静穏の日々

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アルバムレビュー・桑田佳祐「Keisuke Kuwata」~稀代のエンターテイナーが魅せる、痺れる音楽の世界

今年 桑田佳祐さんはソロデビュー30周年!ということで、少し早いですが おめでとうの気持ちを込めて、大好きなアルバム「Keisuke Kuwata」の感想を書いてみようと思います。
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桑田佳祐Keisuke Kuwata」は、1988年7月9日にリリースされた桑田さんのソロデビューアルバム。小林武史が全面的にプロデュースしており、その胸踊るような天才同士のコラボレーションと当時独特のバブルサウンドには本当に大興奮必至。

①哀しみのプリズナ
ギターの音が爽やかに響くイントロ。出だしの歌詞は「さぁ 部屋中を暗くしてくれ」だけど、どう聞いても、「sad hey jude a crash end claim~♪」みたいなことを言ってる英語に聞こえる。開始数秒で、「日本語の歌詞も英語っぽく聞かせるロマンの歌声」という桑田さん持ち前のパワーが耳にガーンとくる。この巧みさ...恐るべし。あと、この頃の音楽によく使われてた「ドゥドゥドゥドゥン↓↓!!」って打楽器の音が心地良すぎる。
「I've been trying hang on my love!!(俺はこの愛にしがみつく!!)」
男の悲痛な叫びをぶつけたようなラブソング。痺れますね。ソロデビューアルバムの一曲目がこれ...勢いの凄まじさに驚嘆。

②今でも君を愛してる
ベストアルバム「I LOVE YOU -now & forever-」に収録されているので、なんとなくシングル曲よりもシングル感の強い一曲。神々しいコーラスの歌声とサックスのメロディが混ざり合い、切なさを加速させる。曲がジワジワと盛り上がっていく感じは、コバタケ プロデュースの音楽として最大の魅力な気がする。80年代邦楽ならではの良さが曲全体で光ってるね。

③路傍の家にて
THE・異色サウンドの一曲で、才能が感じられすぎて脳が捩れそう。特に副旋律のメロディが素晴らしすぎて、明るめのメジャーコード進行ではあるはずなのに、この、どことなく漂う「奇妙さ」は何!?ってなる。「はかなき世に願う チャンス到来」と「さもしい小屋の並ぶ 天下往来」とか、「歯止めのない守備は 万事醜態」と「あてなき世の策は バンス膨大」とか、歌詞の語呂の良さがもはやラップの域に達している。

Dear Boys
桑田さんが自分の息子たちに向けて歌った曲らしいけど、子供に聴かせる歌にしては曲調が暗くて どこか切なさに溢れているのが印象的。「道におちた まるい影 愛しすぎる」って部分、聴いてるリスナーからしたら そんな歌詞を書いてしまう桑田さん自体が「愛しすぎる」って感じ。去年の「百万本の赤い薔薇」とか「ヨシ子さん」然り、誰かに尊敬の念や愛を込めて曲作りをするという姿勢は、今も昔も変わらないようで。本当に素晴らしいです。

⑤ハートに無礼美人 (Get out of my Chevvy)
管楽器の音がキレッキレに響くジャズ風の一曲。このサウンドはもう、これでこそバブルの音楽だ!!って雰囲気を感じさせて気分上がりっぱなし。「TOKIO の空が白み始めて どこかの小部屋で Morning Shower」からの盛り上がりは特に、体を揺らさずには聴けない。「時刻は SEVEN 君と EVEN 見たい HEAVEN」という歌詞があるので、七時に聴くと良いことあるかも?
Step out of my Chevvy~Chevvy~Chevvy!!♪(←セルフエコー)

⑥いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)

JALのCMソングとなった2ndシングル。「いつかどこかで 夏はまたくる」という歌詞から分かる通り夏の終わりがテーマの曲だけど、自分がこの曲を初めて聴いた時期もタイムリーなことに夏の終わりだったため、より一層 心に沁みる一曲となった。「今でも逢いたい 気持ちでいっぱい そんな惨めな恋などしたくない」...グッとくるものがある。

⑦Big Blonde Boy
個人的にこのアルバムの中で一番好きな曲。ひっきりなしに聞こえる打楽器の音×獣のような激しいサックスのメロディー×響く電子サウンドで、宇宙空間の彼方へと誘われる感覚。「愛のカンガルーみたいな芸人特有の魔法で 8分音符の彼方に いつかまた逢いにくるよ」などと、歌詞の芸術性の高さは桑田作品の中でもピカイチ。サザンファン界隈の方とカラオケに行くのなら、絶対これ歌いたい!!

⑧Blue ~こんな夜には踊れない
心地良いダンサブルな曲調で、初聴きの時から変わらず激烈にお気に入りな一曲。和風なカッコよさ(男らしさ)と洋風なカッコよさ(英語歌詞の堪能さ)が混ざり合ってて、もはや魅力の塊だと思う。当時「ラッフルズ・ホテル」という映画の主題歌になったらしいけど、こんなカッコいい曲が見てる映画のエンディングで流れてくるって、想像するだけで最高ですね。

⑨遠い街角 (The wanderin' street)

富士フィルムのCMソングとなった優しいミディアムナンバー。「また逢うことを信じてもあの場所には帰れない」と、過ぎ去ってしまった時間を悔いる切なさがテーマの曲だけど、サビの部分はどこか明るく希望が感じられる。桑田さんの曲はいつも、歌詞から読み取れる曲のテーマは暗くても 曲調は明るいというのが特徴的なものが多く、僕は桑田さんのそういうところが大好きです。あと、Wikiによるとコーラスに竹内まりやさんが参加してるらしいけど、今まで全然知らなかった。もう一度ちゃんと聴いてみよう。

⑩悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
メジャーデビューシングルをアルバムの終わりから三曲目に入れてくるというセンス、ポップアルバムとしてベストを尽くしすぎてて、もうその事実の時点で震える。25周年記念ライブ「I LOVE YOU -now & forever-」では一曲目に披露され、以降 老若男女が盛り上がれる夏の名曲として定着した(、イメージ)。イントロの開始数秒だけで「キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー」→「キャー ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 キャー」→「キャ-♪~~(/≧∇)/\(∇≦\)~~キャ-♪」ってなりますね。(←もはや語彙力さえ喪失する)。あと、出だしの歌声が一瞬 山下達郎さんっぽく聞こえて「あれッ!!なんか声が...若い!!」ってなる。

⑪愛撫と殺意の交差点
ここまで来て、今までのどれとも被らないようなもっと濃い異色曲をバーンとぶつけてくるという。このアルバムはトコトン平凡じゃねぇぜ!!っていう意地というか、製作意欲がガンガンに伝わってくる一曲。政治を風刺するというテーマに、「誰かが降らせた光で 雨のち涙の気象台」という歌詞...お洒落すぎる。そして有名な情報だけど、終盤には「オーライ!!」という桑田さんの息子の声が収録されているという更なるお洒落さがあり、とっても音楽に対する拘りと愛を感じられる。最近はもうその声を聴きたいがためにこの曲を再生するようになった。

⑫誰かの風の跡
桑田さんの作るアルバムのラストはバラード曲というのはほとんど変わらずブレない事実であり、このアルバムでも王道なバラードがラストを飾る。が、一概にそう解説してしまうのは全く面白みがないと思えるほど、この曲は桑田作品の中でスバ抜けた名曲である。夏と青春の日々を回想するような歌詞が胸にジーンと沁みると同時に、人の心を静める「鎮魂歌」的ニュアンスを含む曲なのだなと最近になって思った。聴いた後の余韻からはなかなか抜けられませんね。

ということで、このアルバムの感想をちゃんと書いてみて思ったのは、やはり桑田さんの作るポップアルバムは日本一魅力的だということと、どんな曲も作れちゃうオールマイティーな才能があって それが名プロデューサーとのコラボレーションともなると更に凄い作品が出来上がってしまい、桑田ワークスの可能性は無限大ということですね!!
前述した通り 今年デビュー30周年を迎える桑田さんですが、そんな記念年の幕開けは4月スタートの朝ドラ「ひよっこ」の主題歌から。それに期待すると共に、今年出すかもしれない6年ぶりのソロオリジナルアルバムにてどんな音楽が展開されるのか...今後もワクワクが止まらない!!