静穏の日々

好きな音楽、テレビなどの趣味を気ままに。

名作続々…!! 本当に好きなMUSIC VIDEOをまとめてみた。【邦楽 +α】

MUSIC VIDEO。それは、単なるプロモーション用としての役割だけでなく、楽曲の世界観をさらに追求し、掘り下げるためにとても重要な存在である。そこまで興味の無かった,または詩に込められたメッセージ性をよく理解できなかった曲でも、MVを観ることで深く心に残り,衝撃を与えられたりして。

そんな訳で今回は、隙あらば"監督が~" "演出が~"言い出すMVマニアな僕が、本当に好きだと思うビデオをまとめてみることにします。マニアといっても挙げる範囲が狭いけど。因みに、3年ほど前に本ブログでは、映像ディレクター・児玉裕一監督の作品の魅力に迫る記事を上げてたりしましたが、今回はその延長線的なMV語りになるかと思います。

 

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(※トプ画用にandrop「Voice」 MVからのワンシーンを。後ほどピックアップ)。

 

桑田佳祐白い恋人達

Dir: 丹下絋希  /  2001年

曲への愛も込みで、個人的に最も好きな音楽×映像作品がこれ。フルで初めてちゃんと観れたのが、一昨年のお正月にリリースされた桑田さんのMV集「MVP」でだったんだけど、これがとっても感動して。(下でも色々と挙げるけど) 丹下監督はミスチルの名MVやアートディレクションを多く手がけてたりして、とてもインパクトの強い映像を生み出す方なのだけど、この人の作品は本当に良いな。

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このMVのストーリーは、憂鬱な空気が立ち込める寒い冬の街に、人間には見えない姿をしたピアニストの妖精(?)・ケイスケクワタが現れ、人々の心を癒していくというもの。個人的にハイライトだと思っているシーンが、記者たちがピアノに向かってカメラを構えて、シャッターが点滅している瞬間だけ桑田さんの姿が確認できるという↑この演出。ここが好きすぎてGIFまで作っちゃったし。

なんだろう、たった数分間の映像なのに、まるで数時間ある映画を観ているみたいに奥行きのあるストーリーと世界観。何度 視聴しても咀嚼しきれないほど濃密なこの感じが、完全に好みドンピシャ。このMVのおかげで、元々 好きだった曲がさらに何倍も愛が深まってしまった。まだフルで観たことがない人は、是非「MVP」で確認してみてほしい。

 

桑田佳祐「君への手紙」

Dir: 田辺秀伸  /  2016年

同じく桑田さんのMV。田辺監督は「ヨシ子さん」を始め、「若い広場」、サザンでは「壮年JUMP」といった近年の桑田ワークスのアートディレクションに大きく関わる方であり、カラフルで奇抜な色彩美、またはグッと心に残る独特のカメラワークなど作品によって様々な作風のパターンがあるのがイイなぁなんて思って、定期的に調べてはこの監督の作品を追ってしまっている。ここ最近だとOfficial髭男dism「イエスタデイ」や Base Ball Bear「いまは僕の目を見て」のMVとかを担当しているらしいのだけど、一覧がなくて不便なので誰かWiki 作って欲しい…。

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そんな田辺監督が制作した「君への手紙」のビデオは、思わず息を呑むほどの素晴らしい映像美の中で歌唱する桑田さんが映えており… ファンとしてほんと、ありがとうございます!!と言いたくなるくらい素敵な仕上がり。海、座敷、ビルの谷間、と場面が映り変わる中で 1つ1つのシーンが深く心に残るので、しばらくSimejiの文字盤はこのMVのスクショにしてた。↓ジャケ写も秀逸。

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Mr.Children「エソラ」

Dir: こだまgoen°(森本千絵 ×児玉裕一) / 2008年

祝・フルMV再Up!!①。前述の児玉裕一特集でも語ったけど、このカラフルで甘く蕩けそうなMV及びアートディレクションに本当に心から惚れ惚れしてて。「SUPERMARKET FANTASY」ってアルバムタイトル聞いて ここまで的確かつ美しい画が作れちゃうなんて、パーフェクト通り越して もはや神。

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因みに個人的にはついこの間、DVD「Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」付属のMV集でようやく本MVを入手することができ、久々に素敵なこの映像をお目にかかることが出来て感動した。曲自体が"音楽を聴く素晴らしさ"を表現するメッセージ性が込められている上に、本当に楽しそうに楽器を奏で、大きく躍動する4人の姿…何度 観ても飽きないし、とにかく見蕩れる。

 

Mr.Children「フェイク」

Dir: 丹下絋希  /  2007年

祝・フルMV再Up!!②。「エソラ」同様 この作品を観たことからも激しくMV好きになるきっかけになったんだけど、これは邦楽,どころか世界最高レベルのインパクトを誇る1作なのでは?と思っている。

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初っ端から"何この画面サイズ?"と思いきや、女子高生たちが携帯で盗撮をしているという演出。おまけに顔がトゲトゲのピンク集団。ひたすら"疑念"に満ちた世界観が見事に表現されていて。視覚的インパクト的にも 風刺のインパクト的にも心に刺さりすぎて、初めて観た時めちゃくちゃ衝撃を受けた。

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そしてこのMV最大の特徴が、まるで雑なコマ撮りのようにカクッカクッとゆっくりな動きをしたかと思えば、急にヌルヌルッと早く動くような不規則なリズム感。この感じが,全体に漂う不気味な雰囲気を作り出してる。またGIF作ってみたんだけど、ダメだこれ、ずっと見てると不安になってくるな…。でもこういうの好きなんだよなぁ…。撮る方も,撮られる方も,相当な手間と労力が掛かっている。本当にお疲れ様です,という感じで。

 

Mr.Children「君が好き」

Dir: 丹下絋希  /  2002年

こちらもミスチル×丹下監督のタッグ。窪塚洋介の熱演が話題となった、"ストーリーがスゴい!!"部門 NO.1の1作だ。シンプルで真っ直ぐな曲のテーマに組み合わさった,深い余韻を残すストーリー…何度観ても,心の奥をザワザワと掻き立てられる。

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延命治療のために幼い頃からずっと狭い部屋に閉じ込められ,ガラス越しに惹かれあっていた男女。ある日 突然そこに現れた,桜井和寿 演じる"謎の男"。この男がとった、衝撃の行動とは――。(映画予告風)

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ストーリーの濃さもそうだけど、セットとかビジュアル面からも圧倒的に良さを感じる作品で。好きだなぁ。ここまでの名作を作りあげたアーティスト、俳優、監督、スタッフ…天晴れ。

 

くるり「Liberty & Gravity」

Dir: 田向潤  /  2014年

くるりの作る超奇抜な名盤「THE PIER」からの楽曲「Liberty & Gravity」と、きゃりーぱみゅぱみゅSEKAI NO OWARI などのアートワークを手がける奇才・田向潤 監督による至極のコラボ。

&、2015年のSPACE SHOWER Music Video Awards / VIDEO OF THE YEAR 受賞作。大好きで何度も見ていた作品が"ここぞ"というタイミングで評価されるという,リアルタイムで追っていたMVの中では最も熱かった思い出の作品だ。

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懐かしの歌謡曲のような、民族音楽のような、新しいロックのような、様々な要素が組み合わさって出来た不思議な楽曲の世界観が表現されたこの映像…調和しすぎてて怖いレベル。およそ6分半に及ぶ再生時間の中で めいいっぱいに目まぐるしく動いて踊って闘う(?)アーティスト達の集大成。お見事。

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何転にも切り替わる場面の中で タブレットや背景の大画面が効果的に使用されているほか、この独特の世界観に入り込むというよりは カオスな現場に呆気に取られてたり,踊りを必死そうにこなしていたりする くるり3人の表情に注目するとシュール。

 

Perfume「Magic of Love」

Dir: 関和亮  /  2013年

関監督といえば、2010年にあの名作ビデオ・サカナクションの「アルクアラウンド」を手がけたのを始め、近年の星野源のアートワークなど 独創的かつ大衆的ポップなデザインを次々と世に送り出す 言わば"映像界のヒットメーカー"である。そんな作品群の中で最も監督と関わりの深いアーティストがPerfumeであり、2004年からそのコラボレーションの歴史が始まっていたというのだから驚きだ。

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そんな Perfumeの映像を知り尽くす関監督が'13年に制作した「Magic of Love」のMVは 全作品の中でも集大成と言えるキャッチーさに溢れており、音とダンスとカメラ全体の動きが完全にシンクロし視聴者を惹き付けるというテクニカルな演出が魅力的。

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また、舞い落ちるはずの紙吹雪が上へと舞い上がっているシーンから分かるように、MIKIKO先生 考案の"逆再生ダンス"(本来とは逆の動きで振り付けたダンスをそのまま逆再生しても違和感のないように魅せる演出)が見どころのMVでもあり、キラキラと爽やかな雰囲気なようで実はめちゃくちゃ苦労し,計算し尽くして制作された作品であることを考えると、とても面白い作品だなぁと思う。

 

Perfume「Let Me Know」

Dir: 関和亮  /  2018年

再び Perfume × 関監督。「Let Me Know」は最新アルバム「Future Pop」収録の楽曲で、買った時に特典でMVのシーンを切り取ったポスターが付いてきて本当に楽しかったので、とても記憶に残っている作品。

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ストーリーは、Perfume 3人がバスに乗っていたら突然 謎の光が入ってきたり、鍵を見つけたり、子どもPerfumeが現れたり 次々と不思議なことが起こり始め、果たして彼女たちの行き着く先は…?という,暗に様々なメッセージ性が込められていそうな展開。上質な雰囲気のスタイリッシュ映像が続いた後、最後は3人の台詞とフリートークの中間みたいなワチャワチャが楽しめるという、ファンにとってはお得感満載の逸品である。

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あとやっぱり注目ポイントは、この髪ファサーってなるポージング(?)シーン。こういうのカッコよすぎるし もっと観たい。

 

宇多田ヒカルtraveling

Dir: 紀里谷和明  /  2001年

宇多田さんの元夫であり,多くの映像作品を手がける紀里谷和明の作品。このMVに登場したコスチュームが後にミラクルひかるによって物真似され、さらに有名な作品となったことはご存知の通り。

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いや~~紀里谷監督のMVの世界観 本当に好きだな~~~。ここまで色々な監督の作品を挙げてきたけど,紀里谷監督ほど"毒々しく独創的"な映像を作り出せる天才はいないと思う。宇多田さんが「PVが出来上がってこの歌が何倍も好きになった」とコメントしているのも納得。花人間?のビジュアルは何回 見ても慣れないけど。好きなんだけど、なんかゾクッとする。そこがイイ。あと↓ここ好き。

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山下達郎「FOREVER MINE」

Dir: 丹下絋希  /  2005年

つい10数日前に出会った作品ですね。丹下監督ってこんな凄い作品も撮られていたんだ…!って感動して、今回の記事はそれがきっかけで書こうと思った次第で。達郎さんは曲,映像 共に公式の配信がとても少ないから なかなか過去作には出会いづらい状況ではあるのだけど、そんな中こうしてまたひとつ名作に出会えたのは良い事だな。

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このMVでは、冒頭 "あまりの孤独に、その男は悲しんだ。" というテロップが入り、嶋田久作さん演じる"男"の前にピアノの幻が現れ、やがて,今は亡き妻の幽霊が現れ…という物語が描かれている。嶋田さんの演技が自然すぎて、観始めてすぐに惹き込まれた。(あの"速度制限マン"と同一人物とは思えん…!)。

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妻の幻に連れられ,辿り着いた"地下鉄の中のダンスホール"。そして 夢のようなひとときを過ごした男に、余りにも悲しすぎる結末が…。こんなんありですか!?(T^T) とは思いつつも、やはり一筋縄でない丹下監督の作風に,(良い意味で)心がザワザワした。

で、ドキドキと余韻に浸りつつ色々調べてたら、達郎ファンの方がこのMVについて詳しくまとめてるサイトを見つけて。

以下、会報にて達郎さんが述べたとされるコメントを引用させて頂きます。

僕は基本的にPVの存在意義を認めてない人間なの。ところが今回の場合は、PV監督の丹下さんがとても優れた感性を持っていてね。一回音を聴いただけで、僕の作曲意図の深いところまで理解したんだよね。

最初のコンテは僕がピアノのあそこに座って歌うっていう想定だったけど、僕はそれは出来ないって言ったら、彼は嶋田久作さんを引っ張ってきたの。

嶋田さんも曲を聴いた途端に、僕のあの曲に込めたメタファーを見抜いたのね。監督の丹下さんと主演の嶋田さんは、「FOREVER MINE」を書いた僕の精神的なニュアンスを、ほぼ完全に理解してくれていた。

これを読んで、あぁ,PVって凄いなぁ、本当に重要な存在だよな…と感じて。

ミュージシャンの側からのこういうコメントが聞けるってめちゃくちゃ貴重ですよね。

 

松任谷由実「深海の街」

Dir: 関和亮  /  2019年

ユーミンによる“ネオ・シティ・ポップ”最新曲。「DAWN PURPLE」を思い出す奇抜な顔ジャケに ヒンヤリとスタイリッシュなサウンド…まるでバブル期作品をリアルタイムで楽しんでいるようで、ファンにとって興奮モノの1曲だ。MVは 夜の幻想的な都会の街並みと、情報番組のテーマソングということもあって、様々な社会問題が見えてくるシーンが映像の中に多く取り込まれている。

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で、久しぶりにこういう圧倒されるMVを観て、"こんなハイレベルな作品を作ったのは誰だ!?"と思い調べたら また関監督で、この人 本当に凄いな…と。後半のシーンで次々に出てくるアニメーションは一体 誰が描いたのか、気になる。とにかく、'19年のMVで1番好きな作品である。

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▪ゆず「かける」

Dir: 島田大介  /  2015年

これも何度も観た思い出の作品。くるりの「Liberty & Gravity」でMVAに注目し始めたのをきっかけに"今年1番好きなビデオ"とかそういうことを意識してMVをチェックするようになり、そうした趣味の中でかなり衝撃を受けたのが ゆずの「かける」だ。

島田監督といえば、自分の大好きなサカナクションの「目が明く藍色」やPerfume「スパイス」、嵐「明日の記憶」など あっと驚く斬新なアイデア,デザイン性を秘めたMVを多く制作されている方であり、1つ1つの作品の切れ味が凄い。「かける」では、"文字"の使用を警察が取り締まり,ひたすら"データ"だけで溢れた近未来の東京が描かれていて、そんな街と闘う1人の少女を杉咲花さんが熱演している。

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緊迫した短い数分間の中で、"都会の空から文字を降らす"という 他のどのMVでも観れない独特のシーンをやってのけたこの作品が本当に好き。メッセージ性にもグッとくる。

(余談。たった今 wiki見て気づいたけどこの曲, "beat & rhythm conductor : tofubeats"ってマジか。トーフさんこういう仕事もしてたのか…!)。

 

▪ゆず「LAND」

Dir: 島田大介  /  2013年

同じくゆず×島田監督の作品。とあるサーカス小屋の成長を描くストーリーになってるんだけど、とにかくセットや小物がゴチャゴチャしてて賑やか,ファンタジー感が満載で、後半には村上隆さん描き下ろしのアニメーションが活躍してて。チラリと覗くディズニー映画のオマージュ…最後まで楽しい。

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演奏,歌以外の音が印象的に鳴り響く, "パレード"的な異色の世界観。この不思議でキュートな感じこそ"ゆずらしさ"といったところだろうか。観た事がない人は是非チェックしてみてほしいですね。

 

水曜日のカンパネラ松尾芭蕉

Dir: 山田智和  /  2016年

水カンも名作MVの宝庫ですね。山田智和 監督はコムアイと関わりが深く 水カンのMVを多く手がけていたりして、「ナポレオン」「メデューサ」など変わった演出が特徴のビデオを制作したのを皮切りにどんどん現代音楽シーンの映像界を開拓、'18年には米津玄師「Lemon」、あいみょんマリーゴールド」のMVを手がけ大ヒットを飛ばした。もう数年前の話だけど,よくエゴサをしている方なのか"山田智和"のワードを入れた,監督のMVに言及したツイートをすると御本人からいいねが来たりして嬉しかったのだけど、今も呟いたらいいねをくれるんだろうか…。

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話が逸れた。で、そんな山田監督の名作ビデオの中でも最も印象的かつテクニカルな要素を感じる作品が、'16年リリースの「松尾芭蕉」で。僕はこれを観て、心底"凄い"と思った。前述の「ナポレオン」「メデューサ」のMVをさらに何倍にもグレードアップさせたような、"長丁場の撮影っぽいのに最初から最後までワンカットで一気に撮ったように視える"ビデオで、山田監督はついに「松尾芭蕉」を以て"極まった"のだと感じた。(←誰目線)。例えるなら 映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の手法に似ている。途切れなく続くワンカット(風)映像の嵐…。観てると脳の細胞が痺れる感じがする。

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特に好きな部分が、タイヤが地面を転がり→渋谷の交差点らしき所を通り→突然どこかの港らしき所から海に落ち→同じ場所をコムアイが漂っている→と思いきやトラックの中の水槽っていう流れ。もはや平衡感覚を失う映像トリック。カッコイイ。

 

水曜日のカンパネラ一休さん

Dir: 児玉裕一  /  2017年

"失う事なんて怖くない。全ては消えてしまうから。そうやって生きてきた。あの瞬間までは "――。
爆弾魔の告白から始まる、ギラギラなダンスホールでの恋と悲劇。

いや~~~児玉監督のMVで1番 好きですね。ネオンの使い方含むセットの美しさ, ダンスシーンの弾けるような魅力, 衝撃のストーリー性, どこを取っても抜群に良い "The・児玉裕一的世界観"で目と耳が至福。

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↓虎虎虎,寺寺寺のシーンも印象に残るし、セットの随所に散りばめられた小ネタを探すのが楽しくてたまらん。この美しい空間に自分も混ざりたい。

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androp「Voice」

Dir: 川村真司 ×ショウダユキヒロ / 2013年 

もう5年くらい前になるけど、くるりやゆず,水カン,サカナクションに並んで自分のMVマニアの原点となったのが、珍しいビデオを多く排出してるバンド・andropだった。このバンドのMVは観てると何故こんなにもワクワクするのだろう。久々に聴いてたらとてもカッコよくて、ブーム再燃しそうだな…。

そんなandropの「Voice」のMVは、なんと観客の頭上にメンバーが全員 乗って演奏をするという超大掛かりな撮影を行っており!! 

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いわゆる"ダイブ"というやつ?かなり危険を伴うとも聞く行為だけど、このMVではその感じを逆手に取ったような,めちゃくちゃ楽しそうな"ダイブワールド"に包まれていて。スマホを持ち上げてライトにしたり,ハートの風船で埋めつくしたり,アルファベットを持ち上げてタイトルを作ったり。CG抜きの臨場感と興奮が終始 伝わってきて、めちゃくちゃ良い作品だなぁと思います。

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androp「Bright Siren

Dir: 川村真司 ×清水幹太 ×長添雅嗣 / 2011年

確かandropは、どこかの記事で"「Bright Siren」のMVがスゴすぎる"と聞いて、それがきっかけで知ったのだった。このMVでは、曲中の「思い出にならぬように」という歌詞にちなんで「思い出に残す機械」であるカメラのストロボを使い 光のアニメーションが作成されているのだけど、こんな斬新なアイデア 一体 誰が思いつくんだ!!と。

↓こうしてスクショすると普通のネオンの集合に見えるけど、動画で見ると フラッシュが光った瞬間だけ覗く演者の動きが本当に熱くて感動する。

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↓クライマックスの"光のアニメーション"パートをGIFで。美しい。

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▪嵐「Step and Go」

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Dir: 川村ケンスケ  /  2008年

嵐のMVの中で1番 好きな作品。多数の人気アーティストのMVや,「A・RA・SHI」「SUNRISE日本」「a Day in Our Life」「ナイスな心意気」「ワイルド アット ハート」「Face Down」「Endless Game」「愛を叫べ」など多くの嵐作品を手がける川村ケンスケ監督が'08年に制作した「Step and Go」は、"最高に素敵な魅せ方"に溢れたシーンが満載。ハイスピードカメラで撮影された5人の姿は"美"そのもので、まるでスケート選手のよう。これも早く嵐公式YouTubeでMV出ないかなぁと思うけど、その頃にはもう活動休止していそうな感じがして それはそれで寂しい。

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「「テーマ:俺たちのエスケープ」 」

 

▪嵐「Love so sweet」

Dir: 山口保幸  /  2007年

言わずと知れた名曲。去年・秋 配信曲が解禁された流れで観れるようになった「Love so sweet」MVフル、めちゃくちゃ良き計らいですね~。大好きな作品なのでとっても嬉しい。

本記事での紹介はまだだったけど 山口保幸 監督の作品も本当にお気に入りで、ケツメイシ「さくら」、サカナクション「僕と花」などストーリーの濃さで涙腺を刺激してくる、そんな作風が特徴的な監督だ。

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めくるめくドラマチックな曲展開を見せる「Love so sweet」と共に、愛情たっぷりに描かれる"嵐マネキン"と変わりゆく街の季節。一体 何年が経過してる設定なんだろう…,"僕達は20年以上この街を見守ってきました"的なバックストーリーなのだとしたら、相当エモーショナルな設定だよなぁ。

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↑この,男の子がリーダーの着ていた服を掻っ攫っていくところが何回 観ても好き。表情が絶妙…ww

 

Peter Gabriel 「Sledgehammer」

Dir: Steven Johnson  /  1986年

洋MVおまけ①。「Sledgehammer」は尺八の音が印象的に取り入れられたファンキーなグルーヴ感が癖になる1曲で、'87年のMTVアワードを受賞した、コマ撮り×クレイアニメMVの名作。曲が進むに連れ どんどん"コマ撮りレベル"がグレードアップしていくのが観ていて楽しい。つい何回も再生してしまう。これが全部アナログって凄いなぁ。

 

Michael Jackson「Thriller」

Dir: John Landis  /  1983年

洋MVおまけ②。たぶん知らない人はいない名曲,名作。めちゃくちゃお金かかってる13分超えの短編映画級MVにワクワクするも、大抵のシーンは何度 観ても怖い。"何故そこまで本気出したし!"というくらい濃密なホラー感に心臓がヒュッてなる。疑問なんだけど、何でホラー映画の主人公は敵に追われた時、必ず閉鎖空間に逃げ込むんだろう…。死亡フラグ立ちまくりじゃないか。

 

The Chemical Brothers「Star Guitar」

Dir: Michel Gondry  /  2002年

洋MVおまけ③。"電車の外を流れる景色といま聴いてる音楽が完全シンクロしたら面白いだろうな"という妄想を具現化させた 夢のような名作ビデオ。実際 自分も電車で,たまに聴いてる曲と電柱が流れるリズムが合ったりすると心の中で"うおぉぉぉぉ!!"とか叫んだりしてる。こういうの世界共通なんだなって思うと嬉しい。いつまでもこんなことで盛り上がれる、そんな音楽好きでありたい。