静穏の日々

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アルバムレビュー・サザンオールスターズ 「さくら」 〜 祝・発売20周年!! 邦楽史に残る愛と混沌のロック。

やって来ました10月21日!

サザンオールスターズ40周年 かつ 「さくら」発売20周年。記念すべき1日ですね!!

「さくら」マニアとしては恐らくサザンデビュー記念日よりもテンションが上がってるこの温度感。何もせずにはいられない。ということで今日は、5月に投稿したサザン70曲レビューの「さくら」パートから、既に書いてる11曲の感想の修正+残りの5曲の感想を加筆した、完全版「さくら」レビューをここに残したいと思います。よろしくお願い致します。


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①NO-NO-YEAH / GO-GO-YEAH

開始早々 ハードロックなサウンドが興奮を掻き立てる、アルバムの世界観に瞬時にして引き込まれる絶妙なスタート。若干 泥臭さを感じさせるようなストレートなロックなのかと思いきや、ドラムに 打ち込みと生音が切り替わる仕掛けが隠されてたりとか 凝り感満載でロックしてる感じ、サザンって最高だな〜!と思わせられる最大の要素だ。

歌詞は英語と日本語の口語表現を掛けた 桑田さん曰く「言葉のパッチワーク」らしく、”配せど ”” i said ”に聴こえたり”話題の” ”what time”に聴こえたりだとか、桑田さんが作り続けてきた和洋折衷で磨かれたセンスが尖るフレーズ達の”ラスボス形態”みたいなこの曲から感じさせるのはもう、シンプルに”The 芸術”と言い表すより他はない。

ちなみにこの曲、制作当時 同じビクタースタジオにコバタケさんがいたのでアドバイスを依頼し編曲に加えた、なんていうエピソードがあるのも粋。音を楽しんでる大人たち、カッコイイなぁ。

 

②YARLEN SHUFFLE 〜子羊達へのレクイエム〜

最高のストレス発散曲。これも風刺色が強い曲だけど  どちらかといえばオシャレ度の方が強くて、刺激が強い歌詞が多くありながらも聴いてて結局 元気が出てきてしまうという面白さ。トランペットとシンセサイザーの音にアクセントが効いてて、ノリノリ感MAX。ジャンルはジャズ×ダンス×ロックの間って言うのかな、もうなんだろう、本当に大好きすぎるんですよこの曲。

高校時代、下校時にまず最初に再生する曲がこの曲だったので サザンの曲の中で最も思い入れのある曲と言っても過言ではないくらい大好きで、疲れを→ノリノリに変換するためのジェネレーターとして重宝しまくった。

曲のイメージとしては完全に、終電で帰る夜の疲れたサラリーマンの脳内。もし自分が広告プランナーになったならば、真っ先にビールのCMソングに起用したい。もうこんなカッコイイ曲がテレビから流れてきたら、最高オブ最高でしょう。サビの” 君〜よ↑ サラバ↑☆サラバ↑ 夢⤵︎☆ドリーム↓〜♪ Sweet ↑ Sweet,↑ Da-ba-da ⤵︎⤵︎⤵︎ どうか Never⤴︎  die!!〜♪”は本当に絶妙な中毒性メロすぎて、こんなの、きっと全ての人を元気づけてくれるに決まってる。オアシスを求める現代人のための、スカッとしたクールな現代風刺ミュージック、それが”子羊達へのレクイエム”…。

 

③マイ フェラ レディ

フェ、フェ✖…?//  …なんて伏せてる場合でも恥ずかしがってる場合でもない。これはエロ曲だけど、お洒落なジャズが本格的でレベルが高すぎて、もはやエロ曲に聴こえない1曲。昼下がりに表参道辺りを歩きながら聴くのに適してると思う。

この曲を突破しないと「LOVE AFFAIR」に辿り着けない曲順っていう この”試されてる感”が最高なんだよな…。はっきり言って ここで深いサザンファンになれるかどうかが左右される気がする。(ちなみに父にこのアルバムを勧めたところ、ここで脱落していた orz)

ちゃんと歌詞を読みながら聴くと ”飲ます精で ちと鼻炎” なんて うわ・・・凄いフレーズだな…というかどんな状況??(;(;(//̀Д/́/););) なんて赤面してしまうけど、普通に聴いてたら本当にスペイン語か何かにしか聴こえない。実際 本当に、最初 聴いた時は”さすがにこれは日本語じゃないでしょ?”って思ってた。ノマッセーデディドビェン的なフレーズだと思ってた。まさかの日本語っていう衝撃。”増えると いい子 丸刈りだ ” は何度聴いてもフェトイーコ・マルガリータだし、”俺知らんど 裂け目見えるど ” はオ・レ・シャンドーレ・サフェーネ・メルドだし。でも改めて歌詞ちゃんと読んだらちょっとやっぱり、完成度が高すぎるな…。一体どんな脳みそしてたらこんな歌詞が書けるのか。全くもって、天才というものは恐ろしい。本当にそう感じる。

まぁきっとタイトルを言わなければ、ピュアな乙女に聴かせてもこの曲がエロいことなんぞバレない。多分。

 

④LOVE AFFAIR 〜秘密のデートf:id:fuurintakino:20181020183314j:image

デビュー20周年の時にリリースされた、言わずと知れた大名曲。サザンの曲で1番好きって人も多い人気曲で、かくいう僕も一二を争うくらい大好き。間違いなく、全ての曲の中で最もロマンチック。だって最初 聴いた時”不倫”がテーマの曲だって知りませんでしたもんね。何でこんなにロマンチックなんだろ…魔法にかかったようなトキメキを感じる。

疲れて帰る時もこの曲さえ聴けば、癒しの果てへ誘われて疲れなんか一瞬で取れちゃいますもの。高校時代からずっと帰宅時の最上級の癒しソングですし、恐らくこの先もずっと自分をときめかせてくれる最高の歌。 嗚呼、音楽って本当に素晴らしい。

数年前 横浜を訪れた時に 近くの港に停まってた船に”マリーンルージュ”って書かれてたの見た時の衝撃は半端じゃなかった。うぉぉぉぉぉこれが噂のマリンルージュ!!!「LOVE AFFAIR」じゃん!!っていう。いつかこの曲の横浜聖地巡りはしてみたいものだなぁ。

 

⑤爆笑アイランド

タイトルの感じじゃ一見 分からないけど、凍りつくようにクールで皮肉で刺激的、でも快感!な最強風刺ロック。”サザンのカッコイイ風刺曲は?”と問われたならば、答えるのはまずこの曲でしょ。打ち込み音とギターの混ざり合いの心地よさは、このアルバムの中でもNO.1の魅力。

やっぱり90年代末期の日本のロックサウンドって、どこか常軌を逸したような雰囲気があるんですよね (それはサザンに限ったことではなく)。どこまでも混沌としてるような、感情を失ったような、言い表しようのない不思議な感覚と同時に迫り来る快感。やっぱ '98年の邦楽って最高すぎて好みドンピシャなんだ…。

当時の小渕首相の演説をラップにしてるってところとかほんと、この刺々しさこそサザンって思うんですよね。「真夏の大感謝祭LIVE」でのパフォーマンスはカッコよすぎて震えたな〜。生でこんなカッコイイ聴けたらきっと興奮で倒れることになりそうだし、かなり危険。でも聴きたい。

”ッオーーイ!!!”って掛け声、一緒に言いたい。

 

⑥BLUE HEAVEN

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記念すべき40枚目シングルとなった1曲だけど 心無しか”隠れ名曲”という感じがする、聴けば聴くほど新たな魅力に溢れてる不思議な曲。ポジション的に「爆笑アイランド」と「CRY 哀 CRY」というガッツリロックしてる2曲に挟まれて、より一層この曲の魅力が引き立って聴こえるのでこの辺は必ずノンストップで流れるように聴くのがお決まり。なんだろう、上手く言えないんだけど何か”切なオシャレ”なんですよね。

この頃のサザンにしかない、ちょっとスピリチュアルで不思議な 美しい魅力が詰まってると思う曲の例を挙げるならまさにこれ。とにかく聴いてて心地よくて、桑田さんの歌声が愛おしくて。こういう癒し曲が入ってるっていうのも「さくら」が1番大好きである大きな要因である気がする。まさに鮮やかな青のジャケ写がこの曲のイメージにピッタリ。

因みに、ラストのうっすら聴こえる語りの声は未だに気になるところなんだけど、調べたところによると どうやら「あなたがいたから、今もこうして生きていける。天使が消えた愛なき道を。」と言っているそうで。こういうニクイ演出も、芸が細かくて楽しいんですよね。

 

⑦CRY 哀 CRY

シングル「PARADISE」のカップリングとなった曲。暗く異様な雰囲気が漂う、かつ奇抜な、これぞプログレッシブ・ロック期サザンの真骨頂。

”白たへの”  ”恋ひめやも” ”ぬばたまの” など日本の和歌、百人一首に準えた”和”のフレーズに、サビの「CRY…! 哀…CRY……!!」から急加速する”洋”なハードロック要素……やっぱセンスレベルが高すぎて震えますわ。これが安心と信頼のサザンクオリティー

”よろず能艶たる美  千代に天照らす舞 ” のところなんて英語にしか聴こえないし…もう何か聴いてて、恐るべき才能に魂を吸われそう。最初聴いた時 腰抜かしましたよ。実際、一部の演出で 赤ちゃんが狂ったように泣き叫ぶサウンドが入ってるっていうのもあるけど、全体的な音の演出面 含めて実際ちょっとこの曲は”恐ろしさ”を感じたりもする。でも同時に爽快感っていう、感覚としては「Computer Children」に近いような感じ。大好き。何度聴いても褪せない、やめられない魅力。まさに電子ドラッグ。

 

⑧唐人物語 (ラシャメンのうた)

そして、「CRY 哀 CRY」の狂気を感じるような 後を引く恐ろしいサウンドで曲が終わると同時に間髪入れずにこの曲の幻想的な世界観が幕を開ける…この一瞬こそが、「さくら」の中で最も絶妙かつ魅力的に輝くハイライト。

タイトルの「ラシャメン」とは”異国人に身を売った者を迫害する”という意味があるらしく、歌詞では 江戸時代末期に実在した芸者“唐人お吉”こと斎藤きちの人生が描かれてるとか、単純に、あまりにも濃密に作り込まれた曲の構成や実際の背景などの ぐっと奥行きある雰囲気…もはや聴き手の感情が追いつかない完成度だ。原さんの温かい歌声で重いテーマに切り込み、音楽として落とし込むという手法は「ナチカサヌ恋歌」(「Southern All Stars」収録)でも取られていたけど、アルバムでこういうものを”表現”する才能って凄いな!って心底ゾクゾクしちゃうし、やっぱり桑田夫妻の才能って素晴らしすぎる…。

で、内容についてのコメントはというとやっぱり少し難しいのだけど、”泣けば花散る一輪挿しの 艷な姿は春の宵 桜舞い” という部分からの美しさと残酷さが伝わってくるような雰囲気には何か胸に迫るものがあって、もう少しこの話の詳しいことを改めて学んでみたい、と思ったりします。

 

⑨湘南SEPTEMBER

ひたすらプログレ・ロックで攻め続けるアルバムなのかと思いきや、突如現る 初期のサウンドを彷彿とさせる、厚みのある楽曲でハートせつなく…。

wikiによると ”サザンの湘南というイメージをセルフパロディ化する形で作られた、桑田作品の中で「湘南」がタイトルに登場する唯一の曲”らしく、突然こんな曲入れてくるか〜!っていう予測不可能なワクワク感でいっぱい。あらゆる良さが詰まっての「さくら」であることを、この曲で特に実感してしまう。

もうイントロから どこか懐かしくも愛おしいような、不思議な魅力で満たされてて、”甘くせつない 雨は子守唄 ”〜♪のところで雨音がサーッ…って鳴ってるのが聴こえた瞬間 咄嗟に涙腺がやられるのがお決まり。

実在する茅ヶ崎の老舗サーフショップ ”GODDESS”が歌詞に登場しているのを始め この曲、茅ヶ崎・湘南エリアを旅する際に聴きたいと思う要素が満載で、昨秋、いてもたってもいられず 実際に9月に湘南へ訪れ 現地でこの曲を聴いて参りまして。もーーー最高の気分でしたね。こんな素晴らしい曲があって良かったなぁ…と心から思うのでした。

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⑩PARADISE

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'98年7月リリースのシングル。ちょうど自分が生まれた頃あたりに出てた1曲てな訳ですが、そういうのってなんか良いですよね。元から大好きな曲であるがゆえ、より一層の親近感。

この曲、打ち込みが主体だったりダンスミュージックっぽかったりと 雰囲気的には少し「愛の言霊」とポジションが被る気はするのだけど、この曲はもっと混沌さが増してるというか、まさに日本の世紀末・邦楽の独特なオーラがパッケージされてる感じが好みドンピシャ。こういうポジションの曲が入ってるってことを考えてもやはり「さくら」は絶妙に好みをついてくるアルバムであることがよく分かる。

サックスの音が最高に気持ちいい間奏を挟んでからの、北原白秋の詩を基にした原坊のラップ ”空が真っ赤に萌えている…” の部分は特に恐るべきセンスと狂気を感じて鳥肌が立ちまくり。やっぱり「さくら」辺りの桑田さんのセンスは本当に”どうしたの!?”ってくらい神がかってて怖いくらいなんですよね。

wikiによると”核問題をテーマにしている”らしく、確かに今まで意識せずに聴いてたから改めてしっかり歌詞を読み取ってみたら凄く胸に迫るものがあるのだけど、もう全部引っ括めて桑田さん天才すぎる、カッコイイ!って言ってしまえるんですよね。というかそれしか言えませんよもう。

 

⑪私の世紀末カルテ

6分半越えでひたすらにネガティブな桑田さんの想いが体感できる、ソロの「孤独の太陽」期や「どん底のブルース」にも通じるところがある サザンの楽曲としては貴重なポジションの1曲。めちゃくちゃネガティブだけど 何か教訓的な、リアルに刺さるようなフレーズたちに素晴らしさを感じてしまうのはやっぱりもうファンを完全に極めた証拠なのかなw なんて思うんですけども。

…とか言いつつ、ほとんど外で「さくら」を聴いてる時なんかは若干 再生を躊躇う曲だったりもします。深すぎてしんどすぎて。浮気をしてる男目線での ”満員電車のビショ濡れ窓から我が家の屋根を見て 今夜のために昨夜と違った言い訳さがしてる  誰も知らない場所が欲しい それなのに 愛をブラ下げてホロホロリ” とかもう絶妙にリアルすぎてグサーーですわ。疲れてる時にこれはアカン。余裕のある時に思う存分 桑田イズムに浸ろう。

 

⑫SAUDADE 〜真冬の蜃気楼〜

サウダージ。というとあの情熱的なポルノグラフィティの曲をすぐに想像してしまうけど、それは一旦 置いといて単純に改めて ”SAUDADE”の意味を調べてみると”郷愁、憧憬、思慕、切なさ などの意味合いを持つポルトガル語” らしく、まさにサブタイトルの”真冬の蜃気楼”が表す通り、冷たい冬の景色を描くような 管楽器が魅せるサウンドが絶妙。

曲調はボサノバ調らしいけど、和風な雰囲気も合わさった感じがほんのりと匂ってて なんとも言えない魅力のポップソングに落とし込まれてるのが良い。流れるように聴いてしまう。

真冬の道で黄昏て聴くもよし、温かい部屋で珈琲でも飲みながら聴くもよし。

 

⑬GIMME SOME LOVIN' 〜生命果てるまで〜

SMがテーマのエロパート。エロなんだけど、ガッツリとハイレベルなポップロックとことん史上最上級に作り込まれたサウンドに徹してるこの感じ、やっぱり「さくら」は熱い。

エコーのかかった不思議な質感のボーカルにどこか浮遊感を演出してて、ロックというジャンルに留まらないものが繰り広げられてるワクワク感がgood job。この曲も流れるように聴いてしまうので極めてあっという間な数分間である。最後の終わり方が歌詞,サウンド共にめちゃくちゃカッコイイな〜。人間としてあるがままでいたい。生命の果てるまで。

 

⑭SEA SIDE WOMAN BLUES

名曲オブ名曲。上で「湘南SEPTEMBER」を”厚みある楽曲”と表現したけど、この「SEA SIDE WOMAN BLUES」はもっと、更に更に重厚な、グッと作り込まれた美しい名曲だと思うし、こんな良い曲がポンッとさり気なくアルバムの中に入ってていいのか!? シングル曲じゃないのか!?と思う、そんな1曲。

テーマは”失恋”。1人の主人公がある人に失恋して、”渚橋” ”片瀬川”など実在する湘南の地名も織り交ぜられながら、悲しみの中 1人歩く様が描かれているけれど、もうこれが切ないのなんの。切なさに溢れすぎてまさに ザ・センチメンタル!って雰囲気なのだけど 、同時に 聴き手的に感じる気分はどちらかといえば「切なさ<愛しさ」だったり。これはやっぱり、悲しささえも音楽の力で幸せなものに変えてくれる”桑田マジック”なのかな。

実際 失恋した男が夜の湘南を1人トボトボと歩く姿を想像してみて……明かりが灯り艶づく片瀬川の風景を見て……心做しか、ちょっとだけ慰めてくれてるような、元気が出てくるような、そんな気分になると思うんですよね。なんていうんだろうこの曲、世界観としては「古の風吹く杜」「君にサヨナラを」とか後の桑田ソロの作風に繋がるものがあるんじゃないかなと思う。

この曲 前からかなりお気に入りではあったけど、Twitterでいつもお世話になっているフォロワーさんがこの曲について愛を語っているレビューを読んでから、さらに自分も愛が深まったんですよね。”愛という字は真心で 恋という字にゃ下心” というフレーズに驚いたと語られていたけど、恥ずかしながらそれ、今まではっきりと意識しては聴いていないもので、時間差での衝撃が凄くてですね。えっ、そこ、あっ!!?? 名フレーズじゃん……!!!(鳥肌) みたいな。

文字の造形を恋愛に準えてフレーズを紡ぐなんて、単純な原理ではあるけど、なかなか出来ない発想。少なくとも僕は、そういう言い回しは聞いたことがなかったんですよね。深すぎるし、考えさせられすぎるし。もう、サザンで知る”オトナのラブソングの世界”って感じ。また一つ、大人の階段上りましたね。嗚呼、スローなギターの音色が今宵これまた一段と沁みる…。。

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↑”艷づく”片瀬川の写真。こちらの方のブログから引用させて頂きました。

 

⑮(The Return of) 01MESSENGER 〜電子狂の詩〜 <Album Version>f:id:fuurintakino:20181020183503j:image

いよいよ終盤!最高潮の盛り上がりへと誘われる最強! キングオブ・デジロック!!

この曲聴いてると本当にテンション上がりすぎて訳が分からなくなりますね……。コンピュータがテーマの現代風刺に電子音多用のロックソングって本当、サザン的に真骨頂すぎますわ。日本でのこういったジャンルのロックなら、きっとサザンの右に出る者はいない。この曲を家でライブ会場的に楽しみたいがために「さくら」のリマスター盤を購入したようなもので。

歌詞もサウンドの演出も総じて、心の底から惚れ惚れする圧倒的迫力。本当に大好きなロックソングって、間奏で鳴ってるギターとかドラムの音、コーラスのところも全部口ずさみたくなりますよね。もう、この曲を具現化して、料理として飲み込んでしまいたい。いつ聴いてもカッコイイ。いつも心に 「01MESSENGER」を。 

 

素敵な夢を叶えましょう

ラストは、エッセイのタイトルにもなったこの名曲。この曲には何度も感動させられ、勇気づけられてきたなぁ…。1フレーズ1フレーズに心を震わせられるような美しい強さがあって、ひたすらに好きなんですよね…。人々に優しさと希望を与え続ける”現代サザン”の明確なスタイルが確立された、重要な原点になってる1曲のような気がする。

”暗い夜空にまたひとつ秋が流れた” のフレーズの後に鈴虫の鳴き声が聞こえるところ、ここでもう、数え切れないくらい涙腺をやられましたね。こういう細かな良さや絶妙な切なさについて上手く言い表すのは難しいのだけど、とにかくそこで胸いっぱいの希望と愛しさに満たされ、こんな曲があって良かった、と心から思える気分になるんですよね。アルバムタイトルが「さくら」にも関わらずこの1作に込められた季節的メッセージ性は”秋”だとはっきり感じ取れるポイントがこの曲にアリ。故にやっぱり、秋の夜長に「素敵な夢を叶えましょう」を再生するのは毎年 絶対に欠かせないですね。サザンに浸り、夜空へ思いを馳せ、”心の扉を明日へと開く” 大切な瞬間。5分9秒。

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ということで、元より語っていた曲の再編集も兼ねて、改めて「さくら」という大好きなアルバムについて色々書いてみました。本当に、こんな不思議なときめきをくれるサザンの音楽って唯一無二だな!って。素敵なアルバムを作って頂き、ありがとうございました。と言いたい。