうのが見えると なんだか妙に気まずい心持ちになるのは自分だけだろうか…??。

なんとなくやはり、"アンダーグラウンド"なんて表現したくなる。そこでこの1曲だ!!!!!!

クリープハイプリバーシブルー」。この曲、よく朝に再生してるんですけど、MVは最近 初めて視聴して。4人のメンバー自身が熱演する、薄汚れた狭い世界で「あしたのジョー」ばりにボロボロになっていく男たち。この演技がまたとてもアツくて、爽やかな曲調なのに切なくて泣けてきちゃうような、映像を見ることでより惹き込まれる、この雰囲気。これは鶯谷にピッタリなのでは?と思って。

f:id:fuurintakino:20191205211447j:imagef:id:fuurintakino:20191205210655j:imagef:id:fuurintakino:20191205211138j:image

↑この人かわいい。

勝手に「リバーシブルー」のストーリーを夜の鶯谷に当てはめて、明日も生きていきます。(*′ω′)b

 

日暮里 → スガシカオ / コノユビトマレ

日暮里も毎朝 電車で通ってたり、昔 旅行の際に利用していたりして、何かと縁のある駅だ。でもその割には、意外とこの街のことを知らない。というか、何かと魅力が知られていない街のようだが…?。

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そんなこんなで「日暮里」という名前の由来について調べていると、なんとこの街、桜やツツジが美しく「一日中過ごしても飽きない里」という意味から「日暮らしの里」と呼ばれるようになり それが「日暮里」の名に変わったのだそうで、そんなに素敵な由来があったとはとても興味深い。

観光スポットとしては、手芸好きに注目される「日暮里繊維街」や、飴細工のお店など 心の温まる名所が様々で、中でも思わず行ってみたくなったスポットが、谷中銀座商店街に通じる、美しい夕焼けを眺めることのできる階段「夕やけだんだん」である。凄い、何かの歌や小説に登場するような 懐かしくて愛おしい世界が広がっていて、素敵。

そんな日暮里に合うイメージソングには、都会の物寂しさや猥雑さとか、日々生きる人の疲れを見事に描き切るスガシカオさんが歌う、史上最高に癒される名・応援ソング「コノユビトマレ」を選びたい。

夕暮れの駅前通りを 思い切りペダルふんで
はずれそうなチェーンが
ガシャガシャ 音を立ててまわっている

どこにも居場所がないって思う人
ぼくのこの指とまれ
ムリヤリもう探さなくていい
希望見つけるのやんなっちゃった人
ぼくとかくれんぼしようよ
必ず君みつけるよ

 

西日暮里 → 水曜日のカンパネラ / ディアブロ

日暮里駅から目視できるほどめちゃくちゃ至近距離にある駅、西日暮里。この街を知るのに際して何かこう、ニッチな需要に応えた記事はないだろうか…と調べてたら、あった。

https://sanpoo.jp/article/nishinippori-living とても興味深いぞこれ。つまるところ西日暮里は、

⚫混雑解消と交通の利便性向上のための乗り換え駅として作られた。

⚫昔ながらの飲み屋やビルが魅力的。

撮り鉄に人気の撮影スポットと、そのすぐ近くに 街の人々から愛される神社がある。…と。

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いやぁ…なんというか。やっぱりこのテーマ調べ始めて良かったな。このように、よく知らなかった駅にもそれぞれとても細かな特徴と、アピール点と、個性があって。凄く"あぁ!ここ今度 降りてみたい!! 探検してみたい!!"ってなるし、音楽への思いを馳せることもできるし、一石二鳥ですね。

てな感じでこの駅のイメージ曲は、ピンポイントで「西日暮里」の語が登場する+かつ知ってる+好きな曲=水曜日のカンパネラディアブロ」になりました。

西日暮里改札口出て
CoCo一番から徒歩3分
地下ダンジョン16階まで降り
中ボス倒して店内へ
スシロー  ジャブロー  プラモ狂四朗
五右衛門風呂からセパタクロー
深夜の2時まで毎日営業
お湯につかってあったまろ

このサブカル感…何度 聴いても乙だわ(笑)。

https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-120 歌詞に出てくる西日暮里改札口出て3分の風呂屋。まさかの実在する場所だったァァ!! dear,風呂…♡

 

田端 → RADWIMPS / サイハテアイニ

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田端といえば!!昨年、映画「天気の子」の劇中で舞台になっていたり、田端エリアでRADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」のMV撮影が行われたりと、ジワジワ来ている 新たなる"聖地"なのだそうで!! ここも個人的に電車で通るエリアで、普段 見える場所とMVでの風景が重なって "ここ知ってるんだけど!"なんて去年 感動して、近々 訪れようと思ってたのですけど、なかなか機会がなく まだ行ってないな…。今年こそはちゃんと行ってきて写真とか撮りたいと思うのですが。

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で、↑この比較画像とか 目から鱗な情報をお届けしてらっしゃるのが「TABATIME」さんというサイト↓なんですけど、こういう"ご当地"なwebマガジンって好きだ。自分の居住地近くのことがたくさん載ってるwebマガとかもつい検索して和んじゃう。

"山手線で一番無名"の駅として紹介されてるけど、それこそ今年は海外からも多くの人が東京に来て、「天気の子」"聖地巡礼"なんかもして、ジワジワと有名度がアップしていくんじゃないでしょうか…?

そんな田端のイメージ曲は、"RADの曲+2020年に聴きたい爽やかソング"という選定基準から「サイハテアイニ」を。この疾走感、たまらん。スポーティー

 

駒込YUKI / 恋愛模様

恋愛模様

恋愛模様

駒込といえば、発車メロディーが「さくらさくら」であったりすることから分かるように ソメイヨシノ発祥の地として知られており、春の日に訪れたい素敵な街のようです。

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駒込駅のすぐ目の前には「染井吉野桜記念公園」という駅前広場があったり、桜色に染まったポストがあったり、秋には紅葉が魅力な「六義園」があったりと、とにかく美しい自然が豊かで、名スポットが盛りだくさん。こんなに"和"の雰囲気が魅力的な駒込には、YUKIさんの和風×ジャズ×お洒落なラブソング「恋愛模様」を聴きつつ散策したい。

誘われてスウィング スウィング スウィング
色違いの傘広げて 弾む雨の狂詩曲(ラプソディ)
イカレているわ
鳴かぬなら鳴かせてみよう 強情なほととぎす
もう いけずな貴方を嫌いになれないわ
だって私の運命の男

 

エリアE:沁みる、趣深い街並み
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巣鴨ゴールデンボンバー / LINEのBGMにしてるとモテる曲

「趣深い街並み」という題からのこの選曲…、若干ズレてる感じはしますが、まぁこんなのも。

「LINEのBGMにしてるとモテる曲」は先日リリースの最新アルバム「もう紅白に出してくれない」に収録されている1曲で、昨年の名曲「令和」以来 すっかり自分の中で金爆ブームが訪れつつある今日この頃、↑この曲にもかなりハマっています。なんというか、笑いのツボに凄くハマって元気が出て、日々の疲れにめちゃくちゃ効くんですよねぇ。入浴剤的な。

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で、巣鴨との関連は何かというと、この曲は鬼龍院が未亡人の80'sガールに一目惚れして LINEのIDを訊きだそうとして色々カオスなやり取りを繰り広げるみたいなストーリーなんだけど、途中の歌詞で「渋谷系」「巣鴨系」っていうのが出てきて、"「巣鴨系」ってなんやねん?"と思って調べたら、巣鴨はどうやら「おばあちゃんの原宿」と呼ばれているらしく、高齢者の方が自身のスタイルを誇示できる場所なんだとか…。いやはや、こういうのってきっかけがないと知らないもんだな~。

そんな巣鴨の名スポットといえば、痛みや病気を治すご利益があるといわれる有名なお寺・「とげぬき地蔵 高岩寺」がありますね。とても魅力を感じる名所だし、いつかの機会にぜひ一度 訪れてみたいな。

 

大塚 → 竹原ピストル / へっちゃらさ、ベイビー

一人暮らしの男性向きの物件が多く、飲み屋が多い街と言われる大塚には、孤高の男・竹原ピストルさんの楽曲を連想してしまったな。アルバム「youth」に収録されている1曲「へっちゃらさ、ベイビー」。

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君があの店で泣き明かしたってこと、知っていたよ。だから君がバイクの後ろに乗っていたんだろうね。

きっとぼくが誘ったんだろうね。

トンネルを抜けた先には、きっとただトンネルを抜けた先があるだけだよ。
へっちゃらさ、ベイビー。

バイクの夢を見ていた主人公が、夢の中で"あの店"で泣き明かしていた君を後ろに乗せて、ちょっとロマンチックな夜を駆け抜けていくというストーリー。これまた鶯谷同様、こういう曲を街の様相と重ね合わせてワクワクしているという…。もし大塚に用事あったらこの曲を聴いて訪れたいんですよね。

 

池袋 → 山下達郎 / 僕の中の少年

すみません、これも調べたWebページの受け売りなんですが。池袋というと、山下達郎さんの出身地なんですね。この記事 書いててまだ出身地という観点には注目してなかった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191006-00010004-metro-life

Yahooニュースに上がっていた記事から。池袋のイメージに合う曲を探していた時に、達郎イズムの息づいた池袋の街を表現する↑こんな記事を見つけて、選曲も「僕の中の少年」って個人的に大好きな曲だし、これだ!と。執筆していらっしゃるのは、「サザンオールスターズ1978-1985」などの著書で知られる 音楽評論家のスージー鈴木さん。この方の音楽愛 溢れる文には、凄く惹かれるな。

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西武デパートサンシャインシティのある巨大ターミナル。ドラマ(「池袋ウエストゲートパーク」)で描かれるほど危険なニオイのする(していた?)街。アニメイトの人気に伴う女性アニメファンの聖地。挙げればキリがないほどごちゃごちゃに特徴が出てくるカオスさが池袋にはあるけれど、これが「=山下達郎」というイメージにはこれまで繋がったことがなくて、大きな発見だった。発車メロディー、何番線かに「僕の中の少年」起用してくれないかなぁ。夢見心地のキラキラのサウンドが輝くリズム、駅のホームで聴きたい…。

↑こちらの記事では、昨年夏オープンの「グランドシネマサンシャイン」を始め、池袋で行われている大規模な再開発の計画がまとめられてたりして。

この辺もなかなか用事がないけど、降りてみたらとっても「変わりゆく街→移ろいゆく時代」を体感できそうな気がする。池袋へレッツゴー。

 

目白 → くるり / どれくらいの

正直言ってこれ調べるまで 目白と目黒の特徴の違いさえよく分かっていない状態だったのだけど、こうして書き進めているとかなり見えてくるものがありますね。目白の印象としては、

⚫緑が豊富で落ち着いた住宅街

⚫元皇族も住む閑静でハイソな街

だそうで。大塚、池袋と ごちゃごちゃした繁華街シリーズが続いてたので、これはかなり期待。

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画像越しだけど、上質な雰囲気が伝わってくる。目白で特に栄えている教育施設は、皇族・華族のための「学習院」や、日本女子大学東京音楽大学など。

こういう場所で聴きたい曲は、やはり静かで落ち着いた味わい深い1曲。ここ数ヶ月ほどめちゃくちゃハマってて鬼リピしている、くるりの最新アルバム「ソングライン」より、「どれくらいの」という曲をここでは推していきたい。

簡単なことなのに
うまく ゆかないものだ
でもね   そんなこと
気にしてちゃ だめだよ

陽が暮れたとき
なぜか  ほっとするのは
弱くて  小さな  心
見えなくなるからさ

都会の喧騒から抜けて、家路へと向かう、夕陽に包まれた住宅街で響くように聴こえる、美しいピアノの音。曲が進むにつれ だんだんと演奏の壮大さが増していき、まるで1日の感情を発散させるように、激しいフィナーレを迎える。「どれくらいの」は、そんな1曲だ。目白に限らず、茜さす帰路ではこんな音楽が聴けたらかなり嬉しいな~。

 

高田馬場 → スカート / 高田馬場で乗り換えて

高田馬場で乗り換えて

高田馬場で乗り換えて

  • スカート
  • J-Pop
  • ¥255

高田馬場といえば、鉄腕アトムの街、学生街、色々イメージがあるけど、当てはめたい曲ってなんだろうな~ってしばらく考えこんじゃって。調べてて思い出した。めちゃくちゃダイレクトにピンポイントにシンプルに高田馬場を歌ったスカートさんの曲があるじゃないか!!と。灯台もと暗し。

人もまばらな 下りの電車で
少しずつ 静かに心が走ってゆく 華やぐ街へ

いちばん 好きな  コートを羽織って
いつもの通り  高田馬場で乗り換えれば
馴染みの発車メロディが 背中を押すんだ

とっても良い曲だし!しかも発車メロディーについて触れている!!何気に、「発車メロディー」って言葉がポップソングに登場してるのは初めて聴いたかも。嬉しい。(マニア並感)

高田馬場の乗り換えといえば、山手線、東西線西武新宿線が乗り換え可能で、もし高田馬場で乗り換えをする機会があったらこの曲を必ず聴かねばと思う。きっとタイムリーすぎて震える。

ちなみに高田馬場は、戸山公園という所で登山ができるらしい。個人的にこういうの1番 惹かれるやつ。行ってみたい。

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エリアF:若さが集うポップ・シティー
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新大久保 → 電気グルーヴ / N.O.

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東京のコリアンタウンと言われる新大久保。個人的には小さい頃 家族に連れられて訪れて、かなり前なので記憶は超うっすらなんだけど、なんとなく独特の雰囲気を醸していた不思議な街だったことは覚えている。その地に降り立った瞬間に感じる まるで映画の中に吸い込まれたような異国情緒というか、そういう珍しい感覚が味わえる場所が東京の中にあるというのは、とても貴重なことだと思う。そんな新大久保は、表現するならば"何かとグローバルな街"であると言えよう。

ちなみに僕の思う、音楽界における"何かとグローバルな奴ら"といえば 電気グルーヴだ。世界レベルのフィールドで活躍するという経歴をお持ちの上、その昔「일본2000」(※「イルボン」(일본)=日本)なんてアルバムを出していた点から考えても、新大久保と聞いたら自分の中では電グル以外に浮かばなかった。曲は、"若さ"から連想した「N.O.」。電グルなぁ… 瀧さんの芸能界復帰はもちろんだけど、それよりも今年は早くストリーミング関係を戻してほしい。おおっぴらに聴いてかけてアガりたい。

 

新宿 → 東京事変 / 群青日和

"新宿は豪雨~♪"でお馴染み「群青日和」! 新宿について描いてる林檎さんワークスの名曲は色々あるけど、個人的には真っ先にこれが浮かんでしまうな。
東京事変といえば、東京オリンピック東京オリンピックといえば、東京事変。今回の記事は、事変について触れるために書き始めたようなもので。
何かが起きるかもしれない2020年2月29日(←事変の解散日 及び記念日である、4年に1度の"閏日")を前にして、東京事変の名曲についての再確認もし,うずうずしながら毎日を過ごす今日この頃なのだけど、やっぱり事変好きになって時間が経って思うけど、デビュー曲の「群青日和」って本当にファンから愛されてる1曲だなって。それこそ個人的にはその昔に書いた桑田さんの「波乗りジョニー」の魅力論に同じく、同時に何十万人、何百万人をも失神させる勢いの熱いロック魂というか。再生するだけで歓声の幻聴が聴こえてくるレベルに愛してる。

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突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点   少しあなたを思い出す体感温度

このフレーズ本当に好きなんだよなぁ。どういう意味の歌詞か説明しろって言われてもよく分からないんだけど(笑)。本当にお洒落だし、グッとくるし、泣ける。感覚的にめちゃくちゃ深い感動へ誘われる音楽世界。それが事変。

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そして、新宿駅のイメージはというともはや説明は不要だけど、"世界一"の利用者数を誇る駅だったり、構内が"ダンジョン"と呼ばれるくらい出口も道も複雑な超巨大ターミナルだったり、とにかくカオスな東京の名駅。このカオスさこそThe・トーキョーなんだ!!てな感じで〆てみようか。

 

代々木 → フジファブリック / オーバーライト

代々木体育館のある代々木は、直接的に"スポーツ!!"って感じの曲が合うと思い、昨年のベストソング記事でも紹介したフジファブリックの最新"スタジアム"ソング「オーバーライト」をここでチョイス。

実は調べたところによると、代々木体育館の最寄り駅は代々木でなく、原宿らしいんですけどね…。というか、代々木自体は予備校とか、アニメーション学院とかそういうイメージがあるけど、"代々木"の名がつくスポーツ関連の施設は実際 代々木駅周辺にはないらしく。ちょっとややこしいけど、とにかく2020年に関しての"代々木エリア"は、スポーティーな雰囲気で盛り上がる地帯として認識していたい。

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オーバーライト 塗り変えて
舞い上がれ
もっと高く高く

頂上で見よう絶景
遠くで輝き放っている

ちなみに、今年 代々木体育館で開催される東京オリンピックの種目はハンドボールパラリンピック車いすラグビー、バドミントンだそうです。なんかテンション上がるな。2020年は「オーバーライト」聴いて、代々木へ思いを馳せよう。

 

原宿 → ピチカート・ファイヴ / 大都会交響楽

ラストは、「kawaiiカルチャー」など数々のポップアイコンを生んできた若者の聖地・原宿。小沢健二が「寒い冬にダッフル・コート着た君と~ 原宿あたり風を切って歩いてる~♪」と歌った原宿はやはりなんとなく渋谷系の延長線上の世界観が備わってるポップ・シティーなイメージというか、単純にここまで色々な東京ソングを挙げてきて ピチカート・ファイヴを入れない手はないだろ!!という感覚で「大都会交響楽」をチョイス。東京ソングとしては個人的に、「東京は夜の七時」よりも完全に「大都会交響楽」派だなぁ。ストリングスがワーッと盛り上がって、忙しなく愛おしく過ぎていくキュートなサウンドの一音、そして歌詞の一言一言 全てが、"都会の街"というものを真っ直ぐに表現している…そんな名曲で。

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走り来る人々
時間が追い越してゆく
Uh メトロの喧噪
忘れていた音楽に
耳を澄ませるふたり

良い曲だなぁ。多くの人で賑わう竹下通りをイメージしながら、「大都会交響楽」でTokyoを感じよう。

 

…という訳で全29駅、29曲、語って参りました。結論。東京に住んでても、知らなかったことの方が多かった。調べて分かったことから東京の魅力がザクザク出てきて、特に大崎、神田、日暮里、高田馬場は本当に行ってみたくなった。今年はここから、実際に行って 東京の魅力を知るための旅が始まりますね♪。それでは、2020年、今年も本ブログ「静穏の日々」をよろしくお願い致します。

#ベストソング2019 〜 日常の中に情熱が滾る、新時代の音楽【令和を生きる現代人に捧ぐプレイリスト】

恒例のベストソング記事。今年は音楽に対して思うことが特に多いということで、全然 年末ではないけれど、9月半ばという何の変哲もない1日からこういう記事を書き始めてみている。日々 感じたことを忘れないようにちょっとずつ書き足していって、然るべきタイミングで投稿しようという流れ。

今現在 音楽は、主にSpotifyで聴いている。今まではCDをレンタルするなり買うなりしてとにかくCDに触れるのが常の生活だったけど、今年の視聴スタイルに関しては 主たる部分は完全にサブスク(カバーできないものはDL)の方に移行した気がする。

そんな生活の中で、言っても今の音楽はどれも本当に良いのばかりだし、"これ好き!!"と思える曲が大量に入ってきて、→ 1週間後には"あれ? 一体どの曲の、どこが好きなんだ?"なんて全部 思考がリセットしてしまうような、良くいえば"ウハウハ選り取り見取り"、悪くいえば"情報過多でカオス"な音楽ライフが毎日 果てしなく広がっていて。

だからこそ、自分がいま本当に好きな音楽はなんなのか? 一時的とはいえ、リスト化して感想を文字にして記録したいほどグッとする曲とは?と考える上で、この"ベストソング"は本当に良い機会だな~と事ある毎に感じていて、こういうことを考えるのがまさに大袈裟でなく、自分の人生で1番の生き甲斐なのではないか、と思ったり。

というわけで今回は特に、単なるランキングでなく メリハリのついた1つのプレイリストであることを意識して、選曲しております。前置きが長くなりましたが、是非 お読み頂けると嬉しいです。

※ちなみに今回に関しては、今年以外にリリースされた楽曲についても語る「ベスト"ハマり"ソング」も同記事内ラストで同時開催します。そのため かなりダラダラと長い記事になってしまってますが、ご了承ください。


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土岐麻子「Passion Blue」

Passion Blue

Passion Blue

待望の新作!! 都会的現代サウンドの名手・トオミヨウ meets 土岐麻子、なアルバム「PINK」「SAFARI」に次ぐ"シティーポップ三部作"完結編、「PASSION BLUE」がついに今月リリースとなりました。何と言うか今年 他の記事にも書いたけど、土岐さんの音楽は本当に歌声も、サウンドも、メロディーも歌詞も、全てが好みすぎてやっぱり飽きない。ずっと聴いていたいような、でも全く違う次のステージも見てみたいような トオミさんとの不思議でスリリングなコラボレーションは、音楽史に残る作品群になったんじゃないかな。

そんな感じで今回の「PASSION BLUE」は、フィナーレということもあり、より純潔な都会的ムードやスタイリッシュさに磨きがかかった"The・芸術"の1枚となっており、2019年,19歳の少女と2119年の "grandma" を軸に人間の美しさを問う「美しい顔」や、"綱渡り"をするサーカスのように 緊張感に包まれたストレス社会を渡るような「High Line」、冬の街を連想させて,エモーショナルな気持ちに浸れて心地いい「Bubble Gum Town」など…まるで1つの絵画を見ているかのような芸術レベルの高い、かつバラエティ豊かな楽曲が並んでいて、非常に痛快であった。特に表題曲の「Passion Blue」は、まずこの曲の歌詞が CDの帯に、宣伝文句とかじゃなく1フレーズだけ、こう書かれていたのだけど…。

あなたがあなたで振る舞えたらきっと
孤独は 明日 かけがえない自由になる

もうこれ見た瞬間、このCDは"あぁ…運命の1枚だ…!"と思いましたね。この一言で、音楽で、どんなに救われていることか。本当に元気出るしカッコイイし、素敵だし、土岐さんは僕にとっての"時代のトップランナー"だな、と思っている今日この頃です。

で、まぁ 自分がこんな風に紹介しなくても既にナタリーに、三部作の隅々まで分かる解説や 著名人たちの熱々なレビューまで掲載されたパーフェクトな特集記事が上がってるので、それを読まれつつ是非 「PASSION BLUE」を拝聴する音楽ファンが増えたら良きだな。

     

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肌を突き破るように走る静脈はまるで
(青い) 情熱
あなたがあなたで振る舞えたらきっと
孤独は明日 かけがえない 自由になる

passion blue…!

 

Mrs. GREEN APPLE 「ロマンチシズム」

Mrs. GREEN APPLE、前々から気になっててちゃんと聴こう~と思ってはいたのだけど なかなかタイミングがなくて、ようやくかな。魅力に気づけた。

イメージとしては、"間違いなく誰もが虜になってしまう濃いめのサウンドが短い秒数の中に所狭しと犇めきあっていて、まるで宝箱みたいになってる音楽を作ってる人たち"ですね。今年は"バンドブーム"ともいえるくらい良いバンドの音楽がヒットチャートやストリーミングの画面内に名を連ねている中で、ミセスはこの秋、自分の心の奥深くまで届いた。

というかサウンドが魅力的なのはなんとなく知っていたけど、今回 大きな収穫として気づけたのは、1曲1曲に掲げるテーマが良すぎるということ。聴いている人 1人1人の内面的感情に心から共感し、応援してくれているような圧倒的な説得力とパワー、これに凄く元気を貰えるな。やっぱり自分は、日々 何より応援歌を欲しているわ。"頑張ろう"と思える心が様々な事象に乱されてあっち行ったりこっち行ったりしてどうしようもない生活の中に、応援歌はいくらあっても足りない。そんな中で 音楽というものに勇気づけられるということの喜びを、今回このアルバムを以て、改めて深く考えさせられたなぁ…。

そんな"応援歌イズム"的テーマが描かれていた表題曲「Attitude」のほか、聴いてて全てが気持ちいい「CHEERS」、中高生の時に出会っていたかった最高の青春ソング「僕のこと」、美しさと狂気が入り交じった「ProPose」など…良い曲が多すぎて もはやベストソングが選べない。それでしばらく考えた結果、いま1番 面白いな!!と感じているロックソング「ロマンチシズム」が最終的にプレイリストに入れたいと思う1曲となりました。そんなこんなで最後まで捨て難かった「Attitude」も貼っておくので こちらも是非 多くの人が聴いててほしい。

とにかくミセスにもっとハマりたいし、歌うの難しそうだけど歌ってみたい。今後 さらに輝かしい音楽の生活が始まる。


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日々ヒビが入りハートが砕けて
勇気も自信も亡くすけど
挫けながらも強く生きて行ける
大人になるための毎日です。

 

東京スカパラダイスオーケストラ
   「リボン feat.桜井和寿 (Mr.Children)」

今現在で今年のほぼベスト1曲だと確信している、最高の新時代キラーチューン。最初 聴いた時は "豪華なコラボやってるな〜"くらいの感想だったけど、繰り返し聴くうちに愛がどんどん増していって、ハマってしまった。

忙しい癖に暇です、と
矛盾してるような退屈を飲み込む
それが毒だって分かっていても
忘れられぬような キズを忘れさせるキスを

個人的に最もグッときたのがこのフレーズ。上で述べた通り 情報過多で騒がしい時代であるとか、つい嫌なこと辛いことをわざわざ振り返ってしまって全然 楽しくない時間を浪費してしまいがちであるとか、そんな今年の自分にとってこのフレーズは、これでもかというくらい沁みた。この""や"キス"と表現されている対象が、現在の僕にとっての"音楽"であると確信したのだと思う。

"しあわせよ、こんにちは。そばにいて "谷中敦さん、良い詩 書くなぁ。この シンプルで温かみのある詩に気持ちのいいブラスサウンドが乗って、聴き慣れた桜井さんの歌声が映える…これがほんと絶妙に素晴らしいコラボレーションだな~と思うんですよね。この感じがなんだか「HOME」期のミスチルを彷彿とさせて、リアルタイムでこんなにゴージャスな楽曲を聴けてしまっていることが、なんだかとっても誇らしい。最高の1曲。


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時代の朝日が昇る
ah  つまらない思い出は消したい

しあわせよ、こんにちは。そばにいて
君の手を引いて 息を切らせば
音にならない口笛も 風の唄

 
フジファブリック「オーバーライト」

今 自分の中で最もリピート熱の高い1曲であり、新たなる時代を象徴するロックとも呼びたい、「オーバーライト」。4月、15周年の記念日にリリースされた、J SPORTS STADIUM 2019 野球中継のテーマソングである。上半期にチョイスした秀逸な名曲「東京」然り、フジファブリックというバンドはつくづく最高だと思う今日この頃だ…。

野球はおろかスポーツ中継さえちゃんと見てないので はっきりとした事は言えないけれど、 この曲、音の全てから"The・スタジアム"な熱狂が響いていて、まさにスポーツソングの絶頂とも言える興奮が包まれているように感じる、そんな躍動感が凄い。そういう意味で 来年の東京オリンピックのテーマソングとしてはめちゃくちゃ相応しい曲だと思うし、自然とリピートする回数が増えていきそうな予感。令和、2020とその先へ。

彼等の生み出す音で未来が明るい。


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心の糸震わせる 忘れていた少年は
今もずっとその胸にあるかい

 

⑤DAOKO × MIYAVI 「千客万来

MIYAVIさんのギターっていいですよね。個人的に初めて聴いたのが野宮真貴さんのアルバムでだったんだけど、なんというかすぐに"これがMIYAVIサウンドだ!!!!!"と分かるような独自のカッコよさに圧倒されて、以来ちゃんと追ってるわけではないけど凄く好きで、久々にこの曲でグッときた。あと「千客万来」以外にも今年はDAOKOの曲をかなりずっと聴いてる気がするし、自分の日常に欠かせないアーティストと言えるようになってきたかも。

そしてこの曲、映画「Diner ダイナー」の主題歌であるとか そういうのは全然 意識しないで聴いてたけど、そうですよね、映画同様 MVの監督も蜷川実花さんなんですよね。これ↑URL 貼るために初めてチェックしたけど、めちゃくちゃ美しくて ヴィジュアル面でも圧倒される楽曲であったことにとても衝撃を受けた。蜷川実花さんの映像 大好き。


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あてもなく飛び出して驚いた
アンラッキーなんて嘘  空は高く
明るいさ 眩しいがいまならばわかるんだ
今の私  永遠だわ

 

⑥女王蜂「超・催眠術」

超・催眠術

超・催眠術

  • 女王蜂
  • ロック
  • ¥255

断言したい。今年の自分の生き甲斐とも言えるくらいに今夏ひと夏で改めてハマったアーティスト2019は間違いなく女王蜂であり、アルバム「十」は数えきれないくらいリピートしたド名盤であることを。

まずハマった曲として、映画の主題歌 兼 本作のリード曲である「Introduction」という名曲があって。これが本当に、多様性とか、日々を生きる上でのヒントといった様々な熱いメッセージ性が込められている上に サウンドが本当に先進的でカッコよくて、本来ならこれが年間最高のベストソングとして語っているところだった。が。あまりにもそういうことを意識しすぎて 感想をつらつらと述べるとか、その過程をもう通り過ぎてしまったのである。(これは、僕が数年前にハマっていた サザンのアルバム「Young Love」の例と似ている)。

そういう経緯があって、では改めてベストソングとして、プレイリスト的に記録に残したい1曲は何か?と考えた時にしっくりきたのが、昨年リリースされたシングルの再編集版である「超・催眠術」だった。この曲も本当に 聴いたことのない斬新なサウンドで構成されていて、とても圧倒される1曲である。とにかく今年の僕の中での"スター"は、女王蜂であった。何をそんなに興奮してるのか?お知りになりたい方は、是非「十」を聴いてみて下さい(笑)。

 

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段々段々 DOWN
誰でも どれでも どうでもよくなる
きみに 段々段々 DRUNK
たのしいイリュージョン!

 

ゲスの極み乙女。「秘めない私」

今回 上半期編から唯一の再ランクイン。やっぱり何回 聴いてもめちゃくちゃ好きですわこの曲…。 休日課長のベースラインが素晴らしいのはもちろんのこと、 こんなに緻密で面白い構成の曲を作れちゃう上に ジェニーハイとか、indigo la Endとか、同時に動かす川谷絵音って改めて何者なんだ、と。

とにかくこの曲、とてもツボにハマる不思議な中毒性があるし、 最後の1秒まで全てが美しくて、素敵。推したい。

(※ ↑上半期編 記事。こちらの方では、今回 触れられなかったスピッツOfficial髭男dism、King Gnuなどのアーティストの話題も書いてるので、こっちもチェックして頂けると嬉しいです)。

 

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おかしい  おかしい
と思われるくらいがちょうどいい
ハヤブサの様な恋は 猛マッハで猟奇的

 

YUKI 「口実にして」

口実にして

口実にして

アルバム「forme」より。上半期でチョイスした「やたらとシンクロニシティ」は "元号が移り変わる時のタイムリーな感覚が合わさった心救われる素敵な応援ソング"としてレビューしたけれど、改めて今作を見つめてみて 何 選ぼうかな〜とか考えて……これがとても楽しい時間だった。もはやどの曲にしてもいいくらい好きなアルバムで、今年は「forme」に出会えて本当に良かったなぁ…と。で、強いて選ぶなら、前野健太さんが作曲を手がけた「口実にして」かな、という結果となりました。

"マグロ漁船 " "雪の降る競馬場 " "貸した3万円 "YUKIさんが前野さんをイメージして書いたという ピュアなラブソングに映えるこんなパワーワードたちと、あまりにエモーショナルで切ない世界観が絶妙に混ざり合って…なんだか聴いてるといちいち胸にグッと迫るような不思議な感覚があって、泣けてきてしまう。前野さんのことはよく知らないけど、(というかこれから知ろうと思いますが)、とにかく2つの才能同士が"音楽"してる、素晴らしいコラボレーションだと思います。

加えて、途中の間奏で聴こえるトランペットにしか聴こえない音が実はフルートだったりとか、こういう拘り的な面も何回 聴いてもいいなぁ。というか「forme」、全体的に拘りがわんさかあって良すぎ。ますますYUKIさんの今後が気になって仕方ない。


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ずっと言いたかった
私が夜も寝ないで編んだボロボロの青いマフラーして欲しかった
そんなことを
口実にして  口実にして  口実にして
もう一度  あなたに会いたい

 

サザンオールスターズ
   「愛はスローにちょっとずつ」

やっぱりサザンだなぁ…。

今回 ベストソングとして今の自分に必要な音楽を挙げる上で、特に大切に思うミュージシャンは?というのを暫く試行錯誤し、色々な音楽に触れていった後に改めて見つめ直したサザンオールスターズというバンドの偉大さ及び安心感というのは凄くて、自分の人生にとって不動の頂点に鎮座するバンドであると、再度 痛感させられた。そして今年 最新ツアーの鑑賞を通して触れた、「HAIR」「思い過ごしも恋のうち」「栄光の男」…などの素敵な名曲たちと それをパフォーマンスする41年目のサザンは、より温かく、才気に溢れた素敵なミュージシャンだと改めて感じることができ、愛が深まって。

そんな訳で今年リリースの「愛はスローにちょっとずつ」は、「ツアーの中でファンと一緒に育てていく曲」として発表された最新曲。ツアーでの披露のほか、画期的な試みとも言える「桑田佳祐やさしい夜遊び」の"YouTube 生ライブ"でも聴けて凄く感動したし、聴けば聴くほど味わい深く沁みて、サザンらしい最高の夏ギフトだったなぁとしんみり。とてもエモーショナルな気持ちになれる、夏の終わり〜秋が旬の世界観が心を癒して。とても良い。

そして!そんな「愛はスローにちょっとずつ」、なんと今月 急遽 起用が発表された日テレ系のミステリードラマ「ニッポンノワール -刑事Yの反乱-」の主題歌として ついに13日、オンエアがスタート。一見 マッチしていないようでマッチしてる?的 不思議な起用に注目が集まる中、素敵なこの名曲がさらに日本全国に広く浸透していく感じをファンとして体感できる、特別な秋になればイイですね。

     

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揺れる木漏れ陽
海へと続く道を 裸足で駆けた
夏は Kiss me darling

愛はスローにちょっとずつ
黄昏(セピア)に染まるんだ
Oh, yeah  忘られぬ 鳶色の瞳

 
NICO Touches the Walls「3分ルール?」

3分ルール?

3分ルール?

  • NICO Touches the Walls
  • ロック
  • ¥255

'16年以来 3年ぶりのリリースとなったアルバム「QUIZMASTER」収録曲。ポップとロックが突き抜けた あの「勇気も愛もないなんて」から3年…、今作「QUIZMASTER」を何度もリピートしつつ、進化したNICO Touches the Wallsについて再考する…初夏あたりからの自分は、そんな日常を過ごしていた。

というかほんと久しぶりにNICO聴いてて、あ、やっぱりカッコいいな、と思った。今作はなんというか色々とコアめで、コンセプチュアルなロック盤なんだなと。どちらかといえばポップとは違った方向性で、"分かる奴だけ分かればいい"というようなフリーダムな音楽性が炸裂している。そのアルバムの中にしか漂わない、独特の完成された空気感。これぞ名盤なんじゃないか。

不思議なグルーヴ感が癖になる「ulala?」、確かな進化とエッジの効いたロックに浸れる「MIDNIGHT BLACK HOLE?」、NICO的真骨頂バラード「別腹?」 etc… 異彩を放った楽曲群の中で 何度も聴いていて 一際 輝いているように感じたのが、"何気ない日常に情熱が滾る"的な、そんな感覚が描かれている1曲 「3分ルール?」だった。

音楽を聴いている"3分間"、ラーメンにお湯を注いだあとの"3分間"、缶コーヒーを飲む"3分間"…日々の中にある何気ないそんな瞬間が、自分の世界をちょっとだけ良い方向に変えてくれる……この曲にはそんなことが歌われている。これが本当に、じわじわと効いて確実に沁みた…。疲れてる日にこれからずっと聴きたいなぁ。良いな~これ。名曲です。

 

追記:つい先日、NICO Touches the Walls 終了のニュースを聞きました。あまりに突然のことで、とても"あぁそうか"と事態が呑み込める感じではないのだけど…、とにかく、今まで本当に、素敵な音楽をありがとうございました。本当にお疲れ様でした。これからもNICOを聴き続けたいと思います。…と、ここに追記しておきたい。

 

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悲しい噂を笑うような  抗うような
五月雨に踊り出すような
サヨナラ満塁本塁打  狙うような
生意気なギターを弾くんだぜ

 
⑪WONK「Sweeter, More Bitter」

このベストソング記事シリーズでは 定期的に気鋭ミュージシャンについて語っているけれど、久しぶりにとても良き超新星を見つけてしまった。

WONK、今年 出た土岐麻子さんのリミックスアルバム「TOKI CHIC REMIX」で「SUNNY SIDE」のアレンジに参加していて、これが本当に心地良くて "一体どんなトラックメイカーなんだろう?"と思って、tofubeatsみたいな人を想像しつつ調べたんですよ。そしたらまさかのバンドだった。 King Gnuの常田さんと親交あるって話きいて なるほどな~~と。正真正銘、お洒落でカッコイイ界隈の人だ。ほんと、ここ近年の邦楽の気鋭バンドは知性を感じさせる方々がザクザク乱立してて凄い。とても面白い時代を生きてる感じある。

で、肝心の曲はというと とってもグルーヴィーで重低音が聴いてて、繰り返し聴きたい不思議な中毒性を感じさせる。そして何より素晴らしいのが↑このMV。CGだけど絵画のような、なんとも興味深い映像美に魅力されて、再生するたびにこのバンドのことがどんどん気になっていく。2020年、ネクストブレイク 待ったナシ。

 

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Find the new flavor of love

in the light of the sun so bright More bitter

(新しいフレーバーの愛を探そうよ まぶしい光の中に  もっと苦いよ)

Bitter than the death of love in you and me

(君と僕との愛が死ぬよりきっと苦いよ)

 

持田香織「まだスイミー

まだスイミー

まだスイミー

ついに始動!! 日本のドラマで圧倒的な人気を誇る名作「結婚できない男」の13年ぶりの続編「まだ結婚できない男」が放送スタートし、持田さんにより新たに再録された楽曲「まだスイミー」の配信もスタート。色々と盛り上がってまいりました。

とりあえず第1話を視聴して思ったのは、何もかも変わらなすぎて凄い。「まだスイミー」流れるオープニングが、嬉しいことに前作同様の演出でコテコテな00年代感で彩られ、自分は前作を視聴したのは比較的ここ数年なので"懐かしい"とは少し違う感じなんだけど、なんだか圧倒的にエモいような感覚が凄くて鳥肌が立った。し、阿部寛さんも塚本高史くんも、周囲のセットなんかも前作と全く同じで、本当に13年経った?? 時空 止まってたの??って思って。それほど、俳優さんもスタッフさんも素晴らしい技術力が結集しているんだな~と感じて、しみじみとしてしまう。もし気になる方は是非 火曜9時にテレビを付けてみて下さい。ビックリするんで。(宣伝w)

というかやっぱりドラマのオープニングっていいなぁ!!と心から思いましたよ。今年は個人的にドラマ「電車男」を観たばかりなので、00年代にしかないキラキラの音楽と映像で彩られるドラマ演出というのにはなおさら敏感になっていたりして。今秋は、持田さんの清涼感満載の歌声に乗せて、この季節を最大限に明るくしてくれるような気がして本当にテンションが上がってます。加えて今季は 12年ぶりの「時効警察」の続編 × 椎名林檎さんの最新曲のタッグとかも盛り上がってきてるし、とてもドラマで気分を上げられる'19年フィナーレになりそうです。


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かなわずも
失くすことのない
あの日おぼえた 小さなざわめきも
ゆらめいて輝き増すように
日々を泳いだ

もうすぐ君に逢いにゆくから

 

新しい地図 join ミュージック
    「星のファンファーレ」

今夏 一人旅をしている最中、Spotifyでシャッフル再生してたら流れてきた1曲。曲が始まるやいなや、目の前がパッと明るくなるような晴れやかな気分になって 良い曲だなぁと思って、夏の間、旅が終わってからも繰り返し聴いてた。そういう経緯があって、今年はかなりヘビロテの1曲になってます。

なんだろう、とっても懐かしい感じがするんですよね。新しい地図の曲は今までちゃんと聴いたことなかったけど、こんな良い歌を歌っていただなんて。3人だけど、2019年の日本にSMAPがいるみたい。もちろんこの曲を5人の歌声で聴けたらな~と思うけど、それよりもやっぱりこういう素敵な曲が聴けてありがとう、みたいな気持ちが上回るかな。大切に聴き続けたい名曲だと思います。

 

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待ってたって奇跡はドアを叩かない
こっちから迎えに行かなくちゃ
さっきのため息は深呼吸さ

 

H ZETTRIO「Journey」

元・東京事変H ZETT M (ヒイズミ マサユ機)が率いるピアノトリオ・バンド、H ZETTRIO。彼等は今年 "12ヶ月連続シングル配信"を謳っているらしく、この「Journey」は1月1日にリリースされたその記念すべき第1弾 楽曲なのだけど、めちゃくちゃ良いですね。毎月 Spotifyを開けば何かしら"イイな"ってインスト曲が上がってて、再生してるだけでちょっとハッピーになれる高揚感。今年 部屋で寛いでいる時は欠かせない1曲であり、バンドでした。完全にサブスクの特性とがっちりタイアップしてしまっていて、これぞ現代の音楽の楽しみ方という感じ。

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で、これも感想 書くにあたって初めてちゃんとMV見たのだけど、大人も子供も音に合わせ、心から楽しそうに体を動かしていて、なんだかとっても感動した。Wikiに「大人も子どもも“笑って踊れる”」をテーマに掲げるバンド、って書いてあるけど、まさにそのテーマがこの曲のパフォーマンスを以て表現されていて、他の曲のライブ映像も観たくなった。そして、12月までさらに配信される 次なる配信楽曲たちもまた楽しみです。

 

ゴールデンボンバー「令和」

〆にこの1曲!! 今年 彼等が、新元号 発表の日に爆速で完成させたという楽曲「令和」。

今年4~5月頃の自分はというと 割と忙しく立て込んでいることが色々あったせいで、なかなか「元号が変わる→盛り上がる」の雰囲気を体感することが出来ないまま 何となくで"新時代"を意識していたのだけど…。この曲を聴くと何かが変わる。なんだか鳥肌がザワザワし始めて、胸が熱くなってくる。

鬼龍院翔って本当、やっぱり天才なのではなかろうかと。再生するたびになんだかグッとくるものがあって、ある種 今年のベストソング第1位と言える1曲であり、バイト中のインスト有線でも毎日のように聴きまくっているため 今年の個人的"USEN大賞"であるとも言える。

今は我々の人生は自分次第だから
食うも 寝るも 伸るも 反るも
自由自在な時代

ポップなメロディーとか、"ちゅっちゅるっちゅっちゅる~"のキャッチーさとか良いところはたくさん挙げられるけど、やはり1番のポイントは歌詞でしょうね。人々が現代に感じていることとか 不安とかを汲み取って、見事に歌に昇華させ、楽しさに変えている。…って、絶対こんな堅苦しく解説するようなアレではないことは分かってるんだけど、でもなんか、あ~凄いな~~と思ってしまう。

令和という時代。そして自分の生活。今後どうなっていくのか分からないけど、とにかく明るい未来が待っていますように。この曲を聴きながら、そんなことを願う。


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令和  新しい時代
令和  胸は騒めき
令和  ほんの僅かに
残る悔いは未来じゃもう要らない

 

【Extra edition : 今年以外にリリースされた楽曲】

さぁ、ここからは普通のハマりソングについても語っていきましょう。好きな音楽を探すのって、やっぱり楽しいものですね。

 

aiko「KissHug」 (2008)

KissHug

KissHug

今年は花男シリーズを一気見したというのと(「KissHug」=映画「花男F」挿入歌)、数年前にハマりかけてた作品群を通じてもう一度 "エモさ"を取り戻したい!!といった理由で、aikoのアルバムを色々 借りたり昔のフォルダから掘り出してきたりして、怒涛のaikoリバイバル・サマーに浸っていた。ホント、aikoの作品って、基本 世界観 夏なんですよね。"夏髪が頬を切る"とかいうパワーフレーズが沁みて沁みてしょうがなかった。サザンの「TSUNAMI」と並ぶ極上の名バラードだと思う。

 

松任谷由実「星空の誘惑」 (1983)

星空の誘惑

星空の誘惑

アルバム「REINCARNATION」収録。「KissHug」に同じく今年 2019年の自分にとってのベスト・サマーソングですね。こんな良いアルバム、なんで今まで聴いてなかったんだろう…どの曲も演奏がアグレッシヴで熱くて、聴いてて本当に盛り上がるし、中でもこの「星空の誘惑」は至高。ユーミンはほんと名曲が多すぎて、一生 曲漁ってても飽きない自信ある。

 

RADWIMPS「Lights go out」 (2016)

Lights go out

Lights go out

アルバム「人間開花」収録。このアルバムも今年 本当にハマったな~~。打ち込みとシンプルなバンドサウンドが絶妙な割合で混ざり合ったザ・フリーダムなロックが興奮をどんどん掻き立てていって…。RADってやっぱり良いバンドだな。再生すれば、今夏の(楽しいお出掛けでの)移動中、人混みの中でこの曲を聴いていた時の高揚感が鮮明に蘇る。

 

秦基博「Rain」 (2013)

Rain

Rain

  • 秦 基博
  • J-Pop
  • ¥255

新海誠 監督の映画「言の葉の庭」の主題歌となった、大江千里の名曲のカバー。映画自体はそれほど好き!という感じでもなかったのだけど(失礼)、曲がずっと頭の中に残って気になってて、繰り返し聴くうちに沼ズブズブ。大江さんが歌う本家ver.と聴き比べしてみたけど、何故だか個人的に秦さんの方が好き。素敵なメロディーにこの歌声が乗るのが、余りにもしっくりしすぎて"あれ?これほんとにカバー?"って思えるレベル。

 

▪□□□「moonlight lovers」 (2009)

moonlight lovers

moonlight lovers

アルバム「everyday is a symphony」収録。厳密には昨年から熱心にハマっていた曲なので、再ピックアップという感じ。やっぱり、聴いたことのないサウンドの不思議で美しい曲には日々 惹かれてしまうなぁ…。本当に何もかもがド好みすぎて、□□□に出会えたのは奇跡だったな!!と軽く100回以上は感じた。月の下、秋の夜にはこの1曲。

 

星野源「Nothing」 (2018)

Nothing

Nothing

アルバム「POP VIRUS」収録。今更ながら言うと、実のところ「POP VIRUS」は暗めでダウナーな雰囲気のアルバムというか、なんとなく耳にフィットしない感じがして 半年以上はほとんど聴かずに放置していたのだけど、夏あたりからじわじわとハマってきて、夏が終わる頃には完全に"大切な1枚"と言える状態になっていた。「Nothing」良いですよね。ファルセットの歌声により深みが増した 星野源 史上 最高潮・ヴォイスな1曲であり、じっくり堪能できる。

 

NONA REEVES「麗しのブロンディ」 (2017)

麗しのブロンディ

麗しのブロンディ

アルバム「MISSION」収録。これも過去によく聴いてた作品だけど改めて聴いたら…パターンかな。この曲がシャッフルで流れてくると、爽やかさの洪水で溺れそうなくらいの疾走感が体全体を包み込んで、気づいたらそこは天国(?)。西寺さんってやっぱり天才なんですね。感動。

 

電気グルーヴ「カメレオン マニア」 (1994)

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アルバム「DRAGON」収録。曲 貼れない…!けど。やっぱり電気グルーヴはイイ!!! 諸事情により配信が全てストップした今だからこそ、今年は常日頃よりプレーヤーから電グルのアルバムを色々 再生して良さを再発見し、そんな時間を大切にできた1年だったし、90年代の楽曲の完成度が高すぎるのが改めて乙!!。そして「カメレオン マニア」は、絶頂まで踊れる最高のパーティーチューン。さぁ、これから流すので皆様 寄ってらっしゃい。

 

▪ずっと真夜中でいいのに。「ヒューマノイド」 (2018)

ヒューマノイド

ヒューマノイド

  • ずっと真夜中でいいのに。
  • ロック
  • ¥255

こちらも、前述の新しい地図に同じく旅先で聴いてハマった1曲。Spotifyをシャッフルしてるとやはり良いな~というバンドの曲はたくさん出てくるけど、そんな中でも異彩を放ってるというか、圧倒される何かがあって このバンドの今後が気になる。イントロのギターの音 気持ち良すぎ。とりあえず今月リリースの1stアルバムは聴いてみたいな。

 

▪Brian Tyler「Can You Dig It」 (2013)

音楽鑑賞に加えて、今年の自分最大の趣味・ハマっていることは MCU(マーベル)の映画シリーズを「アベンジャーズ エンドゲーム」まで約20作品 鑑賞することであり だいぶ良い感じに観進めてるんですが、そんな中で出会った個人的・興奮最高値の究極エンタメな1本「アイアンマン3のエンディングで流れたサントラ「Can You Dig It」がカッコよすぎて、今年テンションを上げていく上では欠かせない1曲になった。大きな感動を与えてくれる映画も音楽も、自分の生活の中で今後もっと大事にしていきたい。

 

 

以上!!ベストソング &、ベスト"ハマり"ソング10曲でした。今年残りと来年以降も、素敵な音楽にたくさん出会えますように。

今更ながらドラマ「電車男」にハマったという話。【Reboot・'00年代】

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ドラマ「電車男」にハマってしまった。

放送当時は画期的であったであろう、全編アニメーションで制作された素敵なオープニング映像 (…に、エレクトリック・ライト・オーケストラ「トワイライト」が乗る疾走感!!)を何度かネットで見かけるたびに"めちゃくちゃ良いじゃん…ドラマの熱さが詰まってるな…"と思ってて いつかちゃんと観たいな~とは感じてたのだけど、ようやく。調べたら配信がなかったので、TSUTAYA DISCASで2枚ずつレンタルして いそいそとパソコンで再生してます。取り敢えず現在 2話目まで来た。

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内容,ドラマの完成度…色々と好きなところが挙げられるのだけど、まず惚れたのは 画面全体から伝わってくる"楽しさ"が1時間たっぷり溢れているところ。監督・武内英樹(「大奥~第一章~」「デート~恋とはどんなものかしら~」「ルパンの娘」) × 脚本・武藤将吾(「家族ゲーム」「花ざかりの君たちへ ~イケメン♂パラダイス~」「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」)というコメディー作品にもシリアス作品にも定評のある大ヒットメイカが制作陣として並んでいるだけに一々グッとくる部分が多く、2chの世界観をポップに魅せた斬新な映像演出とか、全然 違う場所で行われてる別々の会話が何故かリンクする演出とか、まるでコントのように毎回 主人公が巻き込まれるカオスな災難とかww、何もかもが観てて楽しい。これほんと、各パートで個人的に好きなドラマの史上最高値を獲得してるかも。

そして何より内容として素晴らしいと思うのが、ネット住民たちの熱くて心強い団結力。リアルが心許ない日々に思えても、仮想世界だとなんだかホッとして、泣けてくるくらい優しさに溢れた仲間たちがエールをくれ,集ってくる…この独特の満たされるような感覚を見事に描ききってるのがこのドラマの魅力なんだろうな。なんというか 随所随所にリアリティーが感じられる部分も凄い良くて、主人公が「営業イヤだ…他の部署に回して欲しい…」とか嘆いてるの、就活中の身としては共感しすぎて刺さりまくりなんだが…(泣)。色んなリアリティーが重なって、毎話 必ず最後には涙腺をやられちゃうなぁ。

あといいな~と思うのが、アスキーアートの達人として登場する小栗旬とか、主人公の妹を演じる堀北真希とか、さり気なく登場している豪華なキャスト陣。'05年だから、2人とも花沢類とか野ブタとか 人気キャラを演じるほんの数ヶ月前ってことでしょ……、アッツいな~~この時期のドラマ。フジもTBSも日テレも、'00年代のドラマの雰囲気は熱さが詰まりすぎてて大好き。今 見るとエモい。

そして!1番 涙腺にくるのが音楽!!

なんですかこの素敵なエンディングは。サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」に合わせて、夜の秋葉原駅のホームを貸し切って フェスばりに盛り上がる様は圧巻。これ毎週 流れるのいいな~~~。なんで今のドラマにはこういうエンディングとかオープニングとか流れるのがないんだろう……。ドラマと主題歌と同時に熱く盛り上がれるのって最高じゃないですか。画面の中に閉じ込められた、今は感じることのできない熱気に凄く勇気を貰えます。良い時代。  &、途中途中でかかってるBGMも一々 乙なんですよね。C-C-Bの「Romanticが止まらない」とか、スティクスの「ミスター・ロボット」とか。…そんなこんなで、色々な要素に興奮を掻き立てられながら、見進めていきたいと思ってます。電車男エルメスの恋は如何に…。