静穏の日々

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桑田佳祐「波乗りジョニー」再考。日本中を感動させた、奇跡のメロディをもう一度。

波乗りジョニー。それは、誰もが認める夏の大ヒットソングだ。改めてこの曲について考えてみると、本当に、全ての音楽の魅力の結晶だなぁと思う。これぞ、「TOP OF THE POPS」。本日 発売15周年を迎えるということで、もう一度この曲の魅力について振り返ってみよう。

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僕がその凄さを目にしたのは、ライブDVD「桑田佳祐 LIVE TOUR & DOCUMENT FILM I LOVE YOU -now & forever-」を観ていた時のことである。ライブは終盤で会場を再び盛り上げようと「YOUNG MAN」を歌い そのままのリズムで「波乗りジョニー」のイントロに入ったのだが、その時の会場の熱気が物凄く、画面から伝わってきた。観客全員が「キターーー(゜∀゜)ーーーー!!!!!」と叫んでいる感じ。

この、瞬時に何十万人の人々を大興奮させるイントロって...やっぱ波乗りジョニーって凄いな...桑田佳祐 さすがだな...と思った。そしてそれを見ながら何故か僕は、涙した。理由はうまく言えないが、人を感動させる、なんとも不思議なパワーのある、そんな楽曲なのである。

歌詞に注目してみる。出だしは、「青い渚を走り 恋の季節がやってくる」。いやー、絶妙だな〜と。この一言で、一気に気分は夏!ですよ。どんなに豪雨に見舞われた暗い梅雨があったとしても、これを聴けばもう心から気分爽快。サザンの名曲「TSUNAMI」はよく歌詞が素晴らしいことを取り上げられがちだけど、これもなかなか負けてないと思うのである。
そしてサビに入り、「だから好きだと言って 天使になって そして笑って もう一度」からの

「せつ↑な↑い↓胸に・↓波↓音が↑・打ち↓よせる↑↑」

この絶妙なバランスを保ったメロディーライン!!これを僕は「神の旋律」または「奇跡のメロディ」と呼んでいる。聴いている人を更に惹き付ける、計算し尽くされた旋律である。プラス、ティンパニの「ドコドコドコ...」という音やグロッケンのリズミカルな音もまた素晴らしい活躍をしている。

さらにこの曲の良いところは、一番と二番とで演奏がちょっとずつ変わっているところである。これが「段々と増す盛り上がり」という要素になっているため、聴けば聴くほど味わい深い。二番Aメロからは美しいバイオリンの旋律が加わり、どこか漂う切なさを加速させる。

「出逢い 別れ のたびに 二度と恋に落ちないと 誓う孤独の太陽が 涙で滲む」

ここで「孤独の太陽」という桑田佳祐の過去にリリースされたアルバムのタイトルを入れてくることで、歌っている桑田本人が思っていることなのだろうということも感じさせ、なんともいえない気持ちになる。それもまたこの曲における良いスパイスだ。

あと先程 触れ忘れたが、Bメロの「夢を叶えてくれよと 星に願いを込めた日も」の部分に合わせて「(ウ・ウウ・)ハイ!」と掛け声を掛けられるのもライブならではの楽しみである。

二番サビに入り、「振り向きざまに サヨナラは言わないで」というフレーズ。一番のサビよりも曲の内容が濃くなってきて、これが大人の、一夏の恋...などと想像が掻き立てられる。

「月はおぼろ 遥か遠く 秋が目醒めた」から間奏。ここで変わりゆく季節というものが演出され、ギターの軽やかな、でもどこか儚くドラマチックなメロディ。どこまでも聴いている人を飽きさせない歌だなーと感心してしまう。

そして最後のサビ。管楽器の盛り上がりが最高潮になり、最高の感動へと誘われる。
「愛よもう一度 今、蘇る」というラストには、広く続く海のような終わりのない希望を感じられる。

そんな訳で感想が長くなったが、とにもかくにも「波乗りジョニー」は名曲である。先月、ニューシングル「ヨシ子さん」をリリースした桑田佳祐、なお高まる創造力に、今後も期待です。