静穏の日々

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アルバムレビュー・松任谷由実「NO SIDE」~人生で初めてちゃんとユーミンを聴いてみた感想

突然ですが、自分、昔のCMをYouTubeで漁って見るのがちょっとした趣味でして。(堂々と言うのは恥ずかしいが)。その当時のCMを見てると「あれ?この曲カッコいいな、チェックしてみよう!」なんてことがあり、そのきっかけから出会う音楽もあったりするのです。今回もそんな感じの出会いで、あの国民的女性シンガー・松任谷由実さんの音楽に初めてちゃんと触れ、感動し、この感想をブログにまとめたいな、と思った次第で。(てな訳でアルバムレビューの投稿としては2ヶ月ぶりの更新となります。おひさ。)
現役高校生の私が、音楽に関して色々と知識が浅い+語彙力に乏しいなりに感じた感想を主観的に書きます。見苦しい感じになりますがどうかお許しを。(もしも検索されて偶然このページをクリックした大人の方がいたら、という体での前置き。)
興味を持ち、聴いた作品はこちら。1984年リリースのアルバム「NO SIDE」でございます。f:id:fuurintakino:20160907215721j:plain
角川映画の人気が絶頂期を迎え、バブルに突入する前の、色んな芸術が、文化がキラッキラしてた頃の音楽。眩しすぎる。1985年の第27回日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞、とのこと。「NO SIDE」とはラグビーでの「試合終了」を表す用語だそうです。
ピーー!!

①「SALAAM MOUSSON SALAAM AFRIQUE」
一曲目は、「サラーム モンスーン サラーム アフリーク」。長くて不思議なタイトル。どう意味のタイトルなのか詳しいことは分からないけど、アフリカがテーマの曲らしい。ドラムの静かな音から80年代特有の電子キーボード?の音が入り歌が始まる。ワクワクが止まらぬイントロだ。歌い出しは
「果てしなく 乾いた草原を ひとときの暗黒が包み込めば」
...壮大なサウンド、歌詞、一気に曲の世界観に引き込まれる。そしてサビの入りがこれまた素晴らしい。これ、もし僕が女性で高い声の出る人物であったならば、一生モノのカラオケの十八番曲にしていたところであろう。これ歌いこなすユーミン、カッコよすぎでしょ。憧れる。さすが歌姫、という一曲目です。転調からの終わりかたも素晴らしいんだなぁ...うん。

②「NO SIDE」
表題曲。前述した通りこの曲のテーマは、すばりラグビー。そのスポーツをドラマチックに描き試合終了後の感情を綴った楽曲であるが、もはや一言では言い表せない、深みがありすぎな名曲。実際のラグビーの試合のテーマソングになったりカバーされたりと多くの人に親しまれたのだそう。(これがシングルカットされてないって驚き)。このイントロ!雰囲気!この切なさは一体何なのだろうか。
「何をゴールに決めて 何を犠牲にしたの
誰も知らず
歓声よりも長く 興奮よりも速く
走ろうとしていたあなたを
少しでも わかりたいから」
この曲の語り手はマネージャーの女の子なのだろうか。あなた、とは誰なのだろうか。そこにはどんな試合が繰り広げられたのか。きっと命を懸けるくらい本気の試合であったのだろう。そこで選手とマネージャーの女の子とで恋が生まれてたりもして。試合終了後の熱いグラウンドに寝転んで空を見上げる。砂吹雪。...と、色々想像出来ちゃう。少しのフレーズに壮大なストーリー性を含ませるあたり、流石。少し静かになってから、「...人々がみんな 立ち去っても 私ここにいるわ」と続くサビは最高ですね。切なくて愛しい。

③「DOWNTOWN BOY」
きました大本命!先程言った「CMを見たのがきっかけで出会った」というのがこれです。 何ともお洒落で素敵な演出。ユーミン、美しい。キラキラした音にも心を奪われ、「あ、富士フィルム買わないと!」ってなりますね(?)。効果的なプロモーション。リズムに合わせて体を揺らしたくなる不思議な曲。歌詞は、女性がずっと好きだった男性への思いを語っている。「宝島だった秘密の空地」「あなたの思い出つれて」ってフレーズから察するに二人は幼なじみって感じがする。女性は今、好きなその人から少し離れたところにいて、「私をあきらめないでね」と言っている。距離を感じることもあるけど、時に擦れ違い、寄り添いながら恋が発展していく、といったところだろうか。この曲にはどこか希望の風が吹いている。聴いてて元気が出ますね。
(Wikiによると、どうやらこの曲は[ビリー・ジョエル「アップタウン・ガール」を富裕層の女性の視点から描いたアンサーソング]ならしいんですけど、よく知らないので勝手に解釈してみました。間違ってたらスミマセン...)

④「BLIZZARD」
のちに映画「私をスキーに連れてって」の挿入歌としてヒットしたという楽曲。この曲からは、当時の出来る技術の本気を全て詰め込んだ、ベストを尽くしたぞ!っていう迫力が伝わってきます。これも聴こえてくるのは電子キーボードの音がポイントだろうか?間奏とか鳥肌モンです。バイオリンの音もとっても良い。ブーリーザードブリザード
(両親にこの曲について訊いたら、二人とも「シングル曲だと思ってた」とのこと。アルバムの曲でそこまで浸透するって凄い)

⑤「一緒に暮らそう」
そしてこの辺からお洒落静かな曲が始まる。ピアノの音、なんとも胸が踊るサビのメロディ。タイトル通り、男女が二人での生活を始める前の幸せが描かれている。なんとなくイメージ的に、休日のカフェテラスが合ってる気がする。そういう場所で聴いていたい。

⑥「破れた恋の繕し方教えます」
ピピピピ...という音の後にギターのクールな音が入る不思議なイントロ。このアルバムがスタートして未体験の世界観ですね。バラエティ豊かな曲で飽きさせない、そんな事を感じさせるアルバムの醍醐味のような曲。なんだろう、上手く言い表せないけど、魔女っぽい良さと言えるかな。「悲しき Midnight 白く冷たい Moonlight」の言い回しの心地よさ、万歳。

⑦「午前4時の電話」
この曲は良いね~~。世界観で行ったらこの曲が一番好きです。早く起きた時ってなんとなく清々しいというか、優越感に浸れるじゃないですか。(自分が普段 寝坊助だからそう感じるだけかもしれないが)。それで好きな人から電話がかかってくるって最高じゃないですか!...いや、最初は迷惑だって思ってるんだよね。「眠いのよ 瞼はれている」ってね。それもそのはず、きっと辺りはまだ真っ暗でしょうし。ツンとしちゃう。でも、最終的には「きっと愛しているの」「うれしかったわ声きけて」だなんて!!デレ。これぞツンデレのラブストーリーである!!いやー、朝からお熱いですね。幸せもの!!...なんて呑気に妄想してみたが、他の歌詞や曲全体の雰囲気から察するにどうやらそんなに幸せではない様子。二人は今、どんな関係なのだろうか。「あの日別れを決めた」「やっと忘れかけたの」、だけど、「ずっと会いたかったの」。なんとも複雑な恋物語ですね。
(ちなみにだけど、この二人を俳優さんに当てはめるなら 薬師丸ひろ子さんと(当時の)世良公則さんである。そう、「Wの悲劇」。84年、良い時代だなぁ。)

⑧「木枯らしのダイアリー」
そして再び切なさ。「NO SIDE」に並ぶくらい切ないんだけど、ちょっと違う良さ。川で枯れ葉が流れるようにゆらりゆらりと漂うAメロ、Bメロ。からの、サビのメロディ!この流れ、ヤバい。これは神メロディーラインですね。聴けば聴くほど味が出てくる楽曲じゃないかな。

⑨「SHANGRILAをめざせ」
大迫力のサウンド。テーマはタイトル通りユートピア探求について歌われている。この曲、本当に盛り上がるな~。特に前の曲が切ないだけに、吹っ切れるように爽やかなメロディが弾けて、素晴らしい役割を果たしてると思う。イヤホンで聴いてると、Bメロの「Help!Help!Help!」て声が左右の耳から来てめちゃくちゃ楽しい。サビは皆で歌いたい。ミュージカルっぽい感じで、「目をそらさずに Watch me! 腕をのばして Catch me!!」。

ちなみにこのアルバム全体のテーマは「Watch me」だそうで、やはりこの曲はアルバムのなかでとても重要な役割を果たしていたということが分かる。のちにライブツアーのテーマにもなったのだそう。凄い。

⑩「〜ノーサイド・夏〜空耳のホイッスル」
最後はちょっと変わった曲。「NO SIDE」の続き、何十年後かの世界だろうか。不思議な寂しさが冷たく漂う。この曲は途中に入ってるよりもやはりラストにある方がしっくりくるのかもしれない。でも、アルバムのラストを飾る、ってだけの役割では完結していないのは聴けば分かる。ただ、難しいことは抜きにして、聴いてると「このアルバムを聴いて、手に取ってみて良かった」と心から思える瞬間がある。とても良い終わり方である。




人生で初めて聴いたユーミンのアルバムが、いきなりマニアックな世界観にどっぷり浸かってしまった感じになったけど。とってもとっても良い出会いでした!こういう新しい音楽の出会いを大切にしていきたいですね。