静穏の日々

好きな音楽、テレビなどの趣味を気ままに。

思い出に残った日本の名作ドラマ 総まとめレビュー【2000~2019】

私 何かというと、過去に好きだったドラマのリストをメモ帳に打ったり感想を考えたりする日々をいつも送っているんですが、いい加減キリがないので、これを機に 大好きなものからちょっとうろ覚えな作品まで、片っ端から挙げて感想をまとめてみたいと思います。タイトル前の記号が▫(白)でなく▪(黒)にしてある15作品が、全作品の中でいま特に推したい, 思い入れの強い作品です。

 

TRICK (2000~2014)

第1話

第1話

  • 発売日: 2017/07/15
  • メディア: Prime Video
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ 枠ほか

堤幸彦:監督、仲間由紀恵×阿部寛:主演の、言わずと知れた超・国民的(?)傑作ミステリー。とにかく画面の中で常に何かしらのおふざけが炸裂しているというシュールギャグに定評があり、あらゆる意味で"史上最も好みなドラマだ!"と言い切れるほど多彩で惹き込まれる要素に溢れていた名作だった。色々なネタがまとめられた公式ファンブックが2冊 存在しており、 本棚でずっと大切に保管している。

連ドラ、スペシャル、劇場版…とどれも等しく面白くて良いんだけど、やっぱり「主人公・奈緒子が、不可解な死を遂げた父の謎を解くべくインチキ霊能力者たちに挑む」という一貫したテーマ性のあったシーズン1が至高。ずっと観ていたい。


▫すいか (2003)

すいか DVD-BOX (4枚組)

すいか DVD-BOX (4枚組)

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2003/12/21
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ 枠

共通ペンネームとして夫婦2人で執筆している「木皿泉」先生の作品はドラマファンからとても人気が高く、特にこの「すいか」が愛されている作品だとかで、そんな評判を聞いたのがきっかけで5,6年前に観た。主演は小林聡美さん。4人の女性が集う古い下宿「ハピネス三茶」でのひと夏の出来事が描かれており、行き詰まっている人間にじんわりと希望を与えてくれるストーリーと、どこか懐かしくてエモーショルな雰囲気がツボ。これはドラマというより、長い尺の映画を観ているような不思議な感覚に陥る、そういう作品だな。BGMもセットの美しさもgood。

桃ノ花ビラ

桃ノ花ビラ

  • 大塚 愛
  • J-Pop
  • ¥255


マンハッタンラブストーリー (2003)

マンハッタン・ラブストーリー DVD-BOX

マンハッタン・ラブストーリー DVD-BOX

 

TBS系 / 木曜ドラマ 

クドカンこと宮藤官九郎先生の名作。純喫茶「マンハッタン」の店長(松岡昌宏)からの視点で描かれる、6人の男女の恋の連鎖。「A」赤羽伸子 (小泉今日子)→ 「B」別所秀樹 (及川光博)→ 「C」千倉真紀 (森下愛子)→ 「D」土井垣智 (松尾スズキ)→ 「E」江本しおり (酒井若菜) → 「F」船越英一郎 (本人役)…とそれぞれのイニシャルの順番でラブストーリーが展開されていくが、次第に複雑になっていき…!?という、仕掛けたっぷりのミステリアスな脚本が上手い。毎話 物語の終盤で、無口なはずの店長が登場人物達に恋のアドバイスを捲し立てる(でも皆は店長と気づいていない)のが恒例の展開であり、成り行きでどんどんカオスと化していくハチャメチャさにひたすら酔いしれる。

国民的ヒットを飛ばしたドラマ「白い巨塔」と放送時間が丸かぶりしたため平均視聴率1桁台の結果となってしまったけど、「白い巨塔」は2クール完結の作品だったため 2003年10月期のザテレビジョンドラマアカデミー賞・最優秀作品賞は「マンハッタンラブストーリー」が受賞したというエピソードが好き。


▫大奥〜第一章〜 (2004)

大奥 第一章 DVD-BOX

大奥 第一章 DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 木曜劇場

自分の大好きなサザンの「愛と欲望の日々」とか東京事変の「修羅場」が主題歌だった大奥シリーズって一体どんな作品なんだ…?と思ったのがきっかけで4年ほど前に観てハマった「大奥〜第一章〜」。第1話の前半から"もうこれクライマックスだろ!"というくらい壮絶でエグい映像の連続で、最後の最後までハラハラドキドキして目が離せなかった。そんな中、エンディングでかかるサザンの明るい主題歌がかえって不気味に聞こえてしまうという点もまた乙で。松下由樹さんの演技はまさに"鬼"気迫るもので、素晴らしかったな。

  

▫タイガー&ドラゴン (2005)

タイガー&ドラゴン「三枚起請の回」 [DVD]

タイガー&ドラゴン「三枚起請の回」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TBS
  • 発売日: 2005/03/09
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

宮藤官九郎による、落語の展開と現代の物語を完全リンクさせた新感覚・喜劇が楽しめる名作。長瀬智也岡田准一西田敏行阿部サダヲ伊東美咲蒼井優桐谷健太星野源大森南朋薬師丸ひろ子…贅沢すぎる豪華な俳優陣のハジケた共演もドラマファンとしては垂涎モノ。これは面白いというよりも、ひたすら"凄いなぁ…"と感心しながら観たような気がする。あと胸アツなのが、同じくクドカン作品の「木更津キャッツアイ」では 岡田くんと小日向文世さんは息ピッタリの親子役で共演していたのが、今作では因縁の2人として共演している点。熱い。 このドラマを観る際の注意点としては、連ドラからでなく その前のスペシャルドラマの「三枚起請の回」から物語が始まっているので、それを観てからじゃないと訳が分からないことになる。


電車男 (2005, 2006)

電車男 DVD-BOX

電車男 DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 木曜劇場

昨年どハマりした「電車男」。ドラマ好き目線で振り返ればこの作品は、「のだめカンタービレ」や「デート〜恋とはどんなものかしら〜」など 1話の中でごちゃごちゃにギャグやユーモアを詰め込んだ作品を排出し続ける武内英樹監督の作風の原点って感じだろうか。笑い→笑いときて最後には必ず泣かされる、エンタメ作品としてパーフェクトな構成。オープニング, エンディング共に音楽, 映像美の味わい深さが存分に楽しめる2000年代の作品として最高なのが「電車男」の魅力でもあります。


野ブタ。をプロデュース (2005)

野ブタ。をプロデュース DVD-BOX

野ブタ。をプロデュース DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2006/04/05
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

人気の小説を木皿泉先生がかなり大幅に脚色した大ヒットドラマ。台詞や展開が独特で惹き込まれる木皿ワールド全開の中で 演出もとても芸術的な感じで、個人的にやはりとても好きなタイプの作品だった。ドラマ後半, シリアスさや時に狂気が増していくストーリーの中でも癒しだったのが夏木マリさん演じる教頭と 忌野清志郎さん演じる本屋の主人の存在で。"学園ドラマ"という側面だけにスポットを当てず、"世界は広いのだ"と実感させてくれる雰囲気がグッときて泣けた。「希望の持てるラストにしたい」という製作サイドの意向のもと、原作の展開には沿りつつも明るさに満ちていた最終回も良かった。


花より男子 (2005, 2007, 2008)

花より男子DVD-BOX

花より男子DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

1年ほど前にイッキ見した。割とコテコテに王道・少女漫画という感じで"ありえないっつーの!!!!!"な展開はあったものの、とにかく続きが気になるところでいつも終わるのがこのドラマの面白いところで、最後まで見どころたっぷりだった。特に良いと思ったのが主人公・つくしのメンタルの強さで、どんなに周囲からいじめられても「私は逃げない。どこからでもかかって来なさい。」といい放てるカッコ良さ…これは見習いたいものだな。

 

のだめカンタービレ (2006~2010)

のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)

のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)

 

フジテレビ系 / 月9 枠

最近 観始めたけどやっぱこれ面白いんだな~!。前述の通り「電車男」の武内英樹監督作品。ギャグ漫画的演出を再現する点をとことん追求したらしく、千秋先輩がのだめを殴ったり投げ飛ばしたりするシーンには投げ飛ばされ専用の人形が作られた、との情報がジワる。小さい子供から大人まで、誰が観ても思わず吹いてしまうような"おバカギャグ"的世界観が確立されており、4話の 千秋先輩の家にのだめ,峰,真澄ちゃんが炬燵パーティーしに入って来て, 炬燵ごと放り出しても懲りずに3人が入ってくるシーンとか、現実の映像でこんなファニーな演出が実現できるものなの!?と思って非常にワクワクした。あと超自然に白目+魂が抜けた顔?ができる玉木さんの演技力の幅、凄すぎるぞ…!!

ドラマ終盤では、のだめの過去の話や深い心理描写が描かれ、音楽と真正面に向き合う天才肌の彼女を演じた上野樹里さんの演技に涙腺をめちゃくちゃ揺さぶられて。イイな~この面白さ…さすが人気シリーズ! この後の作品も楽しみに観ていきたい。


山田太郎ものがたり (2007)

山田太郎ものがたり [DVD]

山田太郎ものがたり [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2008/01/09
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ 枠 

夏休みの再放送で2周くらい観た。ほのぼのとした学園ドラマで、ニノ演じる"ビンボー貴公子"な山田太郎と 櫻井くん演じる"セレブ貴公子"な御村くん達との友情が描かれる。学校での素敵な青春ストーリーのほか、山田太郎を取り巻く幼い弟妹たちのストーリーが本当にほっこりして泣けて、全体的に凄い教育上の良いドラマだったな。オープニングで主題歌「Happiness」に合わせてキャスト勢揃いでエアギターしてたあのエモい映像は、今となってはめちゃくちゃレアかも?


▫歌姫 (2007)

歌姫 DVD-BOX

歌姫 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2008/03/26
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

俳優として活躍する傍ら、舞台作家としての才能も持つ宅間孝行(=サタケミキオ)の戯曲を自らドラマ化させたという作品。ネット上では「隠れ名作」との声が挙がることも多く、ヒット作の陰に隠れて こういう面白いドラマがどんどん誕生しているTBS・金曜ドラマ枠はマジで名作の宝庫だな~と思う。

ストーリーは、戦後間もない頃の土佐清水と映画館・オリオン座を舞台に、戦前の記憶を失った映写技師・四万十太郎(長瀬智也)とオリオン座・岸田家の次女 岸田鈴(相武紗季)の恋模様が描かれる。毎話 重厚な昭和の喜劇が楽しめる様はまるで朝ドラや大河を観ているようで、思い出せば思い出すほど"凄いドラマ観てたなぁ…"という気分になる。長渕剛 作詞・作曲のオープニング・TOKIO「青春 SEISYuN」や、エンディングで流れるエリック・クラプトンの「Change The World」も物語の世界観にピッタリだった。ドラマ史に残るであろう感動の最終回は必見。

Change the World

Change the World

 

コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- (2008~2018)

コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 [DVD]

コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 [DVD]

 

フジテレビ系 / 木曜劇場 → 月9 枠

昨年から観始めた。名作だとは分かっていたけど、こんなに感動する作品だとは思っていなくて。1分1秒を争う, "命の重さ"を突きつけられる現場の中で、色んな悲しみに直面しながらも成長していくフェローたち。医者としての心得だけでなく、観ている 日々を生きる視聴者すべてへの問いかけや、家族、人生…色々と考えさせられた。最も感動したのが、シーズン1・10話の、柳葉敏郎さん演じる黒田先生が、息子の治療のために1対1で親子の対話をするシーン。そのシーンが観てて、本当に自分でもビックリするくらいにボロボロと泣けて。悲しいんだけど、その涙が本当に心地よくて、素晴らしい映像体験が出来たなと。この先 スペシャル、シーズン2、シーズン3、劇場版…とまだまだ先の長いシリーズなので、楽しみにちょっとずつ観ていきたいな。

あとこのドラマで良いと思うのが、主題歌のミスチルHANABI」とストーリーの親和性の高さはもちろんのこと、ひっきりなしにBGMとして流れるサントラが本当にカッコよくて。一筋縄ではいかないクールなサウンドに心をグッと掴まれます。

Against the wind

Against the wind


33分探偵 (2008, 2009)

33分探偵 DVD-BOX 上巻

33分探偵 DVD-BOX 上巻

 

フジテレビ系 / 土曜ドラマ

福田雄一監督の名作。犯人が明らかになっており事件解決 間違いない状況下で、探偵・鞍馬六郎(堂本剛)があれこれ珍推理を繰り広げながら33分間その事件を持たせる、というテレビドラマの概念を覆す面白い作品。毎回 決まった流れで一連のストーリーが展開される構成となってるんだけど、これが不思議と飽きない。ツボなのは毎度 探偵事務所を訪れる妙な客とリカコ(水川あさみ)のやり取りと、六郎くんの移動手段が色々ヤバい点と、最後のセルフ・ストップモーション(?)。何から何までふざけすぎで最高。


流星の絆 (2008)

流星の絆 DVD-BOX

流星の絆 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

東野圭吾:原作、復讐のために詐欺師となった3兄妹の絆を描く傑作ミステリーを宮藤官九郎がコメディーテイストを加えて脚本、というかなり実験的だった豪華なドラマ。一見 合わないようで見事に調和してる独特のタッグが素晴らしく、原作にはない追加されたシーンも全てプラスの効果を発揮していて最後まで満足できた1作だった。元々の設定も凄いと思うし、このタッグを企画した人も凄いし、完全にアイデアの勝利だなぁと思う。3人の詐欺に騙される男たちの劇中劇みたいなのが途中に挟まれてて、それがとてもカオスで笑った記憶。主題歌の「Beautiful days」は、ドラマ観た後に聴くと 歌詞への思い入れがグッと深くなります。


ラブシャッフル (2009)

ラブシャッフル [DVD]

ラブシャッフル [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2009/07/03
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

これは本当に面白い。今年 入ってからAmazon primeで全話 視聴したのだけど、本当に良かった。巨匠・野島伸司:脚本、終始ふっと和んでしまうような独特の空気感が漂うコメディータッチが印象的な、大人の"交換"ラブストーリー。じわじわと漂い始める深い心理学的テーマと、浮き彫りになる1人1人のキャラ像…どこを取っても興味を惹かれる展開,台詞ばかり。深くてカッコイイ。このドラマに出てくる人 全員好き。それぞれのストーリーがゴチャゴチャなカオスを巻き起こし、毎話 終盤に必ず主人公・宇佐美(玉木宏)が現代社会に喝を入れる大演説を巻き起こす!!という粋な構成も乙。主題歌は Earth, Wind & Fire 「Fantasy」と The Bangles 「Eternal flame」でお洒落に駆け抜ける。観てるとめちゃくちゃ元気が出てくるな~。自分が心から大好きと思えるドラマ史に、2020年 また1つ新たな1ページが刻みこまれた。あと、サントラのメインテーマが最高に好きで。思わずCDもレンタルした。

Love Shuffle

Love Shuffle


銭ゲバ (2009)

銭ゲバDVD-BOX

銭ゲバDVD-BOX

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2009/05/22
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

松山ケンイチ:主演、岡田惠和:脚本の日テレ土9。昔 観てトラウマになったドラマ。ぼんやりとしか思い出せないのだけど、恐ろしくて,ショッキングで陰鬱な映像の連続ながらも惹き込まれ、テレビに齧り付くように観た思い出の作品。振り返れば、自分の人生で初めてちゃんとチェックした連続ドラマであり このあたりから自分のドラマ好きが始まっていくのだけど、少なくとも小5の男子が何となくで視聴するには刺激が強すぎた1作かもしれない。最終回の、狭くて汚い小屋で爆弾のコードを体に絡めて絶叫し、走馬灯が繰り広げられるというあの絵面は、本当にテレビから映し出されたものだったのだろうか。夢か幻か、あそこまでの怪演をやってのけた松山ケンイチは一体なんなのか。


ザ・クイズショウ (2009)

ザ・クイズショウ 2009 DVD-BOX

ザ・クイズショウ 2009 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2009/08/21
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

嵐の音楽, ドラマに触れるきっかけとなった作品。「銭ゲバ」からの流れで "あれ?今度はバラエティー番組が始まるの?明るいやつ?"とか呑気な事を思いながら初回観たら これまためちゃくちゃ闇が深いシリアスなドラマで面食らったし、この時期, 色んな意味で良い時代だった。櫻井くん演じる「MC-KAMIYAMA」がじわじわとゲストを追い詰め、横山くん演じる本間が神山をじわじわと追い詰め…という結構 精神的にくるタイプのドラマで。回想シーンが大体エグめの映像が入ってくるので怖かった。主人公2人はもちろんのこと、出演している俳優さん皆が全力で難しい演技と戦っている熱さみたいなのが今思うと良かったな。悲しいムードを味わい深くする主題歌「明日の記憶」は何度聴いても良い曲。

明日の記憶

明日の記憶

  • J-Pop
  • ¥255


官僚たちの夏 (2009)

官僚たちの夏 [DVD]

官僚たちの夏 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

佐藤浩市さん、堺雅人さん、高橋克実さん、船越英一郎さん、杉本哲太さん、北大路欣也さんなど、錚々たる豪華な俳優の共演が楽しめる名作。TBS 日曜劇場の偉大な歴史を感じる粋で上質なムードがこの1作に集結しており、日本の全てのドラマの中でも5本の指に入るんじゃないかという完成度。50年代の日本の世相をあらゆる角度から知ることができるほか、壮絶を極める登場人物たちの人生に心をどんどん揺さぶられる。ストーリーの雰囲気的にはどちらかといえば悲しいことの方が多く、最終回も"え?こんな終わり方なの??"というくらいにはThe・壮絶ドラマだったけど、それ故に主題歌のコブクロ「STAY」が本当に沁みたし、感動した。また改めて観たいな~~。DVD BOXを買おうか迷ってる…。

STAY

STAY


華麗なるスパイ (2009)

華麗なるスパイ DVD-BOX

華麗なるスパイ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)
  • 発売日: 2009/12/23
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

長瀬智也×深田恭子コンビのコミカルなスパイドラマ。本当に薄っすらとしか覚えてない記憶なんだけど、やっぱりこの時期あたりは日テレの土曜ドラマは毎クール熱心にチェックしてて、このドラマみたいに結構 遠い記憶だけど当時 楽しくみてたな~~という思い出のある作品はかなりあった。「サムライ・ハイスクール」とか、「デカワンコ」とか、「ドン★キホーテ」とか、「高校生レストラン」とか。超・日テレ大好きっ子だった。

で、中でも印象に残っていた「華麗なるスパイ」の記憶としては、なんかすっごくカオスなドラマだったよなぁ…っていう。最終回のあの、地球の温度が上昇しすぎて滅亡しそうだから皆で水撒きしようみたいなストーリー…だったっけか?凄い笑った覚えがあるんだけど、もう1回観てみたいなぁアレ。


▪JIN -仁- (2009, 2011)

JIN-仁- DVD-BOX

JIN-仁- DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

言わずと知れた名作。ここ4年くらいで配信サービスを使って後追いで観たドラマ作品の中ではダントツに濃密な印象を焼き付けてくれた凄まじい1作で、こんなドラマがあったのか…!?と未だに驚いてしまう程。医療モノ×時代劇×SF……従来は交わらないはずのジャンルを見事に組み上げ、完結まで2シーズン・計22話を使って"タイムスリップ"の謎をスパッと解いて最高のフィナーレを迎えたこの作品の後味の良さ…これを越える衝撃ドラマには2度と出会えないでしょう。人生最高のドラマと言ってもいいかも。

心を大きく揺さぶられるようなダイナミックな雰囲気の演出とは裏腹に、様々な重たい繊細なテーマを扱っているため、出演している俳優さん方全員に 非常に難しい演技を課せられているような張り詰めた空気が画面から伝わってくる気がして、特に主演の大沢たかおさんを始め、坂本龍馬役を演じた内野聖陽さんや、麻生祐未さんは本当に心配になってくるくらい体を張った名演をなさっていて、真の感動というものをそこで味わった。西郷隆盛役を演じた藤本隆宏さんの演技もとても印象に残っているなぁ。こんな心に残ったドラマこそもう1度観てみたいものなんだけど、長いしめちゃくちゃ時間取らないと完走できないので、いつかまた。


警部補 矢部謙三 (2010, 2013, 2017)

episode1

episode1

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ 枠ほか

ドラマ「TRICK」の人気キャラクター・矢部謙三を主人公にしたスピンオフ作品。「TRICK」シリーズの劇場版のプロモとして同時展開されたシーズン1・シーズン2に加え、2017年には配信限定でオリジナルエピソードが追加されて。それがここ数ヶ月でようやくAmazonプライムに来てたので観たんだけど、やっぱり最高だ。これぞ究極の愛すべき馬鹿。

この↑配信用パッケージの矢部がめちゃくちゃカッコつけてるの、知らない人から見たら"コミカルなドラマの主人公とはいえ少しはカッコイイところ見せてくれるキャラなのかな?"と思うかもしれないじゃないですか。マジでただ仕事サボってるだけだからなこの人。なのに、何故か成り行きで事件をどんどん解決しちゃう強者。強運。ある意味で、最強の"カッコイイ刑事"なのか…?

 

うぬぼれ刑事 (2010)

うぬぼれ刑事 DVD-BOX

うぬぼれ刑事 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2011/02/02
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

刑事といえば、忘れちゃいけないこの男。脚本:宮藤官九郎 × 主演:長瀬智也の黄金タッグで実現した、極上のコメディードラマ「うぬぼれ刑事」である。実は個人的に、長瀬くんの演じた役の中ではこれが1番好き。優しくて、惚れっぽくて、愛嬌があって、ちょっと泣き虫で。良いキャラなんですよね。あぁ、面白いな~!っていう絶妙なラインばかりついたクドカンワールドが広がる名作ですね~~。

毎度 主人公の刑事・うぬぼれ(名前?)は1人の女性に恋をするんですけど、その人が偶然いつも追っている事件の犯人で、泣く泣く逮捕せざるを得ない…というシンプルだけどめちゃ面白いストーリー。で、その犯人を各回 演じる女優さんというのが、加藤あいさん、蒼井優さん、戸田恵梨香さん、薬師丸ひろ子さん、小泉今日子さん、小雪さん etc… 皆 宮藤官九郎作品に出演したことのある豪華な面々であるという!! マジでこのドラマは、クドカンファンのための最高の"お祭り"。なかなか実現しないであろうこの貴重な祭りの模様を、是非 目撃して下さい。


Q10 (2010)

『Q10』DVD-BOX

『Q10』DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

木皿泉さん脚本、平凡な高校3年生の深井平太(佐藤健)と女の子の姿をしたロボット(前田敦子)の恋を描いたSF群青劇。この作品、観ていた当時は特に何も思わず時間が過ぎていったドラマだったんだけど、木皿さんが好きになってからまた観直そうということで一昨年の年末にイッキ見してて、それでハートを撃ち抜かれたっていう時間差でグッときた作品なんですよね。木皿作品としてはたぶん1番 静かな雰囲気で地味な印象を受けるかもしれないんだけど、観てる時の心を掴まれる感じがピカイチで、とにかく泣けます。主人公2人の演技力の高さはもちろんのこと、脇を固める俳優陣が蓮佛美沙子さん、賀来賢人さん、高畑充希さん、細田よしひこさん、柄本時生さん、池松壮亮さん、福田麻由子さん…っていう日本のトップレベルの実力派若手俳優が集結してるのがアツすぎる。高橋優さんの主題歌も良い。

ほんとのきもち

ほんとのきもち

  • 高橋優
  • ロック
  • ¥255

 

11人もいる! (2011)

11人もいる! DVD-BOX

11人もいる! DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • 発売日: 2012/04/07
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ 

宮藤官九郎 × 金曜ナイトドラマ!!深夜枠だからこそ実現した、超~ぶっ飛んでて、超~ふざけてて、でも実は超~真面目なホームドラマ。8人の子供を持つ貧乏な10人家族の長男(神木隆之介)の奮闘と、亡くなった母の幽霊(広末涼子)と五男・才悟(加藤清史郎)の交流などが描かれる。全体的な家族劇としてのテーマ性や、毎話クローズアップされる子供たち1人1人の問題、そして最終話の意表を突かれるシリアスな展開など、ふざけてる中にも真面目なテーマにちゃんと切り込む深さがクドカン節炸裂。でも印象に残ってるのはやはりふざけてるシーンの方で、広末さんと清史郎くんの会話劇は本当に面白かった。飛び出すワードの大体が下品でしょうもないけど(笑)、何故だか凄くほのぼのとしていた。クドカン作品の中では「あまちゃん」、「マンハッタンラブストーリー」の次に完成度の高い作品だと個人的に思っている。今思うと星野源の劇中歌も良かったな。

 

▪ブラックボード〜時代と戦った教師たち〜 (2012)

ブラックボード~時代と戦った教師たち~ DVD-BOX

ブラックボード~時代と戦った教師たち~ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2012/09/05
  • メディア: DVD
 

TBS系 / スペシャルドラマ

連ドラじゃないんだけど、とても思い入れの強い作品なのでこのレビューに追加してみました。「ブラックボード」は、日本の教育の諸問題にスポットを当てた とても心を揺さぶられる作品。2012年の春に3夜連続で放送され、1日目のテーマは「軍国主義」(1944年 - 1947年)で嵐・櫻井翔くんが主演、2日目のテーマは「校内暴力」(1980年)で佐藤浩市さんが主演、3日目のテーマは「学級崩壊」(1980年 - 1990年代)で松下奈緒さんが主演、それぞれ鮮烈に、歴史のままに事実が描かれた。櫻井くんの日はリアルタイムで観ていて、松下さんのは いつかのお昼の再放送でやっていたので観て。どれも、"ここまで残酷に描くのか?"というくらい主人公が辛い時代と戦う姿が描かれていて、特に3日目の「学級崩壊」は冒頭からいきなり主人公が自殺未遂に追い込まれるほど辛い目に遭っていて、戦争や暴力が横行していた時代よりも悪化していた'80年 ~'90年代の教育の在り方とは何だったのか…?と深く深く考えさせられた。

そして、2日目の作品だけを観ていなかったことに気づいた2017年の春に観たので3作品ともコンプリートできたのだけど、やはり浩市さんの演技は本当に凄かった…。「校内暴力」の時代で対峙する"不良生徒"の問題の中で、その生徒を演じた志田未来さんと教師である浩市さんの"演技を通じた深い対話"というのがこのドラマ全てのテーマとしての核となる部分だと思っていて、たぶん学園モノとして描かれたドラマの中では、一生忘れられないくらいに心を動かされた演技がそこに詰まってたと思う。テーマソングとして流れた平原綾香さんの「BLESSING 祝福」を再生するたびに、色々なシーンを思い出して涙ぐんでしまうという…, 本当に良い映像体験が出来ましたね。また、こんな気持ちにさせてくれる作品に出会ってみたいものだなぁ。

Blessing 祝福

Blessing 祝福


東野圭吾ミステリーズ (2012)

東野圭吾ミステリーズ Blu-ray BOX

東野圭吾ミステリーズ Blu-ray BOX

 

フジテレビ系 / 木曜劇場

自分が読書の魅力に取り憑かれて、東野圭吾の作品の全制覇に勤しみつつ 本棚にズラリと並んだ東野作品の背表紙を見てウットリする日々を送っていた最中、絶好のタイミングで放送された最高のオムニバスドラマ。当時 雑誌の新ドラマ一覧を開いて本作の情報が記載されてるのを見た時、あまりの嬉しさに幻覚かと疑ったほど喜んだのを覚えている。

ドラマの完成度はそれはもう素晴らしいもので、「再生魔術の女」の鈴木京香さん、「白い凶器」の戸田恵梨香さん、「小さな故意の物語」の三浦春馬さんなど、原作の展開,設定に忠実に沿った再現度の高い映像に加えて 間違いなく原作超えだと思えるインパクトの強い俳優さん方の演技力に感動した。映像化不可能だと思われた第6話の「シャレードがいっぱい」では、映画監督・CMディレクターの石井克人さんが演出を担当し 独特の映像表現で原作の世界観を見事に再現していたのも熱かった。放送された年に買った原作小説の1つ「あの頃の誰か」は何年経ってもずっと宝物ですね。思い返せば、このドラマには自分の好きなものの大体が詰まってたな。


ゴーストママ捜査線〜僕とママの不思議な100日〜 (2012)

ゴーストママ捜査線 僕とママの不思議な100日 DVD-BOX

ゴーストママ捜査線 僕とママの不思議な100日 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/01/23
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

夏休みの鑑賞にピッタリだった、母子のハートフルなホームドラマ仲間由紀恵さんが主演、生瀬勝久さんが出演しているほか、演出、脚本、と"チーム「ごくせん」"な制作陣であるため、とにかく終始 安心感が凄かった。温かな物語に毎週 涙腺を刺激されたし、ゴーストママの仲間さんと息子のとんぼ役を演じた君野夢真くんとのやり取りも息ピッタリで泣ける泣ける…凄い素敵なドラマだったなぁ。仲間さんは近年はシリアスな大人の役が増えてるけど、個人的にはやっぱり、この作品のような明るくて可愛らしい役を演じているところが観たい。テレビ局(事務所?)の方々はそこのところ、もう少しご理解頂けないだろうか(?)。

 

▪PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜 (2012)

PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~ DVD-BOX

PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~ DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 月9 枠

主演:木村拓哉 × 演出:鈴木雅之の「HERO」タッグで放送された月9ドラマ。会社の陰謀により冤罪をかけられ ドン底に堕ちたサラリーマンが0からお金の大切さを知っていくという、シリアスさとコメディーが入り交じった斬新なストーリーで放送当時から気になっていてちょくちょくチェックしていたのだけど、結局ちゃんと観る機会がなくて、8年越しでこの間 FODで最初から観始めた。いやはや、やっぱりめちゃくちゃ面白いドラマだし、ローリング・ストーンズが流れるオシャレなエンディングが懐かしすぎて泣けた…。

2012年前後って本当 色々とフジテレビドラマの情報にリアルタイムで敏感になれてた時期で、楽しかったな~って。あと個人的に、木村くんの連ドラをちゃんと観ようとするのが実は今回で初めてのことなので、楽しみに観進めていきたいと思います。

 

泣くな、はらちゃん (2013)

「泣くな、はらちゃん」DVD-BOX

「泣くな、はらちゃん」DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: DVD
 

日テレ系 / 土曜ドラマ

このドラマのことを思い出すと、自然と (*´○`)o¶♪ "世界中の敵に降参さ、戦う意志はない"っていう子供たちの歌声が脳内再生される…。岡田惠和さんの書き下ろし脚本、長瀬くんが主演を務めたファンタジー作品。このドラマはとても心に残っていて、事ある毎に僕が"岡田さんの脚本が好きだ"と述べる所以はこの作品にある。ストーリーは、ヒロイン(麻生久美子)が描く漫画の主人公(長瀬智也)が実体化して現実の世界に現れ、創造主でもあるヒロインに恋をするというお話。子供向けの可愛らしい作品かと思いきや、物語が進むにつれ死生観や家族愛など様々な重いテーマが描かれていき、それ故に出演されてる俳優さん方全員の熱い演技のぶつかり合いが楽しめたのが印象に残っている。(菅田将暉くんを知ったのもこのドラマからだ)。最終回の、もう終わらないで欲しい!!というくらいドラマチックなあの感覚は忘れられない。ただ、このドラマ全体の細かい魅力まではだいぶ忘れてきているため、"思い入れの強い作品"というよりは、"もう1回観て色々と確かめたいことがあるんだけどなかなか機会がない作品"として脳内にカテゴリーされている。

ちなみにこの作品は、読売を取っていた当時に懸賞でこのドラマのオリジナルクリアファイル(可愛らしいイラストが描いてあるもの)と劇中に登場したデザインのノートが当たるというのがあって、ハガキで応募したらそれに当たり、2品をゲットすることが出来たという…そういう意味でも好きな作品として記憶に残ってたりします。


あまちゃん (2013)

連続テレビ小説 あまちゃん 総集編 [DVD]

連続テレビ小説 あまちゃん 総集編 [DVD]

 

NHK系 / 連続テレビ小説

宮藤官九郎:作、ヒットするべくしてヒットした、語れる要素が多すぎる名朝ドラ。個人的にドラマ好きになる上で転機となる作品は色々あったけど、今みたいに本格的にドラマというものを愛せるきっかけとなったのはやっぱり「あまちゃん」からかな。

タイトルの通り 東北の三陸を舞台に海女の魅力が描かれるのに加え、主人公のアキ(能年玲奈)が友達のユイ(橋本愛)との交友をきっかけにアイドルを目指し始める展開から開幕する"東京編"。時に壊れる友情、家族間の問題、仕事を通じて巻き込まれるトラブルまで…様々なテーマを交えながらもハチャメチャにコミカルさに溢れた芸能界の人々の話と,そこに飛び込んでいくアキと,アキの周囲の人々全員の話が目まぐるしく描かれていく。

"水タク"の愛称で人気が出た異色キャラのマネージャー・水口琢磨(松田龍平)を始め、48グループを彷彿とさせる設定に秋元康っぽいプロデューサー・太巻(古田新太)や、なんとなく高橋みなみっぽい熱いキャラクターの入間しおり(松岡茉優)など現代のアイドル界のイメージがリアリティーたっぷりに描かれるのに対して、実際の曲や映像も多様された80年代アイドル編では、アキの母であり過去にアイドルを目指していた経歴を持つ春子(小泉今日子)=(若き日の春子:有村架純)の事や、アキが憧れる大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の話などにも本当に惹き込まれて、この物語中盤の時点で"こんなに面白いドラマが他にあるだろうか…?" という感動に震えた。

物語終盤では、こうしたアイドルの話と共に、実際に発生した東日本大震災の事、震災直後の日本の状態や、復興に伴う"日本のエンタメに出来ることは何か?"というテーマまで描かれ、ドラマの終わりが近づくにつれ ここまでに挙げられた全てのテーマが複雑に絡み合い心を揺さぶるという構成に。

また、1話1話に細かいネタやトリックが仕掛けられた脚本が話題となり、"1日に4度 観ないと気が済まない"との声まであった視聴者人気が"あまロス"という社会現象ワードが付くに至るという本作の浸透度は、もう只々納得だなと。歴史的名作。


家族ゲーム (2013)

家族ゲーム DVD-BOX

家族ゲーム DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 水曜ドラマ 枠

前述の「銭ゲバ」同様、"あの絵面は本当にテレビから映し出されたものだったのだろうか"と自分の記憶を疑いたくなるほど衝撃的だった名作ドラマ。思い出せば思い出すほど どうしでこんなに凝りまくった名作が誕生してしまったんだろう…と思うけど、冷静に考えて 演出:佐藤祐市(「ストロベリーナイト」「大奥」) × 脚本:武藤将吾(「電車男」「3年A組-今から皆さんは、人質です-」) × 音楽:本多俊之(「マルサの女」「ニュースステーション」テーマソング担当)って、マジで"鬼才"の集まりだったんだろうな~と。櫻井翔くん、神木隆之介くん、浦上晟周くん、板尾創路さん、鈴木保奈美さん…皆 凄まじい迫力の怪演を魅せてくれるのに加え、細部まで作り込まれた独特の映像が魅力的な世界観と、希望と絶望が入り交じったThe・ジェットコースター!!なストーリー…作り手の個性が強すぎる1時間に、なんだかもう目がチカチカした。良かった。

このドラマのハイライトは、後の方の話であった、家族全員 精神がぶっ壊れて 皆で家の中をめちゃくちゃに破壊してるシーン。あれは、過去の'82年版、'83年版も踏襲してるものなのかな?よく知らないんだけど、あのシーンがテレビから流れた時の異様な感じが本当に凄くて、間違いなく日本の映像史に残る名シーンなんだろうなと思う。というか、ゴールデンタイムによくぞあんなにエグいシーンを放送なすった。天晴れだ。

遊戯

遊戯


クロコーチ (2013)

クロコーチ DVD-BOX

クロコーチ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2014/04/02
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

三億円事件」の真相を仮説として描き、長瀬くんが悪徳警官・黒河内圭太を演じて話題となったクライム・サスペンス。これ、本当に斬新なドラマだったな……,てか「はらちゃん」と同じ年に放送されたドラマだったとか改めてマジすか!?って感じ。長瀬くんの演技の振り幅が凄すぎる。実際の事件を元にこのドラマで描かれたのは、罪と罰、正義と偽善、そして目を奪われるような"エログロ"な世界観…。いわゆる"汚い悪"みたいなものを淡々と描いていく本作の中で、黒河内の相棒役を演じた剛力彩芽さんの体当たり演技も見事だった。ドラマの盛り上がりとしては、2話,3話あたりでもうクライマックスか!?というくらいストーリーの展開にハラハラさせられて、毎話 凄まじいサスペンス劇に惹き込まれ、そして割と最後までどうにもドロドロとした感覚が残って、後味が悪いという…。でもそこがいい。癖になるというか、絶妙だった。

なんて言うか、2013年って本当 "芸術の年"だったって思うんですよね。テレビという媒体を通じて、もう二度と出来ないような実験的な事に思い切り挑戦して…とか そういうのがグッと詰まった1年だったように思う。良かったなぁと思う反面、同時にこうして過ぎ去っていった時間の儚さを実感する…。

 

▫ペテロの葬列 (2014)

ペテロの葬列 DVD-BOX

ペテロの葬列 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2014/12/26
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 月曜ミステリーシアター 枠

宮部みゆき先生:原作、身近に潜む犯罪を鮮烈に描いた人気シリーズ「杉村三郎シリーズ」のドラマ化。"月曜8時"という早い時間の放送だったけど、作品全体の重厚感、俳優さん方 皆の素晴らしい演技など、高い完成度を誇る映像に仕上がっており、日曜劇場とか金曜ドラマ枠で放送されたらもう少し話題になっていたんじゃないかとか、放送当時から"勿体ない"との声が多く挙がっていた名作だったりする。

物語は、第1話から"2時間枠"の長丁場でバスジャック事件の様子が迫力たっぷりに描かれていて、バスジャック犯を演じた長塚京三さんの名演にとても引き込まれた。2話以降はその事件から広がる影響や社会派なテーマが毎回 提示されて…細かいところまではあまり思い出せないのだけど、とにかく最後まで本当に良いドラマだったんですよ。最終回のラストで「to be continued」って出たのが嬉しくて未だに続編の映像化を待ってるんだけど……色々と難しいんですかねぇ。やってほしいなぁ。


▫Nのために (2014)

Nのために DVD-BOX

Nのために DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

6人の男女の10年間を描いた「純愛ミステリー」。長らく 個人的"人生のトップ5作品"に入っていた名作ドラマだ。近年のTBS金曜ドラマ枠でしばしば組まれる 原作:湊かなえ × 演出:塚原あゆ子 × 脚本:奥寺佐渡子 × 音楽:横山克の黄金タッグで実現した本作は、小豆島や瀬戸内海の絶景と都会の情景が対比された圧倒的な映像美(各回 主にタイトルバックに仕掛けが施される)、時系列, 人物関係が巧みに入り組んだ高度な脚本、出演している俳優陣 全員の熱すぎる演技のぶつかり合い etc… 様々な魅力が視聴者から支持され、視聴率は高くなかったものの、2014年末のザテレビジョン ドラマアカデミー賞の賞を総なめするという結果を収めた。

元々こういう重い感じの作品は自分の嗜好の範囲内ではなかったのだけど、第1話からビックリするくらい惹き込まれて、観れば観るほど魅力が見つかって、本当に満足だな~と思える3ヶ月をリアルタイムで過ごせたのがすこぶる良い思い出ですね。ただ、トップ5に"入っていた"というのは、昨年 Amazonプライムにて本作を久しぶりに観ようと思ったのだけど、やっぱりなかなかのボリュームだし "もう2周目は無理だな"と思った結果、こういうドラマが大好きだった時期の思い出が年々薄れつつあることに気づいたからで。こんな風に、段々と記憶の片隅で消えそうになってる名作ドラマの"情熱"というものを再度 引っ張り出すためにも、今回のレビューは非常に有意義なのではないかと思う。


素敵な選TAXI (2014)

素敵な選TAXI DVD-BOX

素敵な選TAXI DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 火曜ドラマ (火10) 枠

脚本:バカリズム × 主演:竹野内豊のタッグが話題となった、一話完結形式のタイムスリップモノ。この作品で分かる脚本家・バカリズム先生の才能というのが素晴らしいもので、毎話 コミカルで愛おしい会話劇と、予想を超えてくる感動のSFドラマが楽しめて、ずっとこの物語を観ていたい!!と思ってしまう魅力がこのドラマにはあって。(特に好きなのはスペシャルドラマの「湯けむり連続選択肢」)。そんな巧みな脚本の良さはもちろんのこと、今作をこんなにもキュートでスタイリッシュな映像に仕上げたのは筧昌也 監督の功績である。この作品のほかに監督しているドラマ「ロス:タイム:ライフ」や世にも奇妙な物語の作品「美女缶」「PETS」を観てもらえれば分かると思うんだけど、どの作品も凄く監督独自の視点で個性が出ていて、ファンタジーで泣ける「選TAXI」っぽい世界観が楽しめるので、是非ともオススメしたい。

あたしの向こう

あたしの向こう


▪デート〜恋とはどんなものかしら〜 (2015)

デート~恋とはどんなものかしら~ DVD-BOX

デート~恋とはどんなものかしら~ DVD-BOX

 

フジテレビ系 / 月9 枠

"リアルタイムで観た中で最も好きだったドラマは?"と聞かれれば真っ先にこの作品を挙げる。殿堂入り済の名作。上の方で述べたけど、これが武内英樹 監督のキュートでギャグ漫画的な演出が映えてる作品として最も良いな~と思うドラマで、脚本は「リーガルハイ」「コンフィデンスマンJP」など仕掛けたっぷりのサプライズ脚本でお馴染み古沢良太 先生。いま思えばこんな天才同士のタッグ、面白くない訳がないのだけど(というかこれから先またこのタッグが実現しようものなら興奮で倒れるレベルなんだけど)、それらの事実をよく知らずに"なんか面白いな~なんでだろう~ めっちゃ凄い。"と思いながら観てたあの頃の感動は、本当に新鮮で良いモノだったなって。もはやパッと振り返ることが出来ないほど毎話 仕掛けやネタが多かったのは、細かいところまでは思い出せないけど本当に良い思い出で、総じて忘れられない3ヶ月だった。出演している杏さん、長谷川博己さんを始め 魅力的なキャスト陣の方々…皆さん可愛い。可愛い世界観に入り込んだ名優たちの可愛らしいやり取り。好き。最高。感謝。


天皇の料理番 (2015)

天皇の料理番 [DVD]

天皇の料理番 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズ
  • 発売日: 2015/11/27
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

TBSテレビ60周年特別企画として放送された('80年版, '93年版に次ぐ)本作3度目の映像化。監督:平川雄一朗 × 脚本:森下佳子の「JIN -仁-」スタッフ達が再集結し、間違いなく"2010年代 史上最高レベルのドラマ"と言えるであろう上質さに溢れた名作となった。個人的にはリアルタイムで確認する機会がなく後追いで全話視聴したのだけど、本当に素晴らしい作品だったな。佐藤健さん演じる"やんちゃ青年"・秋山篤蔵が料理人を志し、失敗続きの下済み時代も乗り越え、パリへ渡り、成長後 日本へ戻り、歳を重ね…長い長い期間に及ぶストーリーの中で笑って泣いて、叫んで、転んでも立ち上がって…目まぐるしくパワフルな篤蔵を見事に演じきった俳優・佐藤健、凄すぎる。放送中は鈴木亮平さんの体を張った演技が話題になっていたりしてそれももちろん凄かったのだけど、個人的には佐藤健の演技のあまりの迫力に、それこそ"体は大丈夫?倒れない?"って心配になるレベルだった。だって結構、(森下先生の脚本だとありがちなんだけど)試練の描かれ方がエグいというか、演じる俳優さん自身が真っ向から辛い試練だとか、時代にぶつかって行く様が感じられて、それがもう最終話の最後までしんどくて、本当に大丈夫なのかな?って。だからこそ、それらの辛いことを乗り越えた時の感動がまた凄くて、嗚呼 観て良かったな~と泣けるんですよね。

夢見る人

夢見る人


▪美女と男子 (2015)

美女と男子 DVD‐BOX 1

美女と男子 DVD‐BOX 1

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2015/12/09
  • メディア: DVD
 

NHK系 / 火曜ドラマ「ドラマ10」 枠

仲間由紀恵さんと町田啓太さんがW主演を務めた、全20回にも及ぶ最高の"芸能" "人生"喜劇。これもリアルタイムで観てて本当に熱かった作品で。まずオープニングでかかる浜崎あゆみの主題歌「Step by step」に合わせて、仲間さん町田さんほかキャストが揃って歌ったり演奏したりしてるMV風のカットが最高で20回観ても飽きなくてずっと観ていたかったし、芸能界の厳しさに、演技の奥深さに、予測不可能な恋物語に、グッと噛み締めたくなる家族愛に……長いストーリーの中で登場するテーマの全てが愛おしく、美しい……そんな大切な時間が流れていた。というか、このドラマの仲間さんは特に本当に好きだった。好き度が更新された(?)。また観たいなぁ~。これもDVDボックス買おうか迷ってる候補。

Step by step

Step by step


▫民王 (2015)

民王 DVD BOX

民王 DVD BOX

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 金曜ナイトドラマ

入れ替わりモノとして近年 最も成功を収めたと言える人気作。この時期というともう個人的に色々なドラマのスタッフとかクレジットを気にし始めた頃で、原作:池井戸潤、監督:木村ひさしで脚本が「SPEC」の西荻弓絵さんとか絶対 面白いじゃん!という、そういうことを放送前から分かってて観始めて、で実際 本当に面白い作品で大満足だったという。話数も8話で簡潔だし、とてもコンパクトに風刺と笑いが上手くミックスされた秀作ドラマだった。あまり詳しいところまでは思い出せないけど、スペシャルドラマ版で各国の偉い人が幼児化したとかで(うろ覚え)、そのシーンのカオスさでなんか腹がよじれるくらい笑った記憶。政治ドラマでこんなに笑えるってどういうシチュエーションだよっていう。あ~ なんか、Amazonプライムで全話ちゃんと観れるようになってるし改めて観たいと思ってるんだけど、なかなか機会がないよなぁ。時間に余裕が出来たら絶対 2周目したい。


▪99.9 -刑事専門弁護士- (2016, 2018)

99.9-刑事専門弁護士- DVD-BOX

99.9-刑事専門弁護士- DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2016/10/05
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 日曜劇場 枠

めっちゃ好きな作品。監督:木村ひさし、トリック監修:蒔田光治と、あの名作「TRICK」を彷彿とさせるスタッフ陣が贈る、小ネタだらけのコメディー × 情熱 =法廷ドラマ。本当にこのドラマに関してはセット,画面全体に散りばめられた小ネタとかギャグがてんこ盛りのセリフとか、ストーリーはしっかり真面目で泣けるのに、そこに至るまでのプロセスが割と集中できないくらいカオスで面白いのが定番で、なんかもうこの感じってほぼ「TRICK」じゃんという。1番好きだったネタが、主人公・深山がダジャレを言う→事件が解決するという設定を元に、シーズン2であった、深山のダジャレを阻止した結果 事件が迷宮入りしそうになった回。あと面白かったのが、競馬の「咲雷賞」(=櫻井翔)など セットにこっそり隠される嵐メンバーに関しての小ネタ。あとは、レキシこと池田貴史さんの小料理屋の壁の"歴史メニュー"が毎回めちゃくちゃ凝ってたり、その店に その回のゲストに因んだ小物とかCDが置いてあったりとか、色々と手が込みすぎ(笑)。この番組のスタッフほんと凄いわ。 ドラマ自体のストーリーだと、シーズン1で解決しなかった深山の過去の話がシーズン2の第2話で解決したりして、その時の松潤の演技が本当に素晴らしかったりとか。良かった要素が本当に多くて、あ~なんかもう1回みたいな~と思うし、嵐が活動休止に入る前にまた嵐 主題歌でシーズン3やってくれないかな~と思うし。楽しいドラマですよ。


トットてれび (2016)

トットてれび DVD-BOX

トットてれび DVD-BOX

 

NHK系 / 土曜ドラマ

「世の中なんだか、徹子さんが足りない。」をキャッチコピーに、黒柳徹子さんの半生を綴ったドラマ。「あまちゃん」の演出で知られる井上剛 監督 × 自身を「筋金入りの黒柳徹子ファン」と公言する脚本家・中園ミホさんの豪華タッグで放送された本作は、本当に色んな愛に溢れた、素敵な作品だった。

満島ひかりさんが黒柳さんの姿, 声, 表情, 仕草を完璧に再現し、「夢であいましょう」など日本のテレビ番組の創世記を目まぐるしくキュートに描いていて、大友良英さんの音楽とか、毎回 ミュージシャンをゲストに挟まれる歌のコーナーとか、なんというか終始キューン!♡としてしまうようなドラマで。渥美清さんを演じた中村獅童さん、森繁久彌さんを演じた吉田鋼太郎さん、向田邦子さんを演じたミムラさん、坂本九さんを演じた錦戸亮さんなど…皆さん本当に素晴らしい演技で、実際に自分が60年代を生きていたんじゃないかと錯覚するほどリアリティー溢れる再現が確立されてて。いつかまた観ようかな。

 

▫オトナ高校 (2017)

オトナ高校 DVD-BOX

オトナ高校 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/03/14
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 土曜ナイトドラマ

2017年10月期より新設された土曜ナイトドラマの第1作として放送された作品。新設枠の1作目なだけに放送前から制作陣のコメントが熱かったりして、「“超カッコ悪いオトナ”になってしまった主人公たちが、恋愛を通して、やがてSEX以上に大切なことを学び、成長してゆく物語」というテーマの元、ふざけてる様で実は真面目な、「大人のお遊び開放区」的な演劇が実現していたという意味でまさにナイトドラマ枠の原点回帰という感じがした。三浦春馬黒木メイサ高橋克実… シリアスあるいはスタイリッシュな演技を普段から魅せていた俳優さん方が今作で対峙したのは、とにかくコンプレックス!恥ずかしい!大人を曝け出す様。「オトナ高校」という場所で笑って泣いてを繰り返し、ちょっと"青春"していく様子まで描かれた本作を主題歌で高橋優は"人は醜い そして愛しい"と歌った。周回遅れの青春ラブストーリー。なんか熱い。

因みに、この作品の監督を担当したのが後に「おっさんずラブ」で大ヒットを飛ばすことになる瑠東東一郎 監督。「TRICK」や「矢部謙三」で深夜帯のドラマを手掛けて以降 後に日曜劇場の監督をするにまで至った木村ひさし監督のように、瑠東監督が手掛けた日曜劇場枠のドラマというのもいつか観てみたいよな~と思っている。


監獄のお姫さま (2017)

監獄のお姫さま DVD-BOX

監獄のお姫さま DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/03/23
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 火曜ドラマ 枠

宮藤官九郎 脚本、出演者に小泉今日子さん、森下愛子さん、猫背椿さん、塚本高史さん、尾美としのりさん……って「マンハッタンラブストーリー」か!!という。これは、7年か8年に1度くらいのペースで行われる、クドカンファンのための最高の"クドカン祭り"であった。女子刑務所モノなのに何故かほのぼのしてる、何故か笑える、"現在"と"過去"を行き来する巧みな脚本にやられる、シリアスな側面(復讐劇)にはバッチリ泣かされる、、紛れもなくこれは正真正銘"The・クドカンドラマ"だ。特別 話題になっていた感じもなく、リアルタイムでの印象だと"サラッと流れるように駆け足で通り過ぎていった作品"なイメージだったけど、こうして振り返ると間違いなく自分の大好きなタイプのドラマとして歴史に刻まれていて、あぁ良かったな~~という。またクドカン祭りやって欲しい。

 

▫アンナチュラル (2018)

アンナチュラル DVD-BOX

アンナチュラル DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/07/11
  • メディア: DVD
 

TBS系 / 金曜ドラマ

「逃げ恥」を大ヒットへと導いた脚本家・野木亜紀子 先生の書き下ろしで、ここからさらに米津玄師「Lemon」という名曲を印象的に劇中で使用して国民的ヒット、野木先生の作品は何かと縁起がいい。このドラマ、本当に面白かったのだけど個人的に魅力に気づくのが遅くて、最終回間際になって配信でそれまでを4日くらいでイッキ見して、そんな短期間で観れてしまうほどの中毒性を引き起こすくらい魅力的なドラマなのだけど、急いで観すぎてほとんど細かい部分を覚えていないという(汗)。確実に語れる魅力的な要素としては、石原さとみさんと市川実日子さん2人の"女バディーもの" "女の友情"的世界観(=ハリウッド映画っぽくてイイ)、そして先に述べた「Lemon」とストーリーの親和性。この2点にハマりすぎて、続きも気になるし、イッキ見は不可避だった。この春からはまた野木先生の最新作「MIU404」が放送予定で、綾野剛さんと星野源さんのバディーものが始まるとか…。楽しみすぎる。


ヒモメン (2018)

ヒモメン DVD-BOX

ヒモメン DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: DVD
 

テレビ朝日系 / 土曜ナイトドラマ

Twitterほか様々なメディアで話題性を集める漫画家・鴻池剛先生の原作、窪田正孝くんと川口春奈さんがW主演のドラマ。安定のハチャメチャテレ朝ナイトドラマ枠!!な作品で、この時期の土曜ナイトドラマといえば 前期の「おっさんずラブ」のブームが凄くて なんとなく「ヒモメン」はそんなブームの影に隠れてしまったような感じがあるんだけど、非常に面白いドラマで、観てないと勿体ないぞ!!と声を大にして言いたいエンタメ性に溢れている。脚本を務めたのはコメディーの名手・森ハヤシ先生と江頭美智留 先生、ナレーションを務めたのが「ちびまる子ちゃん」でお馴染みキートン山田さん。とにかく色々良かったですこのドラマ。ナイトドラマ枠、熱い。


昭和元禄落語心中 (2018)

NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」(DVDボックス)

NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」(DVDボックス)

 

NHK系 / 金曜ドラマ「ドラマ10」 枠

ここ数年の個人的"ドラマ視聴"史の中では圧倒的にデカいトピックだった。雲田はるこ先生の全10巻にも及ぶ巨編!!な原作に僕はとてもハマっていて、いつかドラマ化されるんだろうなぁと思ってたけど、同時に"こんな難しい作品を実写化するのは無理だろうな"とも思っていた。なんか如何なる情報もネタバレになりそうなので詳しいことは言えないけど、リアリティー溢れる人情喜劇が魅力的な一方で、結構 実写化不可能っぽいシーンが多い(あるいは, 実写の映像にしてしまったら魅力が失われそうな)難しい話なんですよ。まず話が長すぎて10話に収まると思ってなかったし、無理に収めようとして 緻密に積み上がってる全てのピースが崩れてしまう恐れがあったり。でもそれは杞憂で、これが本当に素晴らしい完成度だったのだ。原作にないシーンも所々あったけど、気にならないくらいに自然で、何よりも主演を務めた岡田将生さんの演技が本当に圧巻だった。まさか青年期から晩年までを全て1人で演じるとは思っておらず、歳を重ねて段々と浮き彫りになっていく有楽亭八雲の心の揺れを、見事に表現なさっていた。また、"実写化不可能"と思った理由の1つに 観客を虜にさせる八雲の"色気"というのがあったのだけど、こちらも申し分無し、パーフェクトで。なんかな~~、こんな上から目線な感想になっちゃって申し訳ないんだけど、とにかく凄まじい再現度に感動したんですよ。本当にとてもオススメしたい作品なんだけど、なかなかどう薦めたらいいかも分からないもので、とにかく気になったら是非 観て欲しいな~みたいな、そんな感じ。

マボロシ

マボロシ

  • ゆず
  • J-Pop
  • ¥255


みかづき (2019)

みかづき [DVD]

みかづき [DVD]

 

NHK系 / 土曜ドラマ

去年から今年にかけては主に過去作を視聴するのに時間をかけてるのでなかなかリアルタイムでの作品はチェック出来てないのだけど、そんな中でもちゃんと全部観て"好きだったな~"と思えた2019年作品を挙げるならこれかな。永作博美さんと高橋一生さんが夫婦役、森絵都さんが原作、現在 放送中の朝ドラ「スカーレット」を執筆している水橋文美江さんが脚本、様々な名作ドラマの音楽を担当する佐藤直紀さんが全編を彩った素敵な作品。このドラマでは、主人公の夫婦2人が日本の塾経営の歴史を動かし、歳をとるまでの長い人生が全5回の間に描かれているのだけど、10回構成のドラマ作品に負けず劣らずの大ボリュームなストーリーで、本当に"あぁ~いいもの観たなぁ~"という気持ちで満たされる。全てが素敵な演技、映像で。エンディングのMV風のカットもめちゃくちゃオシャレで。NHKドラマはこういう素敵な名作が入れ代わり立ち代わり放送されていてつい見逃してしまいそうになるので、定期的にチェックしていきたいものですよね。今後も、グッと感動する、良いドラマに出会いたいな。